基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問54
問題文
システム開発プロジェクトにおける、ソフトウェア品質の管理指標の一つとして、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:WBSを構成するワークパッケージの完了数
イ:個人別のプログラミングの生産性
ウ:成果物ごとのレビュー時間(正解)
エ:プログラムのバージョン
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レビュー時間による品質管理指標【午前解説】
正解の理由
正解: ウ
成果物ごとのレビュー時間は、レビュー活動という品質向上プロセスの投入量を直接測れる指標です。レビューに費やした時間が多く、かつその時間あたりに多くの欠陥が検出されれば、レビューの有効性と品質管理の強さを示します。進捗や個人作業量を測る指標ではなく、品質確保のためのプロセス実行度合いを評価できる点で、品質管理指標として最も適切です。
成果物ごとのレビュー時間は、レビュー活動という品質向上プロセスの投入量を直接測れる指標です。レビューに費やした時間が多く、かつその時間あたりに多くの欠陥が検出されれば、レビューの有効性と品質管理の強さを示します。進捗や個人作業量を測る指標ではなく、品質確保のためのプロセス実行度合いを評価できる点で、品質管理指標として最も適切です。
解法ステップ
- 「品質の管理指標」が何を評価するかを確認する(欠陥の早期発見、再発防止、プロセスの徹底)。
- 各選択肢が「品質」「進捗」「生産性」「構成管理」のどれを示すかを分類する。
- 品質評価に直接貢献する選択肢を残す(レビュー活動や欠陥に関する指標)。
- 残った選択肢の中で「定量化しやすく改善に結びつくか」を評価して選ぶ(成果物ごとのレビュー時間が適合)。
選択肢別の誤答解説
- ア: WBSを構成するワークパッケージの完了数
- 誤り。進捗管理(スケジュール達成)を示す指標であり、品質そのものを直接測定しません。完了が早くても欠陥が多ければ品質は低いままです。
- イ: 個人別のプログラミングの生産性
- 誤り。生産性は作業量や速度を示す指標で、品質(欠陥率やレビュー効果)とは異なります。個人比較は不正確な行動を誘発する恐れもあります。
- ウ: 成果物ごとのレビュー時間
- 正解。レビュー活動への投入(時間)を測り、欠陥発見の頻度やレビューの徹底度と組み合わせて品質評価が可能なため、品質管理指標に適します。
- エ: プログラムのバージョン
- 誤り。バージョンは構成管理や変更履歴の管理対象であり、品質の度合いを直接示す指標ではありません。バージョン数が多いことが必ずしも品質の高さを意味しません。
よくある誤解
- WBSの完了数は品質指標だと思う誤解:WBS完了数は進捗(スケジュール達成度)を示す指標であり、品質そのものを直接評価しません。
- 個人別生産性=品質だと考える誤解:高い個人生産性は量の多さを示すだけで、品質(欠陥の少なさ)とは別軸です。個人指標はモチベーションや比較の問題を生みます。
- バージョン数=品質向上の証だと誤解すること:バージョンは変更履歴やリリース管理の概念であり、品質を直接示す指標ではありません。頻繁なバージョンは修正の多さを示す場合もあります。
補足コラム
レビュー時間そのものは「投入量(Input)」の指標です。有効な品質管理には、投入量だけでなく「成果(Output)」を合わせて見ることが重要です。代表的な組合せ指標例は以下の通りです。
- レビュー効率 = レビューで検出した欠陥数 ÷ レビュー時間(単位:欠陥/時間)
- 欠陥密度 = 発見された欠陥数 ÷ 成果物のサイズ(例:ドキュメント行数や機能数)
- 初期検出率(Early Detection Rate) = レビューで見つかった欠陥数 ÷ 総欠陥数(テスト含む)
これらをダッシュボード化し、トレンドで見ることで品質改善活動の効果を評価できます。
FAQ
Q1: レビュー時間を増やせば品質は必ず向上しますか?
A1: 必ずしも。時間をただ増やすだけでなく、レビューの技法(チェックリスト、役割分担、事前準備)と欠陥発見効率を高めることが重要です。時間あたりの欠陥検出数で効果を評価します。
A1: 必ずしも。時間をただ増やすだけでなく、レビューの技法(チェックリスト、役割分担、事前準備)と欠陥発見効率を高めることが重要です。時間あたりの欠陥検出数で効果を評価します。
Q2: 個人別生産性を品質指標にしてはいけないですか?
A2: 品質指標としては不適切です。生産性指標は工程管理や人員計画では使えますが、品質評価には欠陥率やレビュー効果などの指標が必要です。
A2: 品質指標としては不適切です。生産性指標は工程管理や人員計画では使えますが、品質評価には欠陥率やレビュー効果などの指標が必要です。
Q3: バージョン管理は品質管理に役立ちますか?
A3: 役立ちますが直接的な品質指標ではありません。バージョン管理は変更追跡やリリース管理に重要で、品質活動のトレーサビリティ確保に貢献します。
A3: 役立ちますが直接的な品質指標ではありません。バージョン管理は変更追跡やリリース管理に重要で、品質活動のトレーサビリティ確保に貢献します。
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