基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A) 問55
問題文
アプリケーションの保守に関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:テスト終了後は速やかに本稼働中のライブラリにプログラムを登録し、保守承認者に報告する。
イ:変更内容が簡単であると判断できるときは、本稼働用のライブラリを直接更新する。
ウ:保守作業が完了しないまま放置されるのを防ぐためにも、保守の完了を記録する。(正解)
エ:保守作業は、保守作業担当者によるテストが終了した時点で完了とする。
##: アプリケーションの保守に関する記述として、適切なものはどれか。 +【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:保守作業は完了した事実を必ず記録・報告すべきであり、作業放置の防止と後続対応の明確化に不可欠です。
- 根拠:構成管理と変更管理の原則では、リリースや保守は承認・記録・追跡が求められ、監査性と責任の所在を明確にします。
- 差がつくポイント:テスト終了=完了扱いにせず、直接本番ライブラリ更新を避け、完了記録と承認プロセスを厳守すること。
正解の理由
保守作業を「完了した」とみなすためには、単に作業やテストを行った事実だけでなく、その完了を公式に記録・報告して責任と次の作業を明確化する必要があります。記録を残すことで「未処理の保守が放置される」「誰がいつ何をしたか不明になる」といったリスクを防げます。したがって「保守の完了を記録する」ことが適切な手順であり、正解は ウ です。
よくある誤解
- テストが終われば作業完了:テストは重要ですが、受入承認やリリース登録、完了報告といった一連の手続きが完了して初めて保守終了と扱うべきです。
- 小規模だから直接本番更新して良い:変更が小さく見えても本番へ直接反映するとトラブル発生時に復旧や追跡が困難になり、ガバナンス違反になります。
- 登録や報告は面倒だから後回しで良い:記録を後から付けると内容不備や改ざんの疑いが生じ、信頼性が低下します。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「保守」「完了」「記録」「本稼働用ライブラリ」「テスト」など。
- 管理の基本原則を思い出す:変更管理、構成管理、責任の分離(SoD)、追跡可能性。
- 各選択肢がこれら原則に合致するかを検証する(承認・記録・リリース手続きがあるか)。
- 最も運用管理上妥当な手順を示す選択肢を選ぶ(記録や報告を明示するもの)。
選択肢別の誤答解説
正解: ウ
-
ア: 「テスト終了後は速やかに本稼働中のライブラリにプログラムを登録し、保守承認者に報告する。」
→ テスト終了後に即時本番ライブラリへ登録する手順は、リリース作業や承認手続き、移行計画が整っていない場合リスクが高く、手順が不十分です。登録は承認とリリース手順に従って実施すべきです。 -
イ: 「変更内容が簡単であると判断できるときは、本稼働用のライブラリを直接更新する。」
→ 簡単さだけで本番を直接更新するのは構成管理違反で、障害発生時の復旧や追跡が困難になります。例外管理が明確に定義されていない限り不可です。 -
ウ: 「保守作業が完了しないまま放置されるのを防ぐためにも、保守の完了を記録する。」
→ 正解。作業の放置防止、責任の明確化、監査対応のため完了記録は必須です。 -
エ: 「保守作業は、保守作業担当者によるテストが終了した時点で完了とする。」
→ 担当者テストのみでは受入や承認、リリース判定が不十分です。第三者確認や承認手続きが必要な場合が多く、単独テストで完了とするのは不適切です。
補足コラム
運用現場では「誰が」「いつ」「何を」「どの環境で」「どのバージョンに変更したか」を記録することが重要です。保守完了記録の例としては以下の項目が考えられます。
- 保守ID、作業者、開始・終了日時、対象システム/モジュール、差分内容、関連チケット番号、承認者、実施環境(開発/本番)、リスク評価、ロールバック手順、確認サイン。
また、頻繁に小さな修正がある場合でも変更管理プロセス(小変更用の簡易承認ルートを含む)を整備すると運用効率と安全性の両立が可能です。
FAQ
Q1: 完了記録はどのレベルまで詳細にするべきですか?
A1: 監査に耐えうるレベルで「誰が」「いつ」「何をしたか」が明確に分かる程度の詳細が必要です。差分やリリース番号、関連チケットは最低限含めます。
A1: 監査に耐えうるレベルで「誰が」「いつ」「何をしたか」が明確に分かる程度の詳細が必要です。差分やリリース番号、関連チケットは最低限含めます。
Q2: テスト終了後に手順通りに本番へ反映する人が同一でも問題ないですか?
A2: 可能だが推奨されません。責任の分離(作業と承認を別にする)は事故防止と監査対応で有効です。小規模運用では代替の管理策を設けます。
A2: 可能だが推奨されません。責任の分離(作業と承認を別にする)は事故防止と監査対応で有効です。小規模運用では代替の管理策を設けます。
Q3: 小さな修正なら事後に記録しても良いですか?
A3: 事後記録は不正や誤記の疑いが生じます。可能な限りリアルタイムに記録・承認する運用を構築すべきです。
A3: 事後記録は不正や誤記の疑いが生じます。可能な限りリアルタイムに記録・承認する運用を構築すべきです。
関連キーワード: 保守手順、変更管理、構成管理、リリース管理、承認プロセス、監査対応、作業記録、ロールバック手順

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