基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A) 問15
問題文
コンピュータシステムの構成に関する記述のうち、密結合マルチプロセッサシステムを説明したものはどれか。
選択肢
ア:通常は一方のプロセッサは待機しており、本稼働しているプロセッサが故障すると、待機中のプロセッサに切り替えて処理を続行する。
イ:複数のプロセッサが磁気ディスクを共用し、それぞれ独立したOSで制御される。ジョブ単位で負荷を分散することで処理能力を向上させる。
ウ:複数のプロセッサが主記憶を共用し、単一のOSで制御される。システム内のタスクは、基本的にどのプロセッサでも実行できるので、細かい単位で負荷を分散することで処理能力を向上させる。(正解)
エ:並列に接続された2台のプロセッサが同時に同じ処理を行い、相互に結果を照合する。1台のプロセッサが故障すると、それを切り離して処理を続行する。
🔒 解説は解答すると表示されます
密結合マルチプロセッサシステム【午前解説】
正解の理由
正解は ウ です。
ウは「複数のプロセッサが主記憶を共用し、単一のOSで制御される。システム内のタスクは基本的にどのプロセッサでも実行できるので、細かい単位で負荷を分散することで処理能力を向上させる。」と記述しており、これは典型的な密結合マルチプロセッサ(対称型マルチプロセッサ:SMP)の定義に一致します。主記憶の共有と単一OSによる制御が密結合の本質であり、細粒度のスレッド/プロセス移動や協調的スケジューリングが可能です。
ウは「複数のプロセッサが主記憶を共用し、単一のOSで制御される。システム内のタスクは基本的にどのプロセッサでも実行できるので、細かい単位で負荷を分散することで処理能力を向上させる。」と記述しており、これは典型的な密結合マルチプロセッサ(対称型マルチプロセッサ:SMP)の定義に一致します。主記憶の共有と単一OSによる制御が密結合の本質であり、細粒度のスレッド/プロセス移動や協調的スケジューリングが可能です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:主記憶の共有/単一OS/待機プロセッサ/ディスク共用/同時照合など。
- 「主記憶を共用」かつ「単一のOSで制御」なら密結合(SMP)であると結論付ける。
- 「待機している」「ディスクを共用して独立OS」「同時に同じ処理」はそれぞれ冗長系、疎結合クラスタ、ロックステップに該当するため除外する。
- 選択肢とキーワードを突き合わせて最も一致するものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 通常は一方のプロセッサは待機しており、本稼働しているプロセッサが故障すると、待機中のプロセッサに切り替えて処理を続行する。
- 誤り。これはフェールオーバーや冗長化(ホットスタンバイ)の説明で、密結合マルチプロセッサの説明ではありません。密結合では複数プロセッサが並行稼働することが一般的です。
- イ: 複数のプロセッサが磁気ディスクを共用し、それぞれ独立したOSで制御される。ジョブ単位で負荷を分散することで処理能力を向上させる。
- 誤り。ディスク共用かつ独立OSは典型的な疎結合(クラスタ/分散システム)で、共有主記憶や単一OSはありません。ジョブ単位の負荷分散は粗粒度です。
- ウ: 複数のプロセッサが主記憶を共用し、単一のOSで制御される。システム内のタスクは、基本的にどのプロセッサでも実行できるので、細かい単位で負荷を分散することで処理能力を向上させる。
- 正解。共有主記憶と単一OS、細粒度の負荷分散は密結合マルチプロセッサ(SMP)の特徴です。
- エ: 並列に接続された2台のプロセッサが同時に同じ処理を行い、相互に結果を照合する。1台のプロセッサが故障すると、それを切り離して処理を続行する。
- 誤り。これはロックステップ(コアの並列実行で結果照合するフォールトトレラント)や冗長化の説明で、密結合の一般的定義とは目的が異なります。
よくある誤解
- 「主記憶を共有=冗長構成」:共有メモリは性能向上が目的で、冗長のための待機プロセッサとは異なります。
- 「ディスク共有や独立OSでも密結合」:ディスク共用+独立OSはクラスタ(疎結合)であり、単一の共有主記憶を持ちません。
- 「同時に同じ処理=密結合」:同じ処理を並列に実行して結果を照合するのはロックステップ(フォールトトレラント)技術で目的が異なります。
補足コラム
- 密結合(Shared Memory, SMP)と疎結合(Cluster, Distributed)は設計目標が違います。密結合は低遅延のメモリアクセスと細粒度並列化で性能を稼ぎ、疎結合はスケーラビリティと耐障害性を重視します。
- 密結合ではキャッシュコヒーレンシ(例:MESIプロトコル)やメモリバス競合、ロックや同期コストが性能のボトルネックになります。
- NUMA(非一様メモリアクセス)は主記憶共有の一形態で、物理的にメモリアクセスコストがプロセッサごとに異なるため、メモリ配置最適化が重要です。
FAQ
Q1: 密結合=SMPで良いですか?
A1: 一般にはその通りです。密結合は共有主記憶+単一OSの特徴を持つSMPを指します。
A1: 一般にはその通りです。密結合は共有主記憶+単一OSの特徴を持つSMPを指します。
Q2: ディスクを共有していると密結合ですか?
A2: いいえ。ディスク共有はクラスタ(疎結合)で見られ、主記憶共有とは別概念です。
A2: いいえ。ディスク共有はクラスタ(疎結合)で見られ、主記憶共有とは別概念です。
Q3: フェールオーバー構成は密結合で実現されますか?
A3: 多くの場合、フェールオーバーは冗長サーバやクラスタで実装され、密結合とは目的が異なります。
A3: 多くの場合、フェールオーバーは冗長サーバやクラスタで実装され、密結合とは目的が異なります。
Q4: 密結合で最も注意する性能要因は何ですか?
A4: キャッシュコヒーレンシのオーバーヘッドとメモリバスの帯域・レイテンシが重要です。
A4: キャッシュコヒーレンシのオーバーヘッドとメモリバスの帯域・レイテンシが重要です。
関連キーワード: 密結合マルチプロセッサ、共有メモリ、SMP、対称型マルチプロセッサ、クラスタリング、フェールオーバ、冗長化、ロックステップ、NUMA、キャッシュコヒーレンシー

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

