基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問15
問題文
2台のコンピュータを並列に接続して使うシステムがある。それぞれのMTBFとMTTRを次の表に示す。どちらか1台が稼働していればよい場合、システム全体の稼働率は何%か。

選択肢
ア:91.2
イ:95.5
ウ:96.5
エ:99.8(正解)
2台のコンピュータを並列接続した場合の稼働率【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:並列運用ではシステム停止は両方故障したときのみ発生し、稼働率は で求めると 99.8% です。
- 根拠:各機器の稼働率 を使い、不稼働率の積 が同時停止確率に対応します。
- 差がつくポイント:独立故障の仮定と「系が稼働する条件(どちらか1台でよい)」を正確に把握して、誤った足し算や平均を避けること。
正解の理由
システムが停止するのは両方のコンピュータが同時に故障している場合のみです。個々の不稼働率を とすると,系の不稼働率は独立故障の下で です。従って稼働率は
。
計算すると
。よって正解は エ です。
。よって正解は エ です。
よくある誤解
- どちらか1台でよい「並列」条件を見落とし、両方稼働する確率を求めてしまう(これだと 0.96×0.95=91.2%)。
- 単純平均や和で稼働率を算出してしまう((0.96+0.95)/2=95.5% など)。
- 故障・修理が独立であるという仮定を無視し、相関や共通原因故障を考慮しない点を見落とす。
解法ステップ
- 各コンピュータの稼働率 と不稼働率 を求める。
. - 並列系では「両方が停止する」確率が系の停止確率なので,系不稼働率は 。
- 系稼働率は を計算する。
- 数値代入して百分率に直す。
選択肢別の誤答解説
- ア: 91.2%
これは で、両方が稼働している確率(全構成要素が稼働する確率)を計算した結果です。どちらか1台でよい条件を誤認しています。 - イ: 95.5%
これは のような単純平均による誤りです。平均は並列冗長の動作原理を表しません。 - ウ: 96.5%
明確な標準的算式には一致しない値で、計算ミスや不適切な近似(例えば片方の影響を過小評価して混合するなど)から出ることが多い誤答です。問題設定に対応する正しい式を当てはめれば消えます。 - エ: 99.8%(正解)
正しい不稼働率の積 を用いて と計算した値です。
補足コラム
- 一般に n 台並列(どれか1台でよい)なら系稼働率は 。同一機種で同一パラメタなら で簡単に求められます。
- 「独立故障」の仮定が破れる場合(共通電源障害やソフトウェアの共通バグ等)は同時故障の確率が高くなり、上式は過大評価になります。設計時は共通原因故障の対策(別電源、異種冗長など)を検討します。
- MTBF/MTTRは長期平均値のため、短期の挙動や分布形状(指数分布等)を前提にする場合があります。試験問題では平均値ベースでの計算が求められます。
FAQ
Q1: 並列時に使うのは稼働率の和ですか、積ですか?
A1: 系が稼働する確率は「少なくとも1台稼働」なので不稼働率の積を使い を計算します。和や単純平均は誤りです。
A1: 系が稼働する確率は「少なくとも1台稼働」なので不稼働率の積を使い を計算します。和や単純平均は誤りです。
Q2: 故障と修理が独立でないときはどうする?
A2: 共通原因故障や相関がある場合は、共通故障確率を別途見積もり、同時停止確率へ反映させる必要があります。モデル化(フェールソフト解析、FTAなど)が必要です。
A2: 共通原因故障や相関がある場合は、共通故障確率を別途見積もり、同時停止確率へ反映させる必要があります。モデル化(フェールソフト解析、FTAなど)が必要です。
Q3: MTBF と MTTR が与えられたらまず何を計算する?
A3: まず各機器の稼働率 と不稼働率 を求めます。
A3: まず各機器の稼働率 と不稼働率 を求めます。
関連キーワード: MTBF、MTTR、可用性、冗長化、並列運用、信頼性解析、故障確率、稼働率計算

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