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基本情報技術者 2011年 秋期 午前(科目A)66


問題文

システム化計画を立案するときに考慮すべき事項はどれか。

選択肢

運用を考えて、自社の社員が開発する前提で検討を進める。
開発、保守、運用に関する費用と投資効果を明確にする。(正解)
失敗を避けるため、同業他社を調査し、同じシステムにする。
テスト計画、運用マニュアル及び障害対策を具体的に示す。

システム化計画を立案するときに考慮すべき事項はどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:開発・保守・運用にかかる費用と期待される投資効果を明確にし、経営判断に資する比較指標を示すことがシステム化計画の中心です。
  • 根拠:システム化計画は単なる技術選定ではなく、ライフサイクル全体のコストと便益を見積もって投資判断を行うための根拠資料を作る工程だからです。
  • 差がつくポイント:TCO(総所有コスト)やROIを定量化し、内製・外注、リスクや保守負担の違いを比較提示できるかが合否と実務で差を生みます。

正解の理由

正解は です。システム化計画の目的は、導入・運用にかかる費用と期待される効果(投資効果)を明確にして、経営層の意思決定を支援する点にあります。選択肢イは「開発、保守、運用に関する費用と投資効果を明確にする」とあり、ライフサイクルにわたるコスト評価と効果の見積りという計画フェーズの本質を正しく含んでいます。これにより、代替案比較や資金回収見込み(ROI)・総所有コスト(TCO)の算出が可能になります。

よくある誤解

  • 設計・実装の詳細まで決めるべきだと考える:計画段階では方針とコスト効果の評価が主で、詳細なテスト計画や運用マニュアルは後工程で詰めます。
  • 同業他社と同じにすれば安全だと考える:ベンチマークは有益ですが、業務や既存資産、組織能力が異なるため単純コピーはリスクになります。
  • 「自社の社員が開発する前提」が常に正解だとする思い込み:内製はメリット・デメリットがあり、費用対効果や保守能力を比較検討すべきです。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「システム化計画」が示すフェーズ(計画・投資判断フェーズ)を確認します。
  2. 計画段階で求められる成果(費用対効果の評価、代替案比較、リスク評価)を想起します。
  3. 各選択肢が「計画段階の役割」と一致するかを検証し、範囲外(実装詳細、単純模倣、前提固定)は除外します。
  4. 最終的にライフサイクルコストと投資効果を明示する選択肢を選びます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 運用を考えて、自社の社員が開発する前提で検討を進める。
    → 誤り。内製前提は一つの方針に過ぎず、計画段階では内製と外注の費用やリスクを比較するのが正しい。前提固定は判断を誤らせます。
  • : 開発、保守、運用に関する費用と投資効果を明確にする。
    → 正答。ライフサイクル全体のコスト評価と投資効果の明確化は、システム化計画の中心的役割です。
  • ウ: 失敗を避けるため、同業他社を調査し、同じシステムにする。
    → 誤り。ベンチマークは参考になりますが、そのまま導入すると自社固有の要件や既存資産に合わず失敗する可能性があります。比較検討が必要です。
  • エ: テスト計画、運用マニュアル及び障害対策を具体的に示す。
    → 誤り。これらは重要ですが、詳細設計・実装以降の成果物であり、計画段階で「具体的に示す」ことは通常過剰です。まずは方針とコスト効果の提示が優先されます。

補足コラム

  • TCO(総所有コスト)とは導入費用だけでなく、保守費、運用費、廃棄・更新費まで含めたライフサイクルコストの合計です。計画段階でTCOを評価すると長期的な負担が見えます。
  • ROIの簡易式: 便益を金額に換算できれば比較が容易になります。
  • 実務では、「費用対効果の試算」「リスク評価表」「代替案比較表(内製・外注・パッケージ)」を作成し、経営判断資料とします。これがシステム化計画の核となります。

FAQ

Q1: システム化計画で必ず作る成果物は何ですか?
A1: 投資評価(費用・便益試算)、リスク評価、実施方針(スコープ・進め方)、代替案比較が基本的な成果物です。
Q2: なぜテスト計画や運用マニュアルは計画段階で不要なのですか?
A2: 詳細設計・開発工程で具体化すべき項目で、計画段階は範囲とコスト・効果の評価に集中し、詳細は後工程で策定します。
Q3: 同業他社の成功事例は無視してよいですか?
A3: いいえ。参考にすべきですが、自社の業務プロセスや既存資産、組織能力を考慮して最適化する必要があります。

関連キーワード: システム化計画、ライフサイクルコスト、TCO、ROI、投資評価、費用対効果、運用保守、内製と外注、ベンダ選定、リスク評価、代替案比較、導入方針、投資判断
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