基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問59
問題文
経済産業省の“営業秘密管理指針”に基づく営業秘密データの管理状況について監査を行うとき、秘密管理性のチェックポイントはどれか。
選択肢
ア:当該データが経営効率の改善に役立っているかどうかを分析していること
イ:当該データの記録媒体に秘密を意味する表示をしていること(正解)
ウ:当該データの内容が刊行物に掲載されていないかを定期的に確認していること
エ:当該データの内容が公序良俗に反していないかを確認していること
営業秘密管理指針に基づく「秘密管理性」のチェックポイント【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:選択肢イが正解。記録媒体に「秘密」等の識別表示があることは秘匿性を明示し管理の出発点になります。
- 根拠:指針は営業秘密の管理性確認項目として識別表示やアクセス制御などの物理的・組織的措置を挙げ、表示は管理実施の証拠となります。
- 差がつくポイント:有用性や公序良俗は別評価軸であり、定期的な刊行物確認は公開性の確認であって識別表示とは目的が異なります。
正解の理由
記録媒体に「秘密」などの識別表示がされていることは、その情報が営業秘密として取り扱われる意図と運用が存在する明確な証拠になります。監査では「管理しているか」を確認することが目的であり、表示は従業員への周知・取扱いルールの適用開始・誤使用防止に直結するため、秘密管理性のチェックポイントとして最も適切です。
よくある誤解
- 「経営効率に役立つか(ア)」を重視してしまう:有用性は営業秘密性(有用性要件の一部)に関係するものの、監査の“管理性”確認とは異なります。
- 「刊行物の有無(ウ)」だけで秘匿性を判断する:公開確認は重要ですが、管理性(表示やアクセス管理)の有無を示すものではありません。
- 「公序良俗(エ)」は法令適合性の観点であり、秘密として管理されているかのチェックポイントではありません。
解法ステップ
- 問題のキーワード「秘密管理性」「監査」「チェックポイント」に注目する。
- 指針が示す管理性とは「識別」「アクセス管理」「保管・廃棄」などの有無を確認することだと想起する。
- 各選択肢を「管理性の証拠になるか」で評価し、識別表示が直接的な管理措置である選択肢を選ぶ。
- 有用性や内容の適法性は別軸と判断して除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 当該データが経営効率の改善に役立っているかどうかを分析していること
→ 有用性は営業秘密性の一側面(企業にとって有用であること)に関わりますが、監査での「管理性」のチェックポイントではありません。管理の存在を示す証拠になりにくいです。 - イ: 当該データの記録媒体に秘密を意味する表示をしていること
→ 正解。表示は識別と取扱いルール適用の開始点であり、管理性の有無を直接示します。監査で確認すべき代表的項目です。 - ウ: 当該データの内容が刊行物に掲載されていないかを定期的に確認していること
→ 刊行物確認は公開性の確認であり、公開されているかどうかを判断するための作業ですが、表示などの管理措置そのものとは目的が異なります。 - エ: 当該データの内容が公序良俗に反していないかを確認していること
→ 公序良俗の確認は法令・倫理面のチェックであり、秘密として管理されているかどうか(管理性)の評価項目ではありません。
補足コラム
経済産業省の営業秘密管理指針では、営業秘密と認められるための要素(非公知性、有用性、秘密管理性)に加え、組織として講ずべき管理措置例が示されています。識別表示(ラベリング)は「誰が何を秘密として扱うか」を明示し、アクセス制御、保管場所の管理、廃棄手順、秘密保持契約(NDA)や教育の実施とともに、監査で確認される典型的な項目です。表示だけで完璧な管理とは言えませんが、表示がなければ管理の存在を疑われやすく、監査で不利になります。
FAQ
Q1: 表示があればそれだけで十分ですか?
A1: いいえ。表示は重要な第一歩ですが、アクセス制御や保管ルール、ログ管理、社員教育など実行可能な管理措置が補完されている必要があります。
A1: いいえ。表示は重要な第一歩ですが、アクセス制御や保管ルール、ログ管理、社員教育など実行可能な管理措置が補完されている必要があります。
Q2: 刊行物に掲載されていないことを確認すれば営業秘密と判断できますか?
A2: 刊行物に無いことは非公知性の一面を示しますが、秘密管理性(実際に管理されているか)を示すものではありません。両面を確認する必要があります。
A2: 刊行物に無いことは非公知性の一面を示しますが、秘密管理性(実際に管理されているか)を示すものではありません。両面を確認する必要があります。
Q3: 電子データでも表示は有効ですか?
A3: 有効です。ファイル名、メタデータ、アクセス制御や透かし等で「機密」「秘密」を明示することが実務的に推奨されます。
A3: 有効です。ファイル名、メタデータ、アクセス制御や透かし等で「機密」「秘密」を明示することが実務的に推奨されます。
関連キーワード: 営業秘密、秘密管理、識別表示、ラベリング、監査、アクセス制御、管理指針、非公知性、廃棄手順、教育訓練

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