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基本情報技術者 2014年 秋期 午前(科目A)57


問題文

システムの運用に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

故障した構成品目を切り離し、システムのより重要な機能を存続させることを、縮退運転という。(正解)
障害時のファイルの回復を目的として、定期的にファイルを別の記憶媒体に保存することを、リストアという。
チェックポイントで記録しておいたデータを使用して、プログラムの実行を再開することを、リブートという。
データベースを変更が行われた以前の状態に復元することを目的としたトランザクション処理の記録を、データログという。

システムの運用に関する記述【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:正解は。縮退運転は故障した構成品を切り離して重要機能を維持する運用である。
  • 根拠:イは「バックアップ」、ウは「チェックポイント再開(リスタート)」、エは「トランザクションログ」が正確な用語であり語義がずれているため不適切である。
  • 差がつくポイント:バックアップとリストアの方向性、チェックポイントとリブートの意味の違いを正確に押さえておくと得点源になる。

正解の理由

正解:
縮退運転(degeneration mode / degraded mode)は、故障や性能低下が発生した際に、故障した構成要素を切り離(無効化)してシステムのより重要な機能を継続させる運用形態を指します。部分的な機能低下を許容してでも核心的機能を維持するという考え方が一致するため、アの記述は適切です。

よくある誤解

  • 「バックアップ」と「リストア」を混同する:バックアップはデータを保存する行為、リストアは保存したデータを復元する行為で方向が逆です。
  • 「チェックポイント再開」と「リブート(再起動)」を混同する:チェックポイント再開はプログラムの中断点から処理を続行することで、リブートはOSやシステムの再起動を意味します。
  • 「トランザクションの記録」を単に“データログ”と呼ぶあいまいな表現:正式には「トランザクションログ(transaction log)」や「レッドログ/WAL」などが用いられます。

解法ステップ

  1. 各選択肢のキーワード(縮退運転、リストア、リブート、データログ)を抽出する。
  2. キーワードの定義を頭の中で正確に確認する(例:バックアップ vs リストア、リブート vs リスタート/チェックポイント)。
  3. 定義と選択肢の文意を照合し、語義が一致するかを判定する。
  4. 似た用語が混ざっている場合は「目的・方向(保存→復元)」や「対象(プロセス再開 vs システム再起動)」で識別する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: は正解です。縮退運転は故障した構成品を切り離して重要機能を維持する運用を指します。
  • イ: 誤り。選択肢の説明(定期的にファイルを別の記憶媒体に保存する)は「バックアップ(backup)」の定義であり、「リストア(restore)」は保存したデータを元に戻す操作を指します。
  • ウ: 誤り。チェックポイントで記録しておいたデータを使ってプログラムの実行を再開することは「リスタート」「チェックポイントからの復旧」「リカバリ(recovery)」などと表現します。「リブート(reboot)」はシステムや機器の再起動を意味します。
  • エ: 誤り。トランザクション処理の記録は一般に「トランザクションログ(transaction log)」や単に「ログ」と呼ばれます。「データログ」という表現は曖昧で、用語として不正確です。トランザクションログは障害時の復旧に使われますが、名称の正確さが問われています。

補足コラム

  • 縮退運転とフェイルオーバーの違い:縮退運転は機能を限定して稼働を継続する方式、フェイルオーバーは冗長系に切り替えて同等の機能を維持する方式です。設計次第で両者を組み合わせます。
  • バックアップ戦略の要点:フル/増分/差分バックアップ、世代管理、RPO(復旧時点目標)とRTO(復旧時間目標)を定義することが重要です。
  • トランザクションログの役割:WAL(Write-Ahead Logging)などにより、コミット前後の整合性と障害からの部分的復旧やポイントインタイムリカバリを実現します。名称は「トランザクションログ」が標準的です。

FAQ

Q1: 縮退運転と高可用性(HA)は同じですか?
A1: 異なります。HAは可用性向上の設計全体(冗長化・フェイルオーバー等)を指し、縮退運転は障害時に機能を限定して運用を続ける一つの戦術です。
Q2: リストアとリカバリの違いは?
A2: 一般にリストアはバックアップからデータを戻す操作、リカバリは障害やトランザクション整合性を回復するより広い概念で、ログ適用などを含みます。
Q3: チェックポイントはどんな場面で使う?
A3: 長時間実行のジョブや分散処理で途中状態を保存し、障害発生時にチェックポイントから処理を再開して無駄を減らすために使います。

関連キーワード: 縮退運転、フェイルオーバー、バックアップ、リストア、チェックポイント、リスタート、リブート、トランザクションログ、WAL、障害復旧、RTO、RPO
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