基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問79
問題文
プログラム開発において、法人の発意に基づく法人名義の著作物について、著作権法で規定されているものはどれか。
選択肢
ア:就業規則などに特段の取決めがない限り、権利は法人に帰属する。(正解)
イ:担当した従業員に権利は帰属するが、法人に譲渡することができる。
ウ:担当した従業員に権利は帰属するが、法人はそのプログラムを使用できる。
エ:法人が権利を取得する場合は、担当した従業員に相当の対価を支払う必要がある。
プログラム開発において、法人の発意に基づく法人名義の著作物について【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:法人の発意で法人名義の著作物は、就業規則など特段の取決めがない限り法人に著作権が帰属します。
- 根拠:著作権法上の「職務著作」や「法人名義の著作物」の規定により、創作の主体と契約関係で帰属が定まっています。
- 差がつくポイント:労働契約や就業規則で異なる取り決めがされているか、著作者人格権の扱いがどうなるかを必ず確認する点で差が出ます。
正解の理由
正解は ア です。著作権法上、法人の発意に基づき法人名義で作成された著作物(いわゆる職務著作や法人名義作品)は、特段の取り決めがない限り法人に著作権が帰属するという規定が適用されます。つまり、就業規則や契約で別段の定めがなければ、法人が著作権者となるのが法律の基本的取扱いです。
よくある誤解
- 「作った従業員が自動的に著作権者である」:業務の範囲内で法人の発意に基づく作品は例外的に法人に帰属します。
- 「法人が権利を得るなら必ず追加報酬が必要」:著作権法自体は追加報酬を義務付けていません。報酬は労働契約や就業規則、労働法上の待遇で決まります。
- 「著作権を得れば人格権も法人に移る」:著作者人格権は譲渡できません。行使をしない旨の合意は可能でも、人格権そのものは移転しません。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「法人の発意」「法人名義」「著作物」を確認する。
- これが「職務著作/法人名義の著作物」に該当することを認識する。
- 著作権法上の原則(業務上の著作は法人に帰属が原則)を適用する。
- 各選択肢を照合し、就業規則等の特段の取り決めがない限り法人帰属とするアを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:正解。就業規則等に特段の定めがない限り法人に権利が帰属する点が著作権法の原則に合致します。
- イ:誤り。選択肢は「担当した従業員に権利は帰属するが、法人に譲渡できる」としていますが、法は業務上の創作については法人帰属を原則とします。従業員が最初に著作権者となるとは限りません。
- ウ:誤り。従業員に権利が帰属するとした前提が誤りで、また法人が単に使用できるとする表現はライセンスや利用許諾の有無に依存し、一般規定とは整合しません。
- エ:誤り。法人が権利を取得する際に著作権法上で「相当の対価」を支払う義務が自動的に生じるわけではありません。対価は契約や就業規則、労働法上の問題として扱われます。
補足コラム
- 著作権(財産権)は譲渡可能で法人に帰属できますが、著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権など)は譲渡できません。法人が利用しやすくするために、従業員と「行使しない旨の合意」を結ぶ運用が現場では行われます。
- 実務では就業規則や雇用契約で成果物の帰属、報酬、利用範囲(社内利用のみか第三者への配布を含むか)を明示しておくことが最も重要です。
- フリーランスや外注の場合は、「著作権の帰属」「利用許諾の範囲」「報酬」を明確に書面で取り交わすことが必須です。
FAQ
Q1: 就業規則で何も定めがなければ法人は無条件で権利を持ちますか?
A1: 原則として法人に帰属しますが、個別の労働契約や事実関係で異なる場合があるため、個別の契約内容を確認してください。
A1: 原則として法人に帰属しますが、個別の労働契約や事実関係で異なる場合があるため、個別の契約内容を確認してください。
Q2: 法人が著作権を取得しても従業員の権利は完全に消えるのですか?
A2: 財産権(利用権等)は帰属しますが、著作者人格権は譲渡できません。行使をしない合意は可能です。
A2: 財産権(利用権等)は帰属しますが、著作者人格権は譲渡できません。行使をしない合意は可能です。
Q3: 会社が追加報酬を支払う必要はありますか?
A3: 著作権法上の義務ではありません。追加報酬は労働契約、就業規則、慣行等で定めるべき事項です。
A3: 著作権法上の義務ではありません。追加報酬は労働契約、就業規則、慣行等で定めるべき事項です。
関連キーワード: 職務著作、著作権法、著作者人格権、著作権譲渡、就業規則、プログラム著作物、利用許諾

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