基本情報技術者 2012年 秋期 午前(科目A) 問76
問題文
商品の1日当たりの販売確率が表のとおりであるとき、1個当たりの利益を1,000円とすると、利益の期待値が最大になる仕入個数は何個か。ここで、売れ残った場合、1個当たり300円の廃棄ロスが出るものとする。

選択肢
ア:4
イ:5
ウ:6(正解)
エ:7
利益の期待値が最大になる仕入個数は何個か【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:仕入個数は6個。各仕入量ごとの期待利益を計算すると、仕入6個で期待利益4,830円となり最も高くなります。
- 根拠:1個当たり販売利益1000円、売れ残りは−300円なので、1ケースの利益はでとなり期待値はで評価します。
- 差がつくポイント:増やしたときの増分期待利益(限界期待利益)を計算し、正であれば仕入を増やす、負であればやめる判断が短時間で正解を導きます。
正解の理由
正解は ウ(6個)です。
理由は以下の通りです。1個当たり売上が1,000円、売れ残りの廃棄ロスが−300円なので、仕入、実際の販売数のときの利益は
理由は以下の通りです。1個当たり売上が1,000円、売れ残りの廃棄ロスが−300円なので、仕入、実際の販売数のときの利益は
よって期待利益は
表から各に対するを求め、上式に代入すると期待利益は
- : → 円
- : → 円
- : → 円(最大)
- : → 円
したがって期待利益が最大となるのは仕入6個、すなわち選択肢ウです。
よくある誤解
- 「売れる個数の最大値で決める」:最大販売数(7個)が最適とは限らず、売れ残りコストを考慮した期待値で比較する必要があります。
- 「売れ残りコストを無視する」:売れ残りの−300円を考慮しないと仕入過多になり誤答になります。
- 「全パターンの利益を個別に計算しない」:期待値は確率を重みとした平均なので、各販売数に対する利益×確率の合計を必ず行ってください。
解法ステップ
- 1個あたりの売れたときの貢献と売れ残りの損益を確認する(売れたとき +1000円、売れ残り −300円)。
- 一般式を導く:仕入, 販売数で利益は。
- 表から各ごとの期待販売数を計算する(確率×販売数の和)。
- を各に代入して期待利益を求める。
- 期待利益が最大となるを答える(または限界期待利益で比較して止める)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 4
- → 期待利益 円。最小であり不正解。
- イ: 5
- → 期待利益 円。ウより小さい。
- ウ: 6
- → 期待利益 円。今回の最大値で正解。
- エ: 7
- → 期待利益 円。7個に増やすと売れ残りコストが効いて期待値が低下するため不正解。
(限界期待利益で見る方法)
4→5の増分期待販売数は、増分期待利益はで増やす価値あり。5→6はで増分、6→7はで増分なのでここで増やすのを止めると6が最適。
4→5の増分期待販売数は、増分期待利益はで増やす価値あり。5→6はで増分、6→7はで増分なのでここで増やすのを止めると6が最適。
補足コラム
この種の問題は「ニュースボーイ問題(newsvendor problem)」の離散版に相当します。一般には「需要分布」と「過不足コスト」を比べて最適発注量を決めます。今回のように確率表が与えられている場合は期待販売数を直接計算して期待利益式に代入する方法が最も確実です。
簡単なプログラムで確認する例(Python):
簡単なプログラムで確認する例(Python):
probs = {
4: {4:1.0},
5: {4:0.3,5:0.7},
6: {4:0.3,5:0.3,6:0.4},
7: {4:0.3,5:0.3,6:0.3,7:0.1},
}
for q,dist in probs.items():
Es = sum(s*p for s,p in dist.items())
expected_profit = 1300*Es - 300*q
print(q, Es, expected_profit)
このスクリプトを実行すると期待利益が確認できます。
FAQ
Q1. なぜ利益式がになるのですか?
A1. 売れた1個は+1000円、売れ残り1個は−300円。利益 = 売れた数×1000 + 売れ残り数×(−300) を変形すると になります。
A1. 売れた1個は+1000円、売れ残り1個は−300円。利益 = 売れた数×1000 + 売れ残り数×(−300) を変形すると になります。
Q2. 表の確率は条件付き確率ですか?
A2. 問題文は「仕入個数ごとに販売個数の確率が与えられている」形式なので、各行はその仕入量における販売数の確率分布(条件付き確率)として扱います。
A2. 問題文は「仕入個数ごとに販売個数の確率が与えられている」形式なので、各行はその仕入量における販売数の確率分布(条件付き確率)として扱います。
Q3. 別の売価や廃棄コストならどうする?
A3. 同様に1個当たり売れたときの寄与(売価)と売れ残りの寄与(廃棄等)を使い、一般式を作って期待値を比較してください。限界期待利益の符号で発注判断ができます。
A3. 同様に1個当たり売れたときの寄与(売価)と売れ残りの寄与(廃棄等)を使い、一般式を作って期待値を比較してください。限界期待利益の符号で発注判断ができます。
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