基本情報技術者 2015年 秋期 午前(科目A) 問76
問題文
キャッシュフローを改善する行為はどれか。
選択肢
ア:受取手形の期日を長くして受け取る。
イ:売掛金を回収するまでの期間を短くする。(正解)
ウ:買掛金を支払うまでの期間を短くする。
エ:支払手形の期日を短くして支払う。
##: キャッシュフローを改善する行為はどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→売掛金の回収期間を短くすること(イ)が即時の現金回収を促進し、運転資金不足を改善します。
- 根拠→キャッシュフローは現金の受払のタイミングで決まり、売掛金回収短縮は現金収入の前倒しを意味します。
- 差がつくポイント→受払の「期間」を正確に把握し、回収日数(DSO)と支払日数(DPO)の影響を区別する力が問われます。
正解の理由
売掛金回収の期間を短くする(イ)は、売上が現金化されるまでの時間を短縮するため、手元現金が早く増えます。キャッシュフロー改善とは「現金の入る時期を早める」か「現金の出る時期を遅らせる」ことであり、イは前者に該当します。これにより資金繰りが改善し短期の支払い余力が高まります。
よくある誤解
- 「売上が増えればキャッシュフローも改善する」は誤りで、売上増でも回収が遅ければ現金は増えません。
- 「支払いを早めると信用が上がる=良い」は部分的に正しくても、短期的には現金を減らしキャッシュフローを悪化させます。
- 手形や掛けの『期日を短く/長く』の表現を逆に解釈して誤答することが多いです。
解法ステップ
- 各選択肢が「現金の入る時期(受取)」か「現金の出る時期(支払)」のどちらに影響するかを判定します。
- その影響が「早める(短くする)」のか「遅らせる(長くする)」のかを確認します。
- 現金を早めるか、出金を遅らせる行為がキャッシュフロー改善に寄与するため、当てはまる選択肢を選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア: 受取手形の期日を長くして受け取る。
→ 期日を長くする=受取が遅れるため現金化が遅延し、キャッシュフローは悪化します。誤り。 - イ: 売掛金を回収するまでの期間を短くする。
→ 正解。売掛金回収日数を短縮すると現金が早く手元に入り、運転資金が改善します。 - ウ: 買掛金を支払うまでの期間を短くする。
→ 支払を早める=現金が早く出ていくため、短期的にはキャッシュフローを悪化させます。誤り。 - エ: 支払手形の期日を短くして支払う。
→ 期日を短くして支払う=支払を前倒しするため、現金減少でキャッシュフローを悪化させます。誤り。
補足コラム
キャッシュフロー改善の観点では、よく用いられる指標にキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)があります。式で表すと:
この式からわかる通り、DSO(売掛金回収日数)を短縮するとCCCが短くなり、運転資金負担が軽くなります。売掛金回収の早期化は回収方法の見直し、与信管理強化、回収インセンティブ(早期回収割引)やファクタリングの活用などが手段になります。
この式からわかる通り、DSO(売掛金回収日数)を短縮するとCCCが短くなり、運転資金負担が軽くなります。売掛金回収の早期化は回収方法の見直し、与信管理強化、回収インセンティブ(早期回収割引)やファクタリングの活用などが手段になります。
FAQ
Q1: 利益とキャッシュフローは同じですか?
A1: 異なります。利益は発生主義で計上される会計上の概念、キャッシュフローは現金の出入りを指します。未回収の売上は利益でも現金は増えません。
A1: 異なります。利益は発生主義で計上される会計上の概念、キャッシュフローは現金の出入りを指します。未回収の売上は利益でも現金は増えません。
Q2: 支払を早めると得か損か?
A2: 早めると仕入先との関係強化や早期支払割引が得られる場合がありますが、短期的な手元資金は減りキャッシュフローは悪化します。目的に応じて判断が必要です。
A2: 早めると仕入先との関係強化や早期支払割引が得られる場合がありますが、短期的な手元資金は減りキャッシュフローは悪化します。目的に応じて判断が必要です。
Q3: すぐに使えるキャッシュフロー改善策は?
A3: 売掛金回収の強化(請求の早期化、督促の徹底、回収条件の見直し)、在庫削減、支払条件の交渉などが効果的です。
A3: 売掛金回収の強化(請求の早期化、督促の徹底、回収条件の見直し)、在庫削減、支払条件の交渉などが効果的です。
関連キーワード: キャッシュフロー、売掛金、買掛金、手形、回収期間、支払期間、運転資金、資金繰り、キャッシュ・コンバージョン・サイクル、DSO、DPO

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