基本情報技術者 2015年 春期 午前(科目A) 問15
問題文
稼働率が最も高いシステム構成はどれか。ここで、並列に接続したシステムは、少なくともそのうちのどれか一つが稼働していればよいものとする。
選択肢
ア:稼働率70%の同一システムを四つ並列に接続
イ:稼働率80%の同一システムを三つ並列に接続(正解)
ウ:稼働率90%の同一システムを二つ並列に接続
エ:稼働率99%の単一システム
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並列構成のシステム稼働率【午前解説】
正解の理由
正解: イ(計算で最も高い稼働率になります)。
並列構成で同一の要素を 台使うときのシステム稼働率(可用性)は次の式で求めます。
( は各要素の稼働率)
( は各要素の稼働率)
各選択肢を計算すると:
- ア: より
- イ: より
- ウ: より
- エ: 単一システム より
これより、最も高い可用性はイの99.20%であり、正解は イ です。
解法ステップ
- 問題文で並列構成の意味(少なくとも1台が稼働すれば良い)を確認する。
- 各要素の稼働率 と台数 を読み取る。
- 並列の可用性の公式 を適用する。
- 各選択肢ごとに を計算し、数値で比較する。
- 小数点以下の差(丸め誤差)に注意して最大のものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア(70% を4台並列): 可用性は 。非常に高く、イ の に僅かに劣ります。桁落ちや丸めで誤答しやすい。
- イ(80% を3台並列): 可用性は で最も高い。失敗確率が と最小になる点が勝因です。
- ウ(90% を2台並列): 可用性は 。個々の稼働率は高いものの、並列台数が少ないため全体ではア・イに劣ります。
- エ(99% の単一): 可用性は でウと同じ。冗長化なしでは並列化した構成に並ぶことができません。
よくある誤解
- 「単純に個々の稼働率が高い方が良い」と考えて並列効果を無視する誤り。並列では全滅確率を計算する点を忘れないこと。
- 「並列の可用性は単純に足し算する」と思い込み、 を使わない誤り。足し算は成立しません。
- 小数点の丸めで同率に見えるために誤答するケース。アとイは非常に近く、丸め方で順位が逆転して見えることがあるため注意が必要です。
補足コラム
- 並列化は「全滅(全台ダウン)の確率」を減らす手法です。独立性が仮定されているときに公式 が成り立ちます。
- 実務では故障の相関(共通原因故障)や保守によるダウンタイム、切替の失敗なども考慮する必要があります。理論上は上記式で可用性を比較しますが、実際の設計では冗長化方式や切替方式も重要です。
- 可用性(Availability)はある瞬間に稼働している確率、信頼性(Reliability)は一定時間内に故障しない確率で意味が異なります。
FAQ
Q: なぜ並列の可用性が なのですか?
A: 各要素が独立に故障すると仮定すると「全てが故障する」確率は であり、少なくとも1台稼働する確率はその補集合だからです。
A: 各要素が独立に故障すると仮定すると「全てが故障する」確率は であり、少なくとも1台稼働する確率はその補集合だからです。
Q: 要素間で故障が独立でなければどうなる?
A: 故障が相関する(共通原因故障がある)場合、上記式は過度に楽観的になります。相関を評価できるモデルや冗長化設計(例えば異種冗長化)が必要です。
A: 故障が相関する(共通原因故障がある)場合、上記式は過度に楽観的になります。相関を評価できるモデルや冗長化設計(例えば異種冗長化)が必要です。
Q: 小数点の丸めで順位が変わる場合どう判断すべきか?
A: 本試験では計算の根拠を示せるか、小数点以下を適切に扱えるかが重要です。差が非常に小さい場合は有効桁を保持して比較することを推奨します。
A: 本試験では計算の根拠を示せるか、小数点以下を適切に扱えるかが重要です。差が非常に小さい場合は有効桁を保持して比較することを推奨します。
関連キーワード: 可用性、冗長化、並列構成、稼働率計算、信頼性工学、フォールトトレランス

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