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基本情報技術者 2010年 春期 午前(科目A)77


問題文

損益分岐点の特性を説明したものはどれか。

選択肢

固定費が変わらないとき、変動費率が低くなると損益分岐点は高くなる。
固定費が変わらないとき、変動費率の変化と損益分岐点の変化は正比例する。
損益分岐点での売上高は、固定費と変動費の和に等しい。(正解)
変動費率が変わらないとき、固定費が小さくなると損益分岐点は高くなる。

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損益分岐点(BEP)【午前解説】

正解の理由

正解は です。損益分岐点は「利益がゼロ」の売上高を指します。式で表すと これを整理すると となり、損益分岐点での売上高が固定費と変動費の和に等しいことが直接導けます。従ってウの記述は成立します。

解法ステップ

  1. 損益分岐点の定義を確認する:「利益 = 0」の点を求める。
  2. 利益式を書き下す:
  3. 上式を変形して目的の表現を導く:(ウを確認)。
  4. 変動費率 を用いる場合は、 を利用して影響を検討する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「変動費率が低くなると損益分岐点は高くなる。」は誤り。変動費率 が小さくなると限界利益率 が大きくなり、 より損益分岐点は低くなります。例えば固定費100、 のとき に下がれば と下がります。
  • イ: 「変動費率の変化と損益分岐点の変化は正比例する。」は誤り。 であり、 の関係は反比例的・非線形であり単純な正比例ではありません。微分しても比例関係にはならず、 が近づくほど急激に増加します。
  • : 「損益分岐点での売上高は、固定費と変動費の和に等しい。」は正しい。理由は上記の通り利益ゼロの条件から直接導けます。
  • エ: 「変動費率が変わらないとき、固定費が小さくなると損益分岐点は高くなる。」は誤り。 で固定費が小さくなれば分子が小さくなり BEP は小さくなります。

よくある誤解

  • 変動費率が低いと損益分岐点が高くなると誤解する:実際は逆で、変動費率が低いほど限界利益率が高くなり損益分岐点は小さくなります。
  • 変動費率と損益分岐点が「正比例」すると考える:関係は逆数的であり単純な比例関係ではありません。
  • 固定費が減れば損益分岐点が上がると誤って覚える:固定費が小さくなると損益分岐点は当然下がります。

補足コラム

  • 損益分岐点を「売上高」で示す場合と「数量(単位)」で示す場合があります。数量で表す場合は単位当たりの限界利益(価格−変動費)を使い、 となります。
  • 複数製品がある場合は、製品ごとの売上構成比に基づく加重平均限界利益率を用いて全体の損益分岐点を算出します。
  • 安全余裕(margin of safety)は実際売上高と損益分岐点との差で、これが大きいほど業績の安全度は高いと判断されます。
簡単な数値例(参考)
  • 固定費 = 120、変動費率 の場合
    • 限界利益率
    • 損益分岐点(売上高)
    • 損益分岐点での変動費 、固定費120と合計して200(=売上高)となる。

FAQ

Q1: 損益分岐点は売上高でしか表せませんか?
A1: いいえ。売上高でも数量(単位数)でも表せます。用途に応じて単価や限界利益で換算してください。
Q2: 変動費率が50%なら限界利益率は?
A2: 限界利益率は つまり50%です。
Q3: 複数製品のBE Pはどう計算しますか?
A3: 各製品の販売比率を基に加重平均の限界利益率を求め、 を使います。
Q4: 割引があった場合はどう影響しますか?
A4: 販売価格の引き下げは限界利益(価格−変動費)を低下させ、結果として損益分岐点は上昇します。

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