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基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A)78


問題文

図は、定量発注方式の在庫モデルを表している。発注aの直後に使用量の予測が変わって、納品aの直前の時点における在庫量予測が安全在庫量Sから①で示されるXになるとき、発注a時点での発注量Eに対する適切な変更はどれか。ここで、発注直後の発注量の変更は可能であり、納品直後の在庫量は最大在庫量を超えてはならないものとする。
基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問78の問題画像

選択肢

E+S-Xを追加発注する。
K+S-Xを追加発注する。
K-Xだけの発注を取り消す。
X-Sだけの発注を取り消す。(正解)

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発注量の調整【午前解説】

正解の理由

納品直前の予測在庫が安全在庫 から に変化したとき、納品後の在庫が「最大在庫量」を超えないように発注量を見直す必要があります。問題の前提から、元の発注量 は「納品直前の在庫が のとき、納品後に最大在庫量となる」ように設定されていました。つまり最大在庫量 です。ところが予測が変わって納品直前の在庫が になった場合、納品後にちょうど最大在庫量にするための新しい発注量 となります。したがって元の発注 から差し引くべき量は です。つまり発注を「X−Sだけ取り消す(減らす)」ことが正しい調整で、選択肢 が正しい操作になります。
(注:式変形で となるため、 のときは より小さくなる点を明確にしています。)

解法ステップ

  1. 元の最大在庫量を確認: (納品直後に最大在庫量となる想定)。
  2. 予測変更後の納品直前在庫が になったので、納品後に最大在庫量にする発注量を計算:
  3. 発注量の増減は 。増減の絶対量(取り消す量)は (ただし の場合は減らす)。
  4. 最大在庫量制約(納品直後は最大を超えない)を満たすように、発注を に修正する。言い換えれば、 を取り消す。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「E+S-Xを追加発注する。」
    • 文面どおり「追加でその量をさらに発注する(=既に出した に上乗せ)」と読むと、受け取る量は となり、明らかに最大在庫を超えてしまうため不適切です。
    • もし誤って「発注量を に変更する」と解釈すると数学的には であり減らす操作を表すため正しい量に一致しますが、設問の文言「追加発注する」は「上乗せ」の意味であり、そちらの解釈が自然です。よって選択肢の語義から誤りと判断します。
  • イ: 「K+S-Xを追加発注する。」
    • 発注点 は発注のタイミング(再注文点)に関する値であって、発注量の調整に直接使う値ではありません。さらに「追加発注する」と読めば在庫過多を招くため誤答です。
  • ウ: 「K-Xだけの発注を取り消す。」
    • 取り消す量が であることには根拠がなく、必要な減少量は なので一致しません。したがって誤りです。
  • エ: 「X-Sだけの発注を取り消す。」
    • 取り消すべき量を正しく表しています。上の導出どおり元発注 に修正すれば、納品後の在庫がちょうど最大在庫量 となり、容量制限も満たされます。

よくある誤解

  • 「E+S-X が負になると意味不明」:実際は であり、 のときは正の減少量を表します。符号の見間違いで誤答することが多いです。
  • 「発注点 K を使って調整する」:K は発注を行うタイミングの基準で、発注量そのものの算出に直接使うべきではありません(この問題では不要)。
  • 「『追加発注する』の語義ミス」:選択肢の文言が「追加で上乗せする」のか「最終的な発注量をその値にする」のかで意味が変わるため、語義を明確に解釈することが重要です。

補足コラム

定量発注方式(継続的在庫監視)では、発注点 K (再注文点)に達したら一定量 E を発注します。ここで安全在庫 S はリードタイム中の需要変動や不確実性を吸収するための余裕です。実務ではリードタイム中に需要予測が変わることがあり、その場合は発注後でも発注量を修正できるか(サプライヤーの同意やシステムの対応)を事前に確認しておくことが重要です。また在庫容量制約(最大在庫量)を超えると保管コストや取扱い上の問題が生じるため、納品前の修正は現場運用上よく行われます。

FAQ

Q. もし だったらどうするのか?
A. 納品直前在庫が よりも少ない()なら、不足分を補うために発注量を増やす必要があります。増分は で、最終発注量は となります(ただし最大在庫量を超えないことを確認)。
Q. 発注後に変更できない場合は?
A. 発注変更が不能な場合、納品時に最大在庫を超えるか不足が発生するリスクを受け入れるか、納品後の在庫処理(返品・追加発送の調整など)を別途手配する必要があります。
Q. なぜ選択肢に K が混ざっているのか?
A. 試験では受験者の「タイミング」と「量」の概念混同を誘うために発注点 K を選択肢に入れることがあります。本問では発注量の調整が問われており、K は無関係です。

関連キーワード: 定量発注方式、発注量調整、安全在庫、再注文点、リードタイム、在庫容量管理
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