基本情報技術者 2014年 秋期 午前(科目A) 問22
問題文
二つの安定状態をもつ順序回路はどれか。
選択肢
ア:NANDゲート
イ:加算器
ウ:コンデンサ
エ:フリップフロップ(正解)
二つの安定状態をもつ順序回路はどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→ 二つの安定状態(ビステーブル)を持ち、0/1 の情報を保持して次の状態へ伝搬する順序回路はフリップフロップです。
- 根拠→ フリップフロップはクロック同期またはレベルで状態を保持・更新する双安定回路であり、順序回路(メモリを持つ回路)に該当します。
- 差がつくポイント→ 「安定状態=記憶できるか」を基準に、単体ゲートや加算器、コンデンサと区別して答える力が合格者を分けます。
正解の理由
選択肢の中で唯一「二つの安定状態(ビステーブル)を持ち、論理的に 0/1 を保持できる」装置は エ のフリップフロップです。フリップフロップは内部に双安定素子を持ち、出力 Q が 0 または 1 のいずれかに安定して留まり、クロックや入力で次の状態へ遷移します。これにより「記憶(状態保持)」という順序回路の要件を満たします。
よくある誤解
- 「NAND ゲートは安定状態を持つ」と誤解する人がいますが、単体の NAND は組合せ論理であり、状態を保持しません(ただしクロス結合した2つの NAND によるラッチは別)。
- 「コンデンサが電荷を保持するから記憶素子だ」と考える誤解がありますが、コンデンサはアナログに電荷を蓄えるだけでデジタル論理の安定状態(0/1)を保証するものではありません。
- 「加算器は結果を出力するから順序回路だ」と誤る場合がありますが、加算器は内部にメモリを持たない組合せ回路が基本です。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「二つの安定状態」「順序回路」を確認する。
- 順序回路の定義を思い出す:状態を持ち、出力が過去の入力に依存する回路(メモリ性を持つ)。
- 各選択肢の分類を行う(組合せ回路/順序回路/受動部品)。
- 唯一「状態を保持する」機能を持つ エ(フリップフロップ)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: NANDゲート
単体の NAND は組合せ論理素子であり、入力に即時反応して出力が決まります。状態を保持する機能はありません(ただし2個をクロス結合すると SR ラッチとなり双安定を持ちますが、選択肢は単一の NAND を指します)。 - イ: 加算器
加算器は加算を行う組合せ回路で、内部にフリップフロップ等の記憶素子が組み込まれていない限り状態を保持しません。逐次加算器などは別設計ですが、問題文の選択肢としては不適当です。 - ウ: コンデンサ
コンデンサは電荷を蓄える受動素子でありアナログ的に電位を保持しますが、デジタル論理の「二値の安定状態を保証する順序回路」ではありません。放電や漏れで状態が不安定になります。 - エ: フリップフロップ
正解。SR、D、JK、T などのフリップフロップは双安定回路で 0/1 の状態を保持し、順序回路(レジスタやカウンタ等)の基本構成要素です。
補足コラム
フリップフロップは「双安定(bistable)素子」と呼ばれることが多く、組み合わせ回路と区別されます。組み合わせ回路は入力だけで出力が決まり、内部状態を持ちません。順序回路はフリップフロップなどの記憶素子を用いて過去の入力履歴を考慮します。実務ではフリップフロップはクロック同期型が多く、セットアップ時間・ホールド時間・メタステイビリティといった性質も覚えておくと設計や試験で役立ちます。
FAQ
Q. ラッチとフリップフロップは同じですか?
A. どちらも状態を保持する記憶素子ですが、ラッチはレベル感受性(信号レベルで動作)で、フリップフロップはエッジ感受性(クロックの立ち上がり/立ち下がりで動作)という違いがあります。
A. どちらも状態を保持する記憶素子ですが、ラッチはレベル感受性(信号レベルで動作)で、フリップフロップはエッジ感受性(クロックの立ち上がり/立ち下がりで動作)という違いがあります。
Q. 単体の NAND を組み合わせればフリップフロップになりますか?
A. はい。2つの NAND をクロス結合すると SR ラッチ(双安定回路)になり、状態保持が可能です。設問では単一の NAND を指しているため正解にはなりません。
A. はい。2つの NAND をクロス結合すると SR ラッチ(双安定回路)になり、状態保持が可能です。設問では単一の NAND を指しているため正解にはなりません。
Q. コンデンサはデジタルメモリになり得ますか?
A. DRAM のようにコンデンサで情報を保持する技術は存在しますが、単独のコンデンサはデジタル論理の安定状態を保証する記憶素子ではありません。DRAM はリフレッシュ回路等を含むシステムです。
A. DRAM のようにコンデンサで情報を保持する技術は存在しますが、単独のコンデンサはデジタル論理の安定状態を保証する記憶素子ではありません。DRAM はリフレッシュ回路等を含むシステムです。
Q. 加算器にフリップフロップが使われることはありますか?
A. シリアル加算器やパイプライン加算器など、加算器にフリップフロップが組み込まれる設計はありますが、単なる「加算器」自体は組合せ回路とみなされます。
A. シリアル加算器やパイプライン加算器など、加算器にフリップフロップが組み込まれる設計はありますが、単なる「加算器」自体は組合せ回路とみなされます。
関連キーワード: 順序回路、双安定回路、フリップフロップ、ラッチ、ビステーブル、組合せ回路、メモリ素子、クロック同期、SRラッチ、Dフリップフロップ

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