基本情報技術者 2013年 春期 午前(科目A) 問25
問題文
3次元グラフィックス処理におけるクリッピングの説明はどれか。
選択肢
ア:CG映像作成における最終段階として、物体のデータをディスプレイに描画できるように映像化する処理である。
イ:画像表示領域にウィンドウを定義し、ウィンドウの外側を除去し、内側の見える部分だけを取り出す処理である。(正解)
ウ:スクリーンの画素数が有限なので図形の境界近くに生じる、階段状のギザギザを目立たなくする処理である。
エ:立体感を生じさせるために、物体の表面に陰影を付ける処理である。
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クリッピング処理【午前解説】
正解の理由
正解は イ です。
クリッピングとは、定義された表示領域(ウィンドウ、ビューポート、ビューイングフラスタ等)に対して、その外側にある頂点・線分・多角形などを切り落とし、表示すべき部分だけを取り出す処理を指します。設問の文言「ウィンドウを定義」「外側を除去」「内側の見える部分だけを取り出す」はクリッピングの本質的な説明に一致します。
クリッピングとは、定義された表示領域(ウィンドウ、ビューポート、ビューイングフラスタ等)に対して、その外側にある頂点・線分・多角形などを切り落とし、表示すべき部分だけを取り出す処理を指します。設問の文言「ウィンドウを定義」「外側を除去」「内側の見える部分だけを取り出す」はクリッピングの本質的な説明に一致します。
解法ステップ
- 問題文でキーワード(ウィンドウ、外側を除去、見える部分)を探す。
- 各選択肢を分類:表示範囲の決定・切断(クリッピング)、色付け(シェーディング)、アンチエイリアス、最終レンダリングなど。
- 「表示領域の外側を除去する」と記述された選択肢を正解とする(イが一致)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「CG映像作成における最終段階として、物体のデータをディスプレイに描画できるように映像化する処理である。」
→ 誤り。これはレンダリングパイプライン全体や最終的なラスタライズ/表示を指す表現であり、クリッピングの限定的な定義とは異なります。 - イ: ウィンドウを定義し、ウィンドウの外側を除去し、内側の見える部分だけを取り出す処理である。
→ 正解。クリッピングの典型的な説明です。 - ウ: 「階段状のギザギザを目立たなくする処理」
→ 誤り。これはアンチエイリアシング(エイリアス除去)の説明であり、ピクセルレベルでの見た目改善に関するものです。 - エ: 「物体の表面に陰影を付ける処理」
→ 誤り。これはシェーディングやライティングの説明で、光の計算により色や明暗を決める処理です。
よくある誤解
- 「描画の最終段階」だと誤解する: クリッピングはラスタライズ前の幾何学処理の一部であり、必ずしも最終のカラー生成段階ではありません。
- 「アンチエイリアシングや陰影付けと混同する」: これらはピクセルの見た目や色計算に関する処理で、クリッピングは範囲判定と切断が主目的です。
- 「カリング(例:バックフェイスカリング)と同義」と混同する: カリングは描画不要なオブジェクトを高速に除外する手法で、クリッピングは可視領域に対する幾何学的な切断処理です。
補足コラム
- 3Dパイプラインでの位置付け: モデル座標→ワールド座標→ビュー座標→クリップ座標(クリップ空間)→正規化デバイス座標(NDC)→ビューポート変換という流れの中で、クリッピングはクリップ空間やNDC上で行われ、視錐台(frustum)や正規化立方体に対して行われます。
- 主なアルゴリズム: 線分クリッピングはCohen–Sutherland、Liang–Barsky、多角形クリッピングはSutherland–Hodgmanが代表的です。
- パース空間での扱い: 透視投影の場合はホモジニアス座標(w成分)を用いたクリッピングが必要で、遠近による切断は近クリップ面・遠クリップ面で制御されます。
- 性能面: 大きなシーンではまずフラスタムカリングやオクルージョンカリングで描画候補を削減し、その後必要に応じてクリッピングを行うのが一般的です。
FAQ
Q1: クリッピングとカリングはどう違いますか?
A1: カリングは描画不要なオブジェクト(画面外全体や裏向き面など)を早期に除外する最適化、一方クリッピングは描画可能でも一部が領域外のプリミティブを幾何学的に切断する処理です。
A1: カリングは描画不要なオブジェクト(画面外全体や裏向き面など)を早期に除外する最適化、一方クリッピングは描画可能でも一部が領域外のプリミティブを幾何学的に切断する処理です。
Q2: クリッピングは2Dだけの処理ですか?
A2: いいえ。2Dウィンドウクリッピングもありますが、3Dではビューイングフラスタ(視錐台)に対するクリッピングが行われます。座標系と空間が3Dになるだけで基本概念は同じです。
A2: いいえ。2Dウィンドウクリッピングもありますが、3Dではビューイングフラスタ(視錐台)に対するクリッピングが行われます。座標系と空間が3Dになるだけで基本概念は同じです。
Q3: クリッピングはレンダリングのどの段階で行うべきですか?
A3: 通常はラスタライズ前の幾何学処理段階で行います。透視投影後(クリップ空間)またはNDCで処理されることが多いです。
A3: 通常はラスタライズ前の幾何学処理段階で行います。透視投影後(クリップ空間)またはNDCで処理されることが多いです。
関連キーワード: クリッピング、ビューポート、ビューイングフラスタ、Sutherland-Hodgman、Cohen-Sutherland、Liang-Barsky、ラスタライズ、バックフェイスカリング、アンチエイリアシング、透視投影

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