基本情報技術者 2014年 秋期 午前(科目A) 問12
問題文
コンピュータの電源投入時に最初に実行されるプログラムの格納に適しているものはどれか。ここで、主記憶のバッテリバックアップはしないものとする。
選択肢
ア:DRAM
イ:HDD
ウ:ROM(正解)
エ:SRAM
コンピュータの電源投入時に最初に実行されるプログラムの格納に適しているものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→ 電源投入直後に実行されるコードは不揮発性で電源遮断後も内容が残る記憶装置に格納するのが適切で、従って正解は ウ(ROM)です。
- 根拠→ CPUはリセット時に決められたリセットベクタから命令を読み出すため、主記憶が未初期化でも読み出せる不揮発性媒体が必要だからです。
- 差がつくポイント→ DRAM/SRAMは揮発性、HDDはコントローラやドライバ初期化が必要、フラッシュは種類による違いを押さえると得点差が生まれます。
正解の理由
ROM(Read-Only Memory)は不揮発性で、電源を切っても内容が保持されます。コンピュータは電源投入後すぐにCPUがリセットベクタ(固定アドレス)から命令をフェッチして実行を始めるため、電源投入時点で確実に読み出せるメディアが必要です。ROMは製造時にファームウェアやブートストラップ(BIOS/UEFI相当)を格納でき、電源投入直後に即座に動作する点で最も適しています。以上より正答は ウ(ROM)です。
よくある誤解
- DRAMは主記憶だから起動時に使える:DRAMは揮発性で電源断後にデータが消えるため、電源投入直後には初期化されており起動コードの格納先には向きません。
- HDD/SSDから直接起動できると考える:HDDやSSD自体にブートローダを置けても、最初にそれらへアクセスするための最低限のコード(ファームウェア)が不揮発性メモリに必要です。
- SRAMは高速だからOKと思う:SRAMも基本的には揮発性で電源維持が前提のため、バッテリバックアップが無い環境では不適切です。
解法ステップ
- 問題文で「電源投入時に最初に実行されるプログラム」と「主記憶のバッテリバックアップはしない」を確認する。
- 各選択肢について「電源遮断で内容が残るか」「電源投入直後にCPUが直接読み出せるか」を評価する。
- 不揮発性でかつ電源投入直後に読み出せるものを選ぶ(ROMが該当)。
- 他選択肢の不適合理由(揮発性・初期化やコントローラ依存・アクセス遅延)を確認して最終判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: DRAM
- 理由不適合:DRAMは揮発性で電源断後にデータが消えます。電源投入直後は主記憶が未初期化であるため起動コードの格納には向きません。
- イ: HDD
- 理由不適合:HDDは不揮発性ではありますが、電源投入直後に直接CPUが命令フェッチする媒体ではなく、コントローラやドライバの初期化が必要でアクセス遅延もあります。最初の実行コードはディスクに依存せずに読み出せる必要があります。
- ウ: ROM(正解)
- 理由適合:電源遮断後も内容が保持され、CPUがリセットベクタから確実に読み出せるため起動用プログラムの格納に最適です。
- エ: SRAM
- 理由不適合:SRAMは高速ですが基本的に揮発性で電源維持が必要です。バッテリバックアップが無い環境では起動コードを保持できません。
補足コラム
歴史的にはBIOSがROM(マスクROMやEPROM)に格納され、電源投入時にBIOSが起動処理(POST)を行い、次にディスク上のブートローダを読み込みます。近年は書き換え可能なフラッシュメモリ(EEPROMやNORフラッシュ)にファームウェアを格納することが一般的で、これも不揮発性であるため起動用格納領域として機能します。なお、実際のブートプロセスは段階的(ファームウェア → ブートローダ → OS)であり、最初に動くのは不揮発性に置かれた最小限のコードです。
FAQ
Q1: フラッシュメモリはROMに含まれますか?
A1: 概念的には「不揮発性で読み出し可能な記憶領域」として同様の役割を果たします。実務ではEEPROM/フラッシュにファームウェアを書き込み、ROMと同様に起動用として使います。
A1: 概念的には「不揮発性で読み出し可能な記憶領域」として同様の役割を果たします。実務ではEEPROM/フラッシュにファームウェアを書き込み、ROMと同様に起動用として使います。
Q2: HDDやSSDから直接起動することはないのですか?
A2: 最終的なOSの読み込みはHDD/SSDから行いますが、その前段として不揮発性のファームウェア(ROM/フラッシュ)がまず動作し、ディスクからのブートを開始するための手順を実行します。
A2: 最終的なOSの読み込みはHDD/SSDから行いますが、その前段として不揮発性のファームウェア(ROM/フラッシュ)がまず動作し、ディスクからのブートを開始するための手順を実行します。
Q3: バッテリバックアップがあればDRAMやSRAMを使えるのですか?
A3: 理論上は可能ですが、商用機器では信頼性やコスト、設計の容易さからROM/フラッシュを使うのが一般的です。バッテリバックアップは一時的保持向けの手段であり万能ではありません。
A3: 理論上は可能ですが、商用機器では信頼性やコスト、設計の容易さからROM/フラッシュを使うのが一般的です。バッテリバックアップは一時的保持向けの手段であり万能ではありません。
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