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基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A)75


問題文

裁量労働制の説明はどれか。

選択肢

企業が継続雇用の前提として、従業員に対して他社でも通用する技術・能力の維持責任を求める一方、企業も従業員の能力開発を積極的に支援する。
従業員1人当たりの労働時間を短縮したり仕事の配分方法を見直したりするなど、労働者間で労働を分かち合うことで雇用の維持・創出を図る。
特定の専門業務や企画業務において、労働時間は、実際の労働時間に関係なく、労使間であらかじめ取り決めた労働時間とみなす。(正解)
能力主義と実績主義の徹底、経営参加意識の醸成、業績向上へのインセンティブなどを目的に、職務と能力、業績を基準に報酬を決める。

##: 裁量労働制の説明はどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論: 裁量労働制は、特定の専門業務や企画業務について労使の取り決めにより実労働時間に関係なく一定時間とみなす制度である。
  • 根拠: これは労働基準法上の「みなし労働時間制」の一種で、対象業務の限定や労使合意、手続きが適用要件となる。
  • 差がつくポイント: フレックスタイムや仕事の配分、報酬制度と混同しやすいので、みなし時間の扱いや割増賃金の計算基準を押さえること。

正解の理由

正解は です。裁量労働制は「みなし労働時間制」の一形態であり、特定の専門業務型や企画業務型に対して、労使であらかじめ定めた時間を労働時間とみなす制度です。選択肢ウは「労働時間は実際の労働時間に関係なく、労使間であらかじめ取り決めた労働時間とみなす」と述べており、裁量労働制の本質を正確に表しています。法的には対象業務の限定や適用に関する合意・手続きが必要であり、これらが成立して初めてみなし時間が適用されます。

よくある誤解

  • 誤解1: 「裁量労働制は残業代が不要になる」
    → 実際はみなし労働時間を基準として時間外割増が計算されるため、場合によっては割増賃金が発生します。無条件で残業代が不要になるわけではありません。
  • 誤解2: 「裁量だから働き放題で労基法の規制外」
    → 最低賃金や休憩・休日など労働基準法の他の規定は適用されます。管理は適法な手続きと労使協定が前提です。
  • 誤解3: 「フレックスタイムと同じ」
    → フレックスタイムは労働時間の配分を本人に委ねる制度で、裁量労働制とは適用要件や時間算定の扱いが異なります。

解法ステップ

  1. 文中に「みなし」「あらかじめ取り決めた時間とみなす」などの表現がある選択肢を探す。
  2. 「専門業務」「企画業務」など裁量労働制の対象を示す語句があるか確認する。
  3. 他の選択肢が労働時間の扱いではなく能力開発、仕事分担、報酬制度に関する記述であることを確認して除外する。
  4. 法的性質(みなし労働時間制である点)と合致する選択肢を最終決定する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 企業と従業員の能力維持・支援に関する記述で、人材育成や教育の方針を述べており裁量労働制とは無関係です。
  • イ: 労働時間を短縮し労働を分かち合う「仕事シェアリング」や短時間勤務等の施策に関する説明で、裁量労働制の定義ではありません。
  • ウ: は裁量労働制の本質である「みなし労働時間制」の説明と一致します(正解)。
  • エ: 能力主義・実績主義に基づく報酬決定の説明であり、賃金体系や人事制度に関する内容で裁量労働制の説明ではありません。

補足コラム

裁量労働制には主に「専門業務型」と「企画業務型」があります。専門業務型は研究開発やデザインなど高度な専門職に、企画業務型は事業運営に関わる企画立案業務などに適用されます。適用には対象業務の明確化、労使間の合意(労使協定や書面での同意等)、みなし時間の算定方法の明示、適用対象者の把握といった手続きが必要です。なお、深夜労働や休日労働の取り扱い、労働時間の把握と健康管理は重要な運用課題です。

FAQ

Q1: 裁量労働制の適用を受けると残業代は完全になくなりますか?
A1: いいえ。みなし労働時間を基準に時間外割増を計算します。みなし時間が法定労働時間を超えれば割増の対象となる場合があります。
Q2: フレックスタイム制とどう違いますか?
A2: フレックスタイムは総労働時間を定め、その範囲内で始業・終業を自由に決める制度。裁量労働制はあらかじめ決めた時間を「労働した」とみなす点が異なります。
Q3: すべての業務に適用できますか?
A3: いいえ。法律上、対象業務は限定されており、無差別に適用できません。適用には所定の要件と手続きが必要です。

関連キーワード: 裁量労働制、みなし労働時間制、専門業務型、企画業務型、労使協定、労働時間管理
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