基本情報技術者 2012年 春期 午前(科目A) 問67
問題文
プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)における“花形“を説明したものはどれか。
選択肢
ア:市場成長率、市場占有率ともに高い製品である。成長に伴う投資も必要とするので、資金創出効果は大きいとは限らない。(正解)
イ:市場成長率、市場占有率ともに低い製品である。資金創出効果は小さく、資金流出量も少ない。
ウ:市場成長率は高いが、市場占有率が低い製品である。長期的な将来性を見込むことはできるが、資金創出効果の大きさは分からない。
エ:市場成長率は低いが、市場占有率は高い製品である。資金創出効果が大きく、企業の支柱となる資金源である。
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プロダクトポートフォリオの花形【午前解説】
正解の理由
正解は ア です。BCG(ボストンコンサルティンググループ)マトリクスにおける「花形(Star)」は、縦軸が市場成長率、横軸が相対的市場占有率で表現したときに、両方が高い象限に位置します。高い市場成長は市場拡大の機会を意味しますが、成長を取り込むために積極的な投資(生産能力、販売促進、技術開発など)が必要です。よって高占有による競争優位が期待できる一方、必ずしも短期的に大きなキャッシュを生むとは限らない、という点をアは的確に表現しています。
解法ステップ
- 問題文で要求される「花形(Star)」の定義を思い出す(高成長・高占有)。
- 各選択肢の市場成長率と市場占有率の組合せを確認する。
- 「成長に伴う投資が必要」といったフレーズがあるかをチェックし、花形の特徴と照合する。
- 「資金創出効果は必ず大きい」等の断定表現があれば除外候補とする(花形は投資負担がある)。
- 最も定義に合致する選択肢を選ぶ(今回ではア)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 市場成長率、市場占有率ともに高いとし、投資も必要で資金創出は必ずしも大きくないと述べている。これは花形(Star)の正しい説明であり正解です。
- イ: 市場成長率・占有率ともに低い製品を示す。BCGでは「負け犬(Dog)」に相当し、資金流出も小さいが将来性は限定的。花形とは逆の象限です。
- ウ: 市場成長率は高いが占有率が低い製品であり、BCGでは「問題児(Question Mark)」または「花びら(Problem Child)」に相当します。将来性はあるが投資で占有率を上げられるかが不確実で、花形とは占有率の点で異なります。
- エ: 市場成長率は低いが市場占有率は高い製品であり、BCGでは「金のなる木(Cash Cow)」です。投資は少なく安定的にキャッシュを生む点で花形と区別されます。
よくある誤解
- 花形は常に「多くの現金を生む」と考える誤解:花形は成長投資に資金を要するため、短期的には資金流出になることがある点を見落としやすいです。
- 高成長=即将来性確定と捉える誤解:高成長市場でも自社の占有率が低ければ「花形」にはならず、投資判断は占有率との組合せで判断する必要があります。
- 用語の取り違え(花形と金のなる木を混同する):花形(Star)と金のなる木(Cash Cow)は似て非なる概念です。後者は低成長・高占有で安定的に現金を生みます。
補足コラム
BCGマトリクスは企業の製品ポートフォリオを4象限(花形、金のなる木、問題児、負け犬)に分類し、それぞれに適した戦略(投資、収益回収、選択的投資、撤退・縮小)を示唆します。典型的な製品ライフサイクルの流れは「問題児 → 花形 → 金のなる木 → 負け犬」であり、市場条件や競争状況に応じて製品は象限を移動します。実務では相対的市場占有率の計算方法や市場成長率の定義(市場全体の売上伸び率など)を明確にすることが重要です。
FAQ
Q1: 花形はいつ「金のなる木」になるのですか?
A1: 市場成長率が低下しても企業の市場占有率が高いままであれば、花形は成熟期を迎えて「金のなる木(Cash Cow)」になります。つまり市場成長の鈍化が転換点です。
A1: 市場成長率が低下しても企業の市場占有率が高いままであれば、花形は成熟期を迎えて「金のなる木(Cash Cow)」になります。つまり市場成長の鈍化が転換点です。
Q2: 花形が必ず投資を必要とする理由は何ですか?
A2: 花形は高成長市場でのシェア維持・拡大を狙うため、設備投資や販促、人材確保などで資金を投入する必要があるためです。投資でリーダーシップを維持します。
A2: 花形は高成長市場でのシェア維持・拡大を狙うため、設備投資や販促、人材確保などで資金を投入する必要があるためです。投資でリーダーシップを維持します。
Q3: 市場占有率の定義はどう計るべきですか?
A3: 一般的には自社売上(量) ÷ 市場全体売上(量)または自社売上高 ÷ 市場全体売上高で測ります。相対的市場占有率を用いる場合は、最大競合との差も考慮します。
A3: 一般的には自社売上(量) ÷ 市場全体売上(量)または自社売上高 ÷ 市場全体売上高で測ります。相対的市場占有率を用いる場合は、最大競合との差も考慮します。
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