基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問64
問題文
IT投資案件において、5年間の投資効果をROI(Return On Investment)で評価した場合、四つの案件a〜dのうち、最も効果が高いものはどれか。ここで、内部収益率(IRR)は0とする。

選択肢
ア:a(正解)
イ:b
ウ:c
エ:d
IT投資のROI比較(5年・IRR=0)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: 投資効果が最も高いのは案件a(ア)。初期投資100に対し5年総利益135、純益35でROIは35%と最大である。
- 根拠: 問題はIRR=0(割引率0)なので各年利益を合算し、で単純比較すれば良い。
- 差がつくポイント: 少額投資で利益が集中する案件はROIが高く評価されやすく、大規模・長期分散案件は同ROIでも相対的不利になる。
正解の理由
正解は ア(案件a)です。IRRが0であるため割引を行わず各年の利益を合計し、投資額との差を投資額で割ったものがROIの比較基準になります。案件aは初期投資100に対し5年合計利益135で純利益35、となり、他の案件よりも高いため正解です。
よくある誤解
- IRRとROIを混同して、IRRが0という表現を「IRRの結果が0%」と誤解する人がいるが、本問は割引率を0%とする意味です。
- 残存価値や年ごとの割引を無意味に適用してしまい、本来の条件(IRR=0)と矛盾する計算を行うミス。
- ROIを「総利益/投資額」として扱う場合、差は出ないが「純利益/投資額」を採るのが一般的で、引き算を忘れると順位が変わる。
解法ステップ
- IRR=0は割引率0%を意味するので、各年利益をそのまま合算する。
- 各案件について5年分の総利益を計算する。
- の式でROIを求める。
- 全案件のROIを比較し、最大のものを選ぶ。
具体計算(要点):
- a: 総利益 = 、投資額=100 → ROI
- b: 総利益 = 、投資額=200 → ROI
- c: 総利益 = 、投資額=300 → ROI
- d: 総利益 = 、投資額=400 → ROI
したがって最大は案件a(ROI 35%)。
選択肢別の誤答解説
- ア(a): 正解。計算通りROIは35%で最大。
- イ(b): 総利益240、投資200でROI=20%。投資が大きく、相対的な回収率が低い。
- ウ(c): 総利益360、投資300でROI=20%。絶対利益は大きいが投資比率で劣る。
- エ(d): 総利益525、投資400でROI=31.25%。絶対利益は大きいが比率ではaに次ぐ。
補足コラム
- ROIの計算式は文脈で若干表現が異なる場合があります。一般的には (純利益÷投資額)を指します。総利益÷投資額(回収倍率)を用いることもありますが、ランキングには影響しません。
- IRRやNPVを用いる評価では時間価値を考慮するため、収益の発生時期(前倒しか後倒しか)で順位が変わる可能性があります。本問のようにIRR=0の指定がある場合は時間価値を無視して単純比較します。
- 実務ではROIだけでなくリスク、資金制約、戦略的価値も考慮すべきです。
FAQ
Q1: IRR=0ってどういう意味ですか?
A1: この問題では「割引率(評価に用いる利率)を0%とする」という意味です。したがって将来キャッシュフローの現在価値化は行いません。
A1: この問題では「割引率(評価に用いる利率)を0%とする」という意味です。したがって将来キャッシュフローの現在価値化は行いません。
Q2: 年平均のROIや年率換算は必要ですか?
A2: 問題文に指定がなければ総期間(ここは5年)での単純ROIで比較します。年率化すると順位が変わる場合があるので指示に注意してください。
A2: 問題文に指定がなければ総期間(ここは5年)での単純ROIで比較します。年率化すると順位が変わる場合があるので指示に注意してください。
Q3: 同じROIならどれを選ぶべきですか?
A3: ROIが同率の場合は絶対利益(総利益)、資金効率、リスク、プロジェクトの戦略的重要性などで判断します。
A3: ROIが同率の場合は絶対利益(総利益)、資金効率、リスク、プロジェクトの戦略的重要性などで判断します。
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