基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問60
問題文
マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち、可用性に該当するものはどれか。
選択肢
ア:マスタファイルが置かれているサーバを二重化し、耐障害性の向上を図っていること(正解)
イ:マスタファイルのデータを複数件まとめて検索・加工するための機能が、システムに盛り込まれていること
ウ:マスタファイルのメンテナンスは、特権アカウントを付与された者だけに許されていること
エ:マスタファイルへのデータ入力チェック機能が、システムに盛り込まれていること
マスタファイル管理に関するシステム監査項目のうち、可用性に該当するものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: マスタファイルの可用性はサーバの二重化や冗長化など、障害時にもサービス継続を可能にする対策が該当します。
- 根拠: 可用性は「必要なときに必要なサービスやデータへアクセスできること」を意味し、耐障害性や冗長構成が直接対応します。
- 差がつくポイント: 検索機能や入力チェックは機能性や完全性に関わるため、可用性と混同しないことが合格者との差になります。
正解の理由
正解は ア です。可用性(availability)は、障害発生時でも利用者がデータにアクセスできるか、サービスが継続できるかを評価する観点です。サーバを二重化して耐障害性を高めることは、故障や障害発生時のサービス停止を防ぐための典型的な可用性向上策であり、システム監査で可用性に該当します。一方、検索や加工機能は機能要件、特権アカウントはアクセス制御(機密性)、入力チェックはデータの完全性に関する項目であり、可用性とは役割が異なります。
よくある誤解
- 「入力チェックや検索機能も可用性に関係する」と考える誤解:これらは主にデータの完全性や機能性で評価されます。
- 「アクセス制御が強ければ可用性も高い」と考える誤解:強固なアクセス制御は機密性向上であり、可用性とは別次元の評価です。
- 「バックアップ=可用性の全て」と思う誤解:バックアップは復旧(RTO/RPO)に寄与しますが、即時の継続性は冗長化やフェイルオーバで担保します。
解法ステップ
- 問題文の評価軸(ここでは「可用性」)の定義を即座に思い出す。
- 各選択肢が「可用性(継続性・障害時のアクセス)」に当てはまるかを分類する。
- 可用性に直接該当する冗長化・フェイルオーバ手段を選び、機能性・機密性・完全性に属する選択肢を除外する。
- 最終的に「サービス継続性を高める対策」である選択肢を正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: マスタファイルが置かれているサーバを二重化し、耐障害性の向上を図っていること
- 正解。二重化や冗長構成は障害時のアクセス不能を防ぎ、可用性を直接高める対策です。
- イ: マスタファイルのデータを複数件まとめて検索・加工するための機能が、システムに盛り込まれていること
- 誤り。検索・加工機能はシステムの機能性や利便性に関する項目であり、可用性そのものではありません。
- ウ: マスタファイルのメンテナンスは、特権アカウントを付与された者だけに許されていること
- 誤り。アクセス制御や権限管理は機密性(および運用上の完全性)に関する監査項目です。
- エ: マスタファイルへのデータ入力チェック機能が、システムに盛り込まれていること
- 誤り。入力チェックはデータの正確性・完全性を担保する対策であり、可用性の監査項目ではありません。
補足コラム
可用性対策は多層で考えることが重要です。サーバ二重化やクラスタリング、ロードバランシング、フェイルオーバ設定、データ同期(同期/非同期レプリケーション)、サイト冗長化(異なるロケーションでの冗長化)などを組み合わせてRTO(復旧時間目標)・RPO(復旧地点目標)を満たします。監査時は単なる構成有無の確認だけでなく、フェイルオーバ試験の実施記録や監視・アラート体制、運用手順の整備も評価対象となります。
FAQ
Q: 可用性と完全性(整合性)はどう区別すれば良いですか?
A: 可用性は「サービスやデータへアクセスできるか」、完全性は「データが正しく一貫しているか」を評価します。入力チェックは完全性、冗長化は可用性に該当します。
A: 可用性は「サービスやデータへアクセスできるか」、完全性は「データが正しく一貫しているか」を評価します。入力チェックは完全性、冗長化は可用性に該当します。
Q: 二重化はどの程度行えば十分ですか?
A: 要件次第です。業務継続性の必要度に応じて、単一故障点の排除、地理的冗長、同期レプリケーションなどを組み合わせてRTO/RPO目標を満たす設計が必要です。
A: 要件次第です。業務継続性の必要度に応じて、単一故障点の排除、地理的冗長、同期レプリケーションなどを組み合わせてRTO/RPO目標を満たす設計が必要です。
Q: 監査で可用性を証明するための証拠例は?
A: 冗長構成図、フェイルオーバ試験結果、監視ログ、障害発生時の対応履歴、バックアップ・復旧手順書などが有効です。
A: 冗長構成図、フェイルオーバ試験結果、監視ログ、障害発生時の対応履歴、バックアップ・復旧手順書などが有効です。
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