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基本情報技術者 2015年 春期 午前(科目A)56


問題文

ITILでは、可用性管理における重要業績評価指標(KPI)の例として、保守性を表す指標値の短縮を挙げている。この指標に該当するものはどれか。

選択肢

一定期間内での中断の数
平均故障間隔
平均サービス回復時間(正解)
平均サービス・インシデント間隔

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保守性指標(平均サービス回復時間)【午前解説】

正解の理由

正解は :平均サービス回復時間(MTTR)です。
ITILにおける保守性(maintainability)はシステムやサービスが障害からどれだけ早く復旧できるか、修理や保守のしやすさを示します。平均サービス回復時間は「障害発生からサービス復旧までに要した平均時間」を表し、保守性の改善はこの時間の短縮で評価されます。したがって、保守性を表すKPIとして最も適切なのは平均サービス回復時間です。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている概念が「保守性(maintainability)」であることを確認する。
  2. 選択肢それぞれが何を測る指標かを整理する(中断数、MTBF、MTTR、インシデント間隔)。
  3. 保守性は「復旧のしやすさ・速さ」であるため、復旧時間を示す指標(MTTR)を選ぶ。
  4. 残る選択肢は「可用性・信頼性・頻度」に関する指標であり、保守性とは目的が異なると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 一定期間内での中断の数
    • 誤り。中断件数は可用性や運用の品質を示すが、復旧の速さ(保守性)を直接は示さない。
  • イ: 平均故障間隔
    • 誤り。平均故障間隔(MTBF)は故障の発生間隔であり、信頼性(故障しにくさ)を示す指標。保守性ではない。
  • ウ: 平均サービス回復時間
    • 正解。平均サービス回復時間(MTTR)は障害からの復旧に要する平均時間で、保守性の代表的なKPIである。
  • エ: 平均サービス・インシデント間隔
    • 誤り。インシデント間隔はインシデントの発生頻度や運用の安定性に関する指標で、復旧速度を示すものではない。

よくある誤解

  • 「中断の数=保守性」と考える誤解:中断の件数は可用性や運用品質の一要素ですが、件数だけでは復旧のしやすさ(保守性)を示しません。
  • 「平均故障間隔(MTBF)と同じ」と混同する誤解:MTBFは故障の発生頻度(信頼性)を示し、保守性(復旧の速さ)とは別の概念です。
  • 用語のあいまいさで「サービス・インシデント間隔」を保守性とする誤判断:インシデント間隔は発生頻度や運用の安定性を示唆しますが、復旧時間の指標ではありません。

補足コラム

可用性は一般に故障頻度(MTBF)と復旧時間(MTTR)の両方で決まります。例えば可用性の理論式は次の通りです。

この式からも分かるように、同じMTBFでもMTTRを短縮すれば可用性は向上します。保守性改善のための具体策は、監視の自動化、手順書(プレイブック)の整備、フェイルオーバー自動化、交換部品の即時供給などです。短縮努力は運用コストとトレードオフになるため、目標MTTRの設定と投資対効果の評価が重要です。

FAQ

Q1. 可用性と保守性はどう違いますか?
A1. 可用性はサービスが利用可能である割合、保守性は障害時にどれだけ速く復旧できるか(復旧のしやすさ)を指します。
Q2. MTTRとMTBF、どちらが重要ですか?
A2. 目的によります。信頼性向上(故障を減らす)ならMTBF、復旧力強化(ダウンタイム短縮)ならMTTRに注力します。可用性向上には両方の改善が有効です。
Q3. ITIL以外で保守性のKPIは何がありますか?
A3. 平均修理時間(Time to Repair)、初回復旧成功率、修理に必要な手順数や作業時間分布などが補助的なKPIになります。

関連キーワード: 保守性、可用性、MTTR、MTBF、KPI、インシデント管理、サービス復旧、運用改善、監視自動化
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