基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A) 問39
問題文
DHCPの説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:IPアドレスの設定を自動化するためのプロトコルである。(正解)
イ:ディレクトリサービスにアクセスするためのプロトコルである。
ウ:電子メールを転送するためのプロトコルである。
エ:プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換するためのプロトコルである。
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DHCPによるIPアドレス自動割当【午前解説】
正解の理由
ア(IPアドレスの設定を自動化するためのプロトコルである。)が正解です。DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)はネットワークに接続するホストへIPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバなどの設定情報を自動的に割り当てるためのプロトコルであり、これにより手作業での設定ミスや管理負荷を低減します。プロトコルの仕様上、サーバとクライアント間でDISCOVER/OFFER/REQUEST/ACKの4段階のやり取りを行い、IPアドレスを一時的な「リース」として付与します。
解法ステップ
- 選択肢のキーワード(IPアドレス、ディレクトリ、電子メール、変換)を読み、各キーワードがどのプロトコルに該当するかを思い出す。
- 「IPアドレスの自動設定」が出てきたらDHCPを連想し、「ディレクトリ」はLDAP、「電子メール」はSMTP、「変換」はNAT(IPマスカレード)と対応させる。
- DHCPの代表的な機能(リース、UDP67/68、DISCOVER/OFFER/REQUEST/ACKの流れ)を頭に置き、最も適合する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: IPアドレスの設定を自動化するためのプロトコルである。 — 正解。DHCPの主要機能そのものです。
- イ: ディレクトリサービスにアクセスするためのプロトコルである。— 誤り。ディレクトリサービス(ユーザ認証や属性検索)はLDAPなどが担当し、DHCPは関係ありません。
- ウ: 電子メールを転送するためのプロトコルである。— 誤り。電子メールの送受信はSMTP(送信)、POP/IMAP(受信)が使われ、DHCPはネットワーク設定を配布するだけです。
- エ: プライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換するためのプロトコルである。— 誤り。これはNAT(Network Address Translation)やPATの役割で、DHCPはアドレス割当を行うにとどまります。
よくある誤解
- DHCPはアドレスを「変換」する(NATのような動作をする)と考える誤解:DHCPは配布するだけで実際のアドレス変換は行いません。
- DHCPが「認証やディレクトリ検索」を行うと考える誤解:ユーザやリソースの検索はLDAPなど別プロトコルの役割です。
- DHCPは「メールを送る」プロトコルであるという誤認:メール転送はSMTPの役割で、DHCPとは無関係です。
補足コラム
- DHCPの基本メッセージはDHCPDISCOVER → DHCPOFFER → DHCPREQUEST → DHCPACKの順に交わされます。クライアントはまずブロードキャストでDISCOVERを送り、サーバはOFFERで提案、クライアントがREQUESTしてACKで確定します。
- ポート番号はサーバがUDP/67、クライアントがUDP/68を使用します(IPv4の場合)。
- 割当方法には自動(固定の永続割当)、動的(リース期間付き割当)、予約(MACアドレスに紐付けて特定IPを割当)があります。
- DHCPv6はIPv6向けに仕様が異なり、DHCPv6特有のメッセージやオプションが存在します。
- セキュリティ面では不正DHCPサーバによる攻撃を防ぐためにDHCPスヌーピングや認証付きネットワークが利用されます。
簡単な確認コマンド例(環境により異なります):
# Windows: 現在のIPを再取得
ipconfig /renew
# Linux (dhclient使用時): リースファイル確認
sudo cat /var/lib/dhcp/dhclient.leases
FAQ
Q. DHCPで割り当てられたIPは永続ですか?
A. 通常は「リース期間」が設定され、期限が切れると更新または再割当が行われます。静的に固定したければサーバ側で予約設定します。
A. 通常は「リース期間」が設定され、期限が切れると更新または再割当が行われます。静的に固定したければサーバ側で予約設定します。
Q. DHCPがないネットワークではどうする?
A. 手動でIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ、DNSを各端末に設定する必要があります。
A. 手動でIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ、DNSを各端末に設定する必要があります。
Q. DHCPとDNSは関係ありますか?
A. 直接の役割は別ですが、ネットワーク管理ではDHCPで配布したIPとホスト名をDNSに動的登録(DDNS)する運用がよく行われます。
A. 直接の役割は別ですが、ネットワーク管理ではDHCPで配布したIPとホスト名をDNSに動的登録(DDNS)する運用がよく行われます。
Q. DHCPとNATはどちらも「IP」に関係しますが違いは何ですか?
A. DHCPはIPを「割り当てる」プロトコル、NATは既存のIPアドレスを別のIPに「変換」してパケット転送する技術です。役割が異なります。
A. DHCPはIPを「割り当てる」プロトコル、NATは既存のIPアドレスを別のIPに「変換」してパケット転送する技術です。役割が異なります。
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