基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A) 問65
問題文
非機能要件定義を説明したものはどれか。
選択肢
ア:業務要件のうち、システムで実現が難しく、手作業となる業務機能を明確化する。
イ:業務要件の実現に必要な、品質要件、技術要件、運用要件などを明確化する。(正解)
ウ:業務要件を確定させるために、現行システムで不足している機能を明確化する。
エ:業務要件を実現するために、新たに導入するパッケージの適合性を明確化する。
非機能要件定義を説明したものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→非機能要件定義は、品質・性能・可用性・保守性・セキュリティ等の非機能面と運用・技術要件を明確化し、受入基準やSLAに落とし込む作業です。
- 根拠→業務要件が「何をするか(機能)」を示すのに対し、非機能要件は「どのように/どれだけ(品質や制約)」で評価する基準を定義する点が本質的に異なります。
- 差がつくポイント→非機能要件は必ず測定可能な指標(応答時間、可用性%、処理量、復旧時間など)で定義し、テスト手順や運用手順まで結び付けることが合否を分けます。
正解の理由
選択肢イは「業務要件の実現に必要な、品質要件、技術要件、運用要件などを明確化する」と述べており、非機能要件定義の本質を的確に表しています。非機能要件は機能(何をするか)ではなく、品質・性能・可用性・信頼性・保守性・セキュリティなどの「どのように実現するか」に関する条件や制約、運用面の要件を示し、SLAや受入基準、運用手順に落とし込みます。したがってイが正解です。
よくある誤解
- 非機能要件=運用要件だけ:運用要件は非機能の一部であり、性能やセキュリティなど技術的側面も含まれます。
- 非機能要件は抽象的でよい:曖昧な表現では検証できないため、必ず測定可能な指標で定義する必要があります。
- パッケージ適合性の検討=非機能要件定義:適合性評価は導入検討や選定の活動であり、非機能要件定義とは重なる部分もあるが同義ではありません。
解法ステップ
- 問題文で問われているキーワード「非機能要件定義」を確認する。
- 教科書的定義を想起する:「機能要件は何をするか」「非機能要件はどのように/どれだけか」。
- 選択肢を順に比較し、品質・技術・運用といった語が含まれるものを候補にする。
- 「業務機能の不足抽出」「手作業となる機能」「パッケージ適合性」など、機能要件や選定活動を示す選択肢は除外する。
- 残った選択肢(本問ではイ)を正答とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 業務要件のうち、システムで実現が難しく手作業となる業務機能の明確化を指すが、これは機能要件や業務分解・業務改善の観点であり、非機能要件定義の説明ではありません。
- イ: 正解。品質要件(性能・可用性等)、技術要件(使用する技術やプラットフォーム)、運用要件(バックアップや監視、運用手順)など非機能面を明確化する定義と一致します。
- ウ: 現行システムで不足している機能の明確化はギャップ分析や機能要件確定の作業であり、非機能要件定義とは別のフェーズ・目的です。
- エ: パッケージの適合性を明確化するのは導入検討やパッケージ評価の活動で、非機能要件定義と関連することはあるが、定義そのものを説明する文としては不適切です。
補足コラム
非機能要件はプロジェクトの後半で曖昧だとコスト増大や品質トラブルを招きます。具体的には「応答時間は○秒以下」「可用性は年間稼働率99.9%以上」「ピーク時スループットは○件/秒」「障害復旧時間(RTO)は○分以内」などのように数値や検証方法を合わせて記述します。さらに、非機能要件は非機能テスト(性能試験、耐障害試験、負荷試験、セキュリティテストなど)での受入条件と直結します。
FAQ
Q1: 非機能要件と運用要件は同じですか?
A1: 運用要件は非機能要件の一部です。非機能要件は運用・技術・品質など広い範囲を包含します。
A1: 運用要件は非機能要件の一部です。非機能要件は運用・技術・品質など広い範囲を包含します。
Q2: パッケージ適合性は非機能要件で評価できますか?
A2: 一部の非機能観点(対応OS、性能、拡張性など)で評価できますが、適合性評価自体は選定プロセスの活動です。
A2: 一部の非機能観点(対応OS、性能、拡張性など)で評価できますが、適合性評価自体は選定プロセスの活動です。
Q3: 非機能要件はどう書けばいいですか?
A3: 測定可能な指標(数値)と検証方法(試験種類、合格基準)をセットで書くことが重要です。
A3: 測定可能な指標(数値)と検証方法(試験種類、合格基準)をセットで書くことが重要です。
Q4: 非機能要件の優先度付けは必要ですか?
A4: 必要です。実現コストや技術的制約から妥協点を決めるため、優先度を明確にします。
A4: 必要です。実現コストや技術的制約から妥協点を決めるため、優先度を明確にします。
関連キーワード: 要件定義、非機能要件、品質要件、技術要件、運用要件、SLA、性能要件、可用性、非機能テスト、要件工学

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