基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問65
問題文
CSR調達に該当するものはどれか。
選択肢
ア:コストを最小化するために、最も安価な製品を選ぶ。
イ:災害時に調達が不可能となる事態を避けるために、調達先を複数化する。
ウ:自然環境、人権などへの配慮を調達基準として示し、調達先に遵守を求める。(正解)
エ:物品の購買に当たってEDIを利用し、迅速かつ正確な調達を行う。
CSR調達に該当するものはどれか。 【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:CSR調達は価格だけでなく自然環境や労働・人権など社会的配慮を調達基準に含め、供給者に遵守を求める取組です。
- 根拠:持続可能性や社会的責任の観点から、環境保全・人権尊重・適正労働条件などを評価項目に入れるのが本質です。
- 差がつくポイント:選択肢は「目的(社会的配慮)」「手段(効率化)」「リスク管理」を区別し、社会的配慮を明示するものを選びます。
正解の理由
選択肢の中でCSR(企業の社会的責任)調達に該当するのは、環境や人権などへの配慮を調達基準に含めて調達先に遵守を求める行為です。これは単なるコスト最小化や効率化、調達リスク分散とは目的が異なり、持続可能性や倫理的配慮を前提とした調達方針の明確化とその実行を示します。したがって正解は ウ です。
よくある誤解
- 誤解1:CSR調達は「単に価格を上げるだけ」の施策だと考える。実際は価格と社会的要件を総合的に判断する方針です。
- 誤解2:調達先を複数確保すること(リスク分散)=CSRと考える。BCM的対応でありCSRの主要要素ではありません。
- 誤解3:EDIなどのIT導入はCSRだと思い込む。効率化や正確性向上は調達手段であり、CSRの本旨とは区別されます。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「CSR調達」の意味を確認する(社会的責任・持続可能性を基準にする調達)。
- 各選択肢が「目的(社会的配慮)」か「手段(効率・システム)」か「リスク管理」かを分類する。
- 社会的配慮を明示している選択肢を正解とする。
- 同類語(サステナブル調達、責任ある調達)を念頭に置き、選択肢を吟味する。
選択肢別の誤答解説
- ア: コストを最小化するために、最も安価な製品を選ぶ。
→ これは価格優先の調達方針でありCSRの目的(人権・環境保全)とは相反する可能性が高い。CSR調達とは言えません。 - イ: 災害時に調達が不可能となる事態を避けるために、調達先を複数化する。
→ これは調達リスクの分散(サプライチェーン・レジリエンス)に関する施策で、BCMやリスクマネジメントの範疇です。CSRの要素とは異なります。 - ウ: 自然環境、人権などへの配慮を調達基準として示し、調達先に遵守を求める。
→ これこそがCSR調達の典型。環境配慮、人権尊重、労働条件、倫理調達などを基準化し供給者に求めます(正答)。 - エ: 物品の購買に当たってEDIを利用し、迅速かつ正確な調達を行う。
→ EDIは取引の効率化・自動化に関する手段であり、CSRの目的(社会的配慮)を直接示すものではありません。
補足コラム
CSR調達は単独の施策ではなく、サプライヤー監査、調達方針の公開、サプライチェーンでのデューデリジェンス、人権・環境基準の契約条項化などと連動します。国際的にはISO 20400(持続可能な調達のためのガイダンス)や、国連のビジネスと人権に関する指導原則(UN Guiding Principles)などが参照されます。実務上はサプライヤー評価項目にCO2排出、廃棄物管理、労働条件、強制労働禁止などを組み込む例が増えています。
FAQ
Q1: CSR調達とESG投資は同じですか?
A1: 完全には同じではありません。CSR調達は企業活動の一部で購買方針に社会的配慮を組み込むこと、ESGは環境・社会・ガバナンスの観点から投資判断や経営評価を行う枠組みです。しかし目的や評価項目には大きな重なりがあります。
A1: 完全には同じではありません。CSR調達は企業活動の一部で購買方針に社会的配慮を組み込むこと、ESGは環境・社会・ガバナンスの観点から投資判断や経営評価を行う枠組みです。しかし目的や評価項目には大きな重なりがあります。
Q2: コストとCSRが矛盾した場合、どちらを優先すべきですか?
A2: 即答は難しいですが、長期的なリスク低減やブランド価値を考慮すればCSRを一定程度優先する判断が推奨されます。実務ではライフサイクルコストやリスク評価を用いて総合判断します。
A2: 即答は難しいですが、長期的なリスク低減やブランド価値を考慮すればCSRを一定程度優先する判断が推奨されます。実務ではライフサイクルコストやリスク評価を用いて総合判断します。
Q3: 小規模事業者でもCSR調達は必要ですか?
A3: 取引先や顧客の要請、法規制への対応、競争優位性の観点から、小規模事業者でも基本的な方針策定と順守は重要です。段階的な導入で対応可能です。
A3: 取引先や顧客の要請、法規制への対応、競争優位性の観点から、小規模事業者でも基本的な方針策定と順守は重要です。段階的な導入で対応可能です。
関連キーワード: CSR調達、サステナブル調達、サプライチェーンマネジメント、ISO20400、サプライヤー監査、人権デューデリジェンス、環境配慮購買、責任ある調達、サプライチェーンレジリエンス、倫理調達

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