基本情報技術者 2014年 春期 午前(科目A) 問77
問題文
図は、製品の製造上のある要因の値と品質特性の値との関係をプロットしたものである。この図から読み取れることはどれか。

選択肢
ア:からを推定するためには、2次回帰係数の計算が必要である。
イ:からを推定するための回帰式は、からを推定する回帰式と同じである。
ウ:との相関係数は正である。
エ:との相関係数は負である。(正解)
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負の相関関係【午前解説】
正解の理由
正解は エ です。
散布図を見ると点群が左上から右下へ並んでおり,の増加に伴ってが減少する傾向があるため,変数間の共分散が負になり,その結果として相関係数(ピアソンの)も負の値になります。視覚的に負の傾きが明確であるため「相関係数は負である」が妥当です。
散布図を見ると点群が左上から右下へ並んでおり,の増加に伴ってが減少する傾向があるため,変数間の共分散が負になり,その結果として相関係数(ピアソンの)も負の値になります。視覚的に負の傾きが明確であるため「相関係数は負である」が妥当です。
解法ステップ
- 散布図の全体的な傾向を見る(左上→右下なら負の傾き)。
- 傾向が線形に近いか非線形かを判定する(今回はほぼ線形の雲)。
- 傾きの符号から共分散の符号を判断し,相関係数の符号(同じ符号)を決定する。
- 選択肢と照合して「相関係数が負」である選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: からを推定するためには、2次回帰係数の計算が必要である。
→ 誤り。図は一次的(線形)の負の傾向を示しており,二次回帰が必須とはいえません。非線形の兆候があれば二次を検討しますが,本図は不要です。 - イ: からを推定するための回帰式は、からを推定する回帰式と同じである。
→ 誤り。最小二乗法で最小化する距離の方向が異なるため,通常は回帰係数が異なります。完全相関(|r|=1)の場合のみ両者は一致します。 - ウ: との相関係数は正である。
→ 誤り。点群は右へ行くほどが小さくなる傾向(負の傾き)を示しており,正とは逆です。 - エ: との相関係数は負である。
→ 正解。散布図の向き(左上→右下)が負の相関を示します。
よくある誤解
- 散布図の向きと回帰直線の向きを混同して「回帰式は二次や複雑な計算が必要」と判断する誤り。単純な線形傾向なら一次で十分です。
- 「回帰式は入れ替えても同じ」と誤解する受験者が多いが,通常は縦最小二乗(をで回帰)と横最小二乗(をで回帰)は異なります。
- 相関が負=因果が逆と断定する誤り。相関は関連の強さと方向を示すのみで因果関係は別検討です。
補足コラム
ピアソンの相関係数は次で定義されます:
ここで は共分散, は標準偏差です。共分散の符号が相関の符号を決め,散布図の傾向(点群の向き)で符号を視覚的に判断できます。なお,回帰直線は目的変数の誤差(垂直方向)を最小化するため,をで回帰した直線と逆の回帰直線は一般に一致しません。両者を同時に扱う場合は「主成分回帰」や「全最小二乗法(直交回帰)」を用います。
FAQ
Q1: 散布図だけで相関の強さはどの程度判断できますか?
A1: 傾向の有無は判別できますが,強さ(例えば$r= -0.8か-0.4か)は数値計算が必要です。視覚的には点群が細長ければ強い相関、丸ければ弱い相関です。
A1: 傾向の有無は判別できますが,強さ(例えば$r= -0.8か-0.4か)は数値計算が必要です。視覚的には点群が細長ければ強い相関、丸ければ弱い相関です。
Q2: 外れ値があると相関係数はどう影響しますか?
A2: 外れ値は相関係数(平均・分散に依存する統計量)を大きく歪める可能性があるため,散布図で外れ値の有無を確認し,必要なら別扱いにします。
A2: 外れ値は相関係数(平均・分散に依存する統計量)を大きく歪める可能性があるため,散布図で外れ値の有無を確認し,必要なら別扱いにします。
Q3: 散布図で負の相関と判断した場合でも因果を示せますか?
A3: いいえ。相関は「関連」を示すだけで,因果関係の特定には実験や追加の解析が必要です。
A3: いいえ。相関は「関連」を示すだけで,因果関係の特定には実験や追加の解析が必要です。
関連キーワード: 相関係数、散布図、負の相関、回帰直線、共分散、最小二乗法、直交回帰

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