基本情報技術者 2015年 春期 午前(科目A) 問14
問題文
オンラインリアルタイムシステムにおけるCPUの使用率と平均応答時間の関係を表したグラフとして、適切なものはどれか。ここで、トランザクションの発生はポアソン分布に従い、その処理時間は指数分布に従うものとする。

選択肢
ア:(正解)
イ:
ウ:
エ:
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M/M/1待ち行列の応答時間曲線【午前解説】
正解の理由
正解は ア です。
与件で到着がポアソン分布、処理時間が指数分布とあるため、単一サーバの待ち行列モデルはM/M/1になります。M/M/1の平均応答時間(システム滞在時間)は到着率、サービス率、利用率を用いて と表されます。分母のが0に近づくと応答時間は発散するため、CPU使用率(利用率)を横軸に取ると、低い領域では緩やかに増加しつつ、右端()で急激に立ち上がるアの曲線形状が一致します。
与件で到着がポアソン分布、処理時間が指数分布とあるため、単一サーバの待ち行列モデルはM/M/1になります。M/M/1の平均応答時間(システム滞在時間)は到着率、サービス率、利用率を用いて と表されます。分母のが0に近づくと応答時間は発散するため、CPU使用率(利用率)を横軸に取ると、低い領域では緩やかに増加しつつ、右端()で急激に立ち上がるアの曲線形状が一致します。
解法ステップ
- 問題文の仮定(ポアソン到着、指数分布サービス)からモデルをM/M/1と特定します。
- M/M/1の平均応答時間の式を思い出すか導出します:。
- 式の形から応答時間の特性を把握します:低では比較的低く、で漸近的に発散する。
- 選択肢のグラフと比較し、「低域緩やか・高域急増」の形を示すものを選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア(正解):M/M/1の特性を正しく表現。が1に近づくとの形で急増する描き方と一致します。
- イ(直線増加):平均応答時間がCPU使用率に比例して一様に増えるとした図は、待ち行列の非線形増大(漸近発散)を表せないため誤りです。
- ウ(飽和して平坦化):高利用率で応答時間が飽和する描写は、到着超過時に発散する実挙動と矛盾します。キューの遅延はむしろ増大します。
- エ(一定):利用率に関係なく応答時間が一定というのは、待ち行列効果(待ち時間増加)を全く考慮しておらず不適切です。
よくある誤解
- CPU使用率と応答時間は線形関係だと考える誤解:実際は待ち行列の影響で非線形になり、特に高利用率で急増します。
- 「1を超える利用率があり得る」と誤認するミス:利用率は理想的には0〜1で、1を超えると系は発散(安定しない)します。
- 分布の仮定を無視して直感的に図と照合する癖:ポアソン/指数の仮定によりM/M/1の解析解が使える点を見落とすと選択を誤ります。
補足コラム
実運用では常にM/M/1が当てはまるわけではありませんが、ポアソン到着&指数サービスの仮定は解析を簡潔にし、利用率と応答時間の関係を直感的に示してくれます。設計上の実務的指針としては、平均利用率を0.7〜0.8以下に保つことで応答時間の暴騰を避けることが一般的です。また、サーバ台数を増やすとM/M/cモデルになり単純な1/(1-ρ)とは異なる挙動(Erlangの式に基づく)になりますが、やはり高負荷領域で遅延が急増する点は共通しています。パフォーマンス評価では平均だけでなくパーセンタイル(例:95th)の評価も重要です。
FAQ
Q1: なぜポアソン到着と指数分布でM/M/1になるのですか?
A1: 「M」は記号で記憶less(memoryless)の意味、ポアソン到着と指数サービスはいずれも無記憶性を持ち、標準的な単一サーバ待ち行列M/M/1の仮定になります。
A1: 「M」は記号で記憶less(memoryless)の意味、ポアソン到着と指数サービスはいずれも無記憶性を持ち、標準的な単一サーバ待ち行列M/M/1の仮定になります。
Q2: 複数サーバの場合はどう変わりますか?
A2: M/M/c(c台サーバ)モデルになり、応答時間の計算はErlang C式などで行います。単純な1/(1-ρ)より複雑ですが、高負荷での遅延増加は依然として問題になります。
A2: M/M/c(c台サーバ)モデルになり、応答時間の計算はErlang C式などで行います。単純な1/(1-ρ)より複雑ですが、高負荷での遅延増加は依然として問題になります。
Q3: 実務での目安利用率は?
A3: ワークロードやSLAによりますが、経験則として平均利用率をおおむね0.7〜0.8未満に保つことが推奨されます(突発的な遅延やピークを考慮)。
A3: ワークロードやSLAによりますが、経験則として平均利用率をおおむね0.7〜0.8未満に保つことが推奨されます(突発的な遅延やピークを考慮)。
関連キーワード: 待ち行列理論、M/M/1、利用率、平均応答時間、レイテンシ、ポアソン過程、指数分布、Erlang、M/M/c、サービス時間

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