基本情報技術者 2014年 秋期 午前(科目A) 問77
問題文
A社とB社がそれぞれ2種類の戦略を採る場合の市場シェアが表のように予想されるとき、ナッシュ均衡、すなわち互いの戦略が相手の戦略に対して最適になっている組合せはどれか。ここで、表の各欄において、左側の数値がA社のシェア、右側の数値がB社のシェアとする。

選択肢
ア:A社が戦略a1、B社が戦略b1を採る組合せ
イ:A社が戦略a1、B社が戦略b2を採る組合せ(正解)
ウ:A社が戦略a2、B社が戦略b1を採る組合せ
エ:A社が戦略a2、B社が戦略b2を採る組合せ
##: 市場シェアのナッシュ均衡(2社・2戦略)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:正解は イ、A社が戦略a1、B社が戦略b2 を採る組合せがナッシュ均衡です。
- 根拠:A社はB社がb2のときa1で50%を得てa2の25%より有利、B社はA社がa1のときb2で30%を得てb1の20%より有利です。
- 差がつくポイント:ナッシュ均衡は「互いに一方的に改善できないこと」を確認する手順を確実に踏むことが決め手です。
正解の理由
ナッシュ均衡の定義は「相手の戦略が与えられたとき、自分の戦略が最適であり、どちらも一方的に改善できない戦略の組合せ」です。
この問題では表の数値を見て各社の最適反応を比べます。B社がb2を選んだと仮定すると、A社の選択肢は a1→50%、a2→25% なので A社は a1 を選ぶのが最適です。
一方、A社がa1を選んだと仮定すると、B社の選択肢は b1→20%、b2→30% なので B社は b2 を選ぶのが最適です。
よって (A:a1, B:b2) は互いに最適反応が一致するためナッシュ均衡です。
この問題では表の数値を見て各社の最適反応を比べます。B社がb2を選んだと仮定すると、A社の選択肢は a1→50%、a2→25% なので A社は a1 を選ぶのが最適です。
一方、A社がa1を選んだと仮定すると、B社の選択肢は b1→20%、b2→30% なので B社は b2 を選ぶのが最適です。
よって (A:a1, B:b2) は互いに最適反応が一致するためナッシュ均衡です。
よくある誤解
- 合計シェア(社会的効率)で選んでしまう:合計が大きい組合せ(例:a1,b2の合計80)は重要だが、ナッシュ均衡は個別最適性が基準です。
- 左右の数値の読み違い:左がA社、右がB社です。読み間違えると誤判断につながります。
- 支配戦略の有無と混同:支配戦略(常に最良な戦略)が存在しない場合でもナッシュ均衡は存在し得ます。
解法ステップ
- B社がb1のときのA社の選好を比較:a1=40%、a2=30% → Aはa1を好む。
- B社がb2のときのA社の選好を比較:a1=50%、a2=25% → Aはa1を好む。
- A社がa1のときのB社の選好を比較:b1=20%、b2=30% → Bはb2を好む。
- A社がa2のときのB社の選好を比較:b1=10%、b2=25% → Bはb2を好む。
- 互いの最適反応が一致する組合せを探し、(a1,b2) が互いに改善できないためナッシュ均衡と判定。
選択肢別の誤答解説
- ア: A社=a1、B社=b1
B社は a1 に対して b1で20%、b2で30% と b2 の方が利得が高く、一方的に b2 に変える改善余地があるためナッシュ均衡ではありません。 - イ: A社=a1、B社=b2(正解)
Aはb2に対してa1が50%でa2の25%より良く、Bはa1に対してb2が30%でb1の20%より良いため互いに改善できません。 - ウ: A社=a2、B社=b1
Aはb1に対してa2が30%だがa1に変えれば40%となり改善可能、Bもa2に対してb1は10%でb2は25%と改善できるため不適。 - エ: A社=a2、B社=b2
Aはb2に対してa2が25%だがa1に変えれば50%になり改善できるためナッシュ均衡ではありません。
補足コラム
- 支配戦略とは相手の戦略に関係なく常に高い利得をもたらす戦略を指します。本例ではAはどちらのBの行動でもa1が優越する(a1はb1で40>30、b2で50>25)ため「Aにとっての支配戦略」は a1 と言えます。Bにとっては b2 が a1 に対しても a2 に対しても有利(20<30、10<25)であり、Bにとっても b2 が支配戦略です。
- 支配戦略が双方に存在する場合、その組合せは自動的にナッシュ均衡になります(本例はその典型)。
- ナッシュ均衡は予測可能な均衡概念ですが、必ずしも社会的に最適(パレート最適)とは限りません。本例では (a1,b2) が合計80で最も高く、社会的にも好ましい結果です。
FAQ
Q1: ナッシュ均衡が複数あることはありますか?
A1: はい。利得が同値の最適反応が複数ある場合、複数のナッシュ均衡が存在します。各社の利得に同値(同率)の戦略があるか確認します。
A1: はい。利得が同値の最適反応が複数ある場合、複数のナッシュ均衡が存在します。各社の利得に同値(同率)の戦略があるか確認します。
Q2: 支配戦略が見つからなくてもナッシュ均衡は存在しますか?
A2: はい。支配戦略がなくても、互いの最適反応が一致する点があればナッシュ均衡は存在します。
A2: はい。支配戦略がなくても、互いの最適反応が一致する点があればナッシュ均衡は存在します。
Q3: 数字が等しい場合はどう判定する?
A3: ある戦略変更で利得が等しい(改善なし)なら、それは最適反応の一つとみなせます。相手が同様に変更で改善できないならナッシュ均衡になり得ます。
A3: ある戦略変更で利得が等しい(改善なし)なら、それは最適反応の一つとみなせます。相手が同様に変更で改善できないならナッシュ均衡になり得ます。
関連キーワード: ゲーム理論、ナッシュ均衡、最適反応、支配戦略、戦略組合せ、利得マトリクス、均衡概念

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