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基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A)14


問題文

アナログ音声信号を、サンプリング周波数44.1kHzのPCM方式でディジタル録音するとき、録音されるデータ量は何によって決まるか。

選択肢

音声信号の最高周波数
音声信号の最大振幅
音声データの再生周波数
音声データの量子化ビット数(正解)

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PCMの量子化ビット数【午前解説】

正解の理由

正解は です。PCM録音でのデータ量は1秒あたりのサンプル数(サンプリング周波数)に、1サンプルあたりのビット数(量子化ビット数)とチャンネル数を掛け合わせたものになります。与えられた「44.1kHz」はサンプリング周波数そのものであり、データ量を決めるもう一つの主要因は量子化ビット数です。したがって「音声データの量子化ビット数」が直接データ量を決定する正答になります。
数学的にはデータレートは次の式で表せます(チャンネル数をCとする):

ここで はサンプリング周波数(Hz)、 は量子化ビット数(bits/sample)、 はチャンネル数です。

解法ステップ

  1. 問題文で「サンプリング周波数44.1kHzのPCM方式」とあるので、サンプリング周波数 が既知であると把握する。
  2. PCMでの1秒あたりのデータ量は と1サンプル当たりの量子化ビット数 、およびチャンネル数 の積であることを思い出す。
  3. 選択肢を見て「データ量に直接影響するのは何か」を判定する。最高周波数は必要な最低サンプリングの規格を示すのみ、最大振幅はビット長に関係しない、再生周波数はサンプリング周波数と同義に扱えるが問題文では既に指定されているため量子化ビット数が不明で直接の決定因である。
  4. よって正解は量子化ビット数(エ)。必要なら式で計算して確認する。
例:16bitステレオ(C=2)の場合、データレートは

1分では約 になります。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 音声信号の最高周波数
    誤り。最高周波数はナイキスト(サンプリング)周波数の最低要件を決めるだけで、実際のデータ量はサンプリング周波数と量子化ビット数で決まります。最高周波数が高いと必要なサンプリング周波数は上がるが、それ自体が直接的なビット量ではありません。
  • イ: 音声信号の最大振幅
    誤り。PCMでは各サンプルに固定ビット数を割り当てるため、振幅の大きさ(音量)はサンプルあたりのビット数を変えない限りデータ量に影響しません(可変長圧縮を使う特殊な場合を除く)。
  • ウ: 音声データの再生周波数
    誤り。再生周波数は基本的にサンプリング周波数に対応しますが、問題は「データ量は何によって決まるか」を問うており、44.1kHz としてサンプリング周波数は固定されています。データ量を決定するもう一方の要素は量子化ビット数であり、したがって再生周波数(サンプリング周波数)だけでは不十分です。
  • エ: 音声データの量子化ビット数
    正解。1サンプルあたりのビット数がそのままデータ量に直結します。

よくある誤解

  • 「最大振幅(音量)が大きければデータ量が増える」と考える誤解:PCMは各サンプルに固定ビット数を割り当てるため、振幅の大小はデータ量に影響しません(圧縮を使う場合は別)。
  • 「再生周波数=データ量を決める」との混同:再生時に用いるサンプリング周波数がデータの1要素ですが、単に再生周波数を指して質問するときは量子化ビット数を見落としがちです。
  • 「最高周波数(信号の帯域)だけで決まる」とする誤解:最高周波数は必要なサンプリング周波数を規定しますが、サンプル1つあたりのビット数がデータ量を左右します。

補足コラム

  • CD音質は 44.1kHz, 16bit, ステレオ (C=2) で規格化されています。このため前述の計算で出た 1,411,200 bps(約1.411 Mbps)がCDのPCM非圧縮でのビットレートです。
  • 量子化ビット数を増やすとダイナミックレンジ(理論的SNR)が向上します。理論上のSNR改善はおよそ ×(ビット増分)です。
  • 圧縮(可逆・非可逆)を行うとデータ量は変わりますが、問題は「PCM方式での録音」と明示しており、圧縮の有無は問題外です。
小さなPython例:指定のパラメータからファイルサイズを計算する
fs = 44100       # Hz
bits = 16        # bits per sample
channels = 2     # stereo
bps = fs * bits * channels
bytes_per_second = bps // 8
minutes = 1
size_mb = bytes_per_second * 60 * minutes / (1024*1024)
print(f"{bps} bps, {size_mb:.2f} MB per minute")

FAQ

Q1: サンプリング周波数を上げるとデータ量は必ず増えますか?
A1: はい。サンプリング周波数が増えれば1秒あたりのサンプル数が増えるため、量子化ビット数が同じならデータ量は比例して増えます。
Q2: 量子化ビット数を上げる意味は何ですか?
A2: 音の微細な振幅差をより精密に表現できるため、理論上のSNRやダイナミックレンジが向上し、音質が良くなりますがデータ量も増えます。
Q3: 圧縮された音声(MP3など)はどう影響しますか?
A3: 圧縮は最終的なファイルサイズを減らしますが、問題文の「PCM方式」では生データ(非圧縮)での話なので圧縮は考慮しません。

関連キーワード: サンプリング定理、PCM、量子化ビット数、サンプリング周波数、ビットレート、ナイキスト定理、44.1kHz、ステレオ、非圧縮音声
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