基本情報技術者 2015年 秋期 午前(科目A) 問62
問題文
システム企画段階において業務プロセスを抜本的に再設計する際の留意点はどれか。
選択肢
ア:新たな視点から高い目標を設定し、将来的に必要となる最上位の業務機能と業務組織のモデルを検討する。(正解)
イ:業務改善を積み重ねるために、ビジネスモデルの将来像にはこだわらず、現場レベルのニーズや課題への対応を重視して業務プロセスを再設計する。
ウ:経営者や管理者による意思決定などの非定型業務ではなく、購買、製造、販売、出荷、サービスといった定型業務を対象とする。
エ:現行業務に関する組織、技術などについての情報を収集し、現行の組織や業務手続に基づいて業務プロセスを再設計する。
システム企画段階において業務プロセスを抜本的に再設計する際の留意点【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:抜本的な再設計(BPR)は現状の延長ではなく経営戦略に基づく高い目標設定と将来の業務機能・組織モデルの検討が必須である。
- 根拠:抜本的改革は業務の非連続な変化を伴い、将来のビジネスモデルや組織構造を先取りして設計しないと全社最適にならないためである。
- 差がつくポイント:問題文の「抜本的に」「システム企画段階」をキーに上位目標と全社視点を優先することを判断基準とすると正答に辿り着きやすい。
正解の理由
アは、抜本的に再設計する(BPR)の目的と手法に合致します。BPRでは単なる現場改善ではなく、経営戦略や将来の業務機能・組織モデルを見据えて高い目標を設定し、業務プロセスとそれを支える組織・システムを根本から設計し直します。システム企画段階では将来像を先に描くことで要件のブレを防ぎ、投資対効果や全社最適を追求できます。したがってアが最も適切です。
よくある誤解
- 「現場ニーズ優先=正解」と誤認しがち:抜本的再設計は現場改善とは目的が違い、局所最適を招きやすい点を見落とす。
- 「定型業務だけ対象」と考える誤り:BPRは付加価値の高い非定型業務や意思決定プロセスも含めて検討すべき場合がある。
- 「現行手続の踏襲=安全」と考える誤り:現行前提で設計すると変革効果が限定的で投資効果が低下する。
解法ステップ
- 問題文のキーワード抽出:「抜本的に再設計」「システム企画段階」を確認する。
- 抜本的再設計の目的を想定:BPR(Business Process Reengineering)であるかを判定する。
- 各選択肢を上位目標(経営戦略)、現場改善、対象業務範囲、現行踏襲の観点で比較する。
- 経営戦略に基づき将来像を示す選択肢を正答とする。
- 解答根拠を簡潔にメモして確信を高める(将来像×全社最適×上位目標)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。将来の最上位業務機能と組織モデルを検討することは抜本的再設計の本質に合致する。システム企画段階では目標設定とモデル化が重要。
- イ: 誤り。現場レベルのニーズ重視は継続的改善(カイゼン)や部分最適に向くが、抜本的再設計では将来のビジネスモデルに拘る必要がある。
- ウ: 誤り。定型業務のみを対象にすると、業務間の連携や非定型の意思決定プロセスを無視し全体最適が損なわれる。BPRは定型・非定型双方の再検討が必要な場合がある。
- エ: 誤り。現行組織や手続に基づく再設計は漸進的改善となり、抜本的な変革(現状打破)を目的とするBPRとは相容れない。
補足コラム
抜本的再設計(BPR)は、ITと組織・業務プロセスを同時に見直して飛躍的な効率化や競争力向上を狙います。成功には経営層のコミットメント、明確な将来像、ステークホルダーの巻き込み、段階的なロードマップとリスク管理が不可欠です。逆に、現場の反発や要件の未成熟、短期成果のみを追うとプロジェクトは失敗しやすい点に注意してください。
FAQ
Q1: 抜本的再設計と業務改善(カイゼン)の違いは何ですか?
A1: 抜本的再設計は業務の構造や仕組みを根本から変えることを目的とし、経営戦略と結びつけた将来像の実現を目指します。業務改善は現行プロセスの効率化やムダ取りを段階的に進めるアプローチです。
A1: 抜本的再設計は業務の構造や仕組みを根本から変えることを目的とし、経営戦略と結びつけた将来像の実現を目指します。業務改善は現行プロセスの効率化やムダ取りを段階的に進めるアプローチです。
Q2: システム企画段階で将来像が固まらないとどうなる?
A2: 要件のブレや目標未達、投資対効果の低下、部分最適化のリスクが高まります。まず経営目標やビジネスモデルを明確化することが重要です。
A2: 要件のブレや目標未達、投資対効果の低下、部分最適化のリスクが高まります。まず経営目標やビジネスモデルを明確化することが重要です。
Q3: 非定型業務はBPRの対象になり得ますか?
A3: はい。意思決定の迅速化や情報共有の改善など、非定型業務の見直しが全体最適に寄与する場合は対象となります。
A3: はい。意思決定の迅速化や情報共有の改善など、非定型業務の見直しが全体最適に寄与する場合は対象となります。
Q4: 具体的な設計手法は?
A4: 現状業務の可視化(AS-IS)、将来業務の設計(TO-BE)、ギャップ分析、業務指標(KPI)設定、段階的導入と評価のサイクルが一般的です。
A4: 現状業務の可視化(AS-IS)、将来業務の設計(TO-BE)、ギャップ分析、業務指標(KPI)設定、段階的導入と評価のサイクルが一般的です。
関連キーワード: 業務プロセス再設計、BPR、システム企画、業務分析、全社最適、要件定義、業務改善、組織変革、ロードマップ、KPI

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