基本情報技術者 2011年 春期 午前(科目A) 問78
問題文
著作権法に照らして適法な行為はどれか。
選択肢
ア:ある自社製品のパンフレットで使用しているスポーツ選手の写真を、撮影者に無断で、ほかの自社製品のパンフレットに使用する。
イ:経済白書の記載内容を説明の材料として、出所を明示してWebページに転載する。(正解)
ウ:新聞の写真をスキャナで取り込んで、提案書に記載する。
エ:ユーザ団体の研究会のように限られた対象者に対し、雑誌の記事をコピーして配布する。
🔒 解説は解答すると表示されます
著作権の適法利用判断【午前解説】
正解の理由
正解は イ です。
経済白書の記載を説明の材料として転載する行為は、「公表された著作物」を説明目的で必要最小限引用する場合、著作権法第32条の引用の要件に合致すれば適法とされます。要件は主に(1)引用が公正な慣行に合致すること、(2)引用の必然性があること、(3)引用部分と主体部分の主従関係が明確であること、(4)出所を明示すること、の4点です。問題文では「出所を明示してWebページに転載する」とあるため、これらの要件を満たす範囲であれば適法と判断できます。
経済白書の記載を説明の材料として転載する行為は、「公表された著作物」を説明目的で必要最小限引用する場合、著作権法第32条の引用の要件に合致すれば適法とされます。要件は主に(1)引用が公正な慣行に合致すること、(2)引用の必然性があること、(3)引用部分と主体部分の主従関係が明確であること、(4)出所を明示すること、の4点です。問題文では「出所を明示してWebページに転載する」とあるため、これらの要件を満たす範囲であれば適法と判断できます。
解法ステップ
- 対象行為が「複製」「公衆送信」「翻案」など著作権の行使に抵触するかを確認する。
- 例外規定(引用、第30条私的複製、報道の引用など)が適用できるかを検討する。
- 引用を主張する場合は4要件(公表済み・公正な慣行・必要性・出所明示)を満たしているか照合する。
- 配布範囲や使用目的(営利・非営利、社内利用か不特定多数か)を確認し、許諾の必要性を判断する。
- 選択肢ごとに上記基準を当てはめ、要件を満たすか否かで正誤を判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: ある自社製品のパンフレットで使った選手写真を撮影者に無断で別のパンフに使用する。
→ 撮影者(著作権者)の複製・利用許諾が必要です。過去の使用許諾が特定用途限定であれば別用途での転載は侵害になります。 - イ: 経済白書の記載内容を説明の材料として、出所を明示してWebページに転載する。
→ 正解。公表された白書の記載を説明のために必要最小限で引用し出所を明示すれば、引用の要件を満たす限り適法です。ただし全文転載や営利目的での無制限転載は別問題です。 - ウ: 新聞の写真をスキャナで取り込んで、提案書に記載する。
→ 原則違法。提案書内での利用が「私的複製」に当たらない場合(社外配布や顧客への提出など)や引用の要件を満たさない場合は複製権の侵害となります。写真は引用要件を満たすハードルも高いです。 - エ: ユーザ団体の研究会のように限られた対象者に対し、雑誌の記事をコピーして配布する。
→ 配布行為は私的複製の範囲を超えるため原則違法。研究目的でも雑誌社の許諾が必要になる場合が多く、範囲や部数・配布先により違法性が生じます。
よくある誤解
- 「出所を明示すれば何でもOK」:出所明示は必須ですが、引用は必要最小限かつ主従関係が明確であることが前提で、全文転載や大量転載は不可です。
- 「限定配布=私的利用で自由」:配布先が限定的でも複製・配布を第三者に行えば私的複製(第30条)の範囲を超え、許諾が必要になります。
- 「新聞写真をスキャンすれば引用扱い」:写真は創作的表現であり、引用として用いるには説明側の主目的であり、かつ必要最小限であることを示さないと違法になりやすいです。
補足コラム
- 著作権法の「引用」は情報利用を適度に促進するための例外規定ですが、単なる出典表示では足りません。引用部分が主ではなく、引用した部分が主体となって論を展開するなど「主従関係」が逆転していないことが重要です。
- 白書や政府刊行物は公に配布されていますが、日本の著作権法上で自動的にパブリックドメイン扱いになるわけではありません。各文書の利用条件は確認してください(政府機関による二次利用ガイドラインがある場合もあります)。
FAQ
Q1: 出所を明示すれば本文を丸ごと転載しても大丈夫ですか?
A1: いいえ。出所明示は必要ですが、全文転載は引用の「必要性」「範囲」の要件を満たさないことが多く、著作権侵害となる可能性が高いです。必要最小限に留めてください。
A1: いいえ。出所明示は必要ですが、全文転載は引用の「必要性」「範囲」の要件を満たさないことが多く、著作権侵害となる可能性が高いです。必要最小限に留めてください。
Q2: 社内で使う提案書なら写真をスキャンしても良いですか?
A2: 社内限定でも配布範囲や目的によっては私的複製の範囲を超えます。特に社外に提出する場合や営利目的での使用は許諾が必要です。
A2: 社内限定でも配布範囲や目的によっては私的複製の範囲を超えます。特に社外に提出する場合や営利目的での使用は許諾が必要です。
Q3: 雑誌記事を研究会で配布したいときはどうすればいいですか?
A3: 部分引用なら引用要件を満たす工夫をする、あるいは出版社に許諾を求めるのが安全です。会議資料としての一部抜粋でも配布は慎重に判断してください。
A3: 部分引用なら引用要件を満たす工夫をする、あるいは出版社に許諾を求めるのが安全です。会議資料としての一部抜粋でも配布は慎重に判断してください。
関連キーワード: 著作権法、引用、第32条、私的複製、出所明示、写真利用、雑誌転載、白書転載、配布範囲、主従関係

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

