基本情報技術者 2017年 秋期 午前(科目A) 問79
問題文
図は、企業と労働者の関係を表している。企業Bと労働者Cの関係を表す記述として正しいものはどれか。

選択肢
ア:“契約”が請負契約で、企業Aが受託者、企業Bが委託者であるとき、企業Bと労働者Cとの間には、指揮命令関係が生じる。
イ:“契約”が出向にかかわる契約で、企業Aが企業Bに労働者Cを出向させたとき、企業Bと労働者Cとの間には指揮命令関係が生じる。(正解)
ウ:“契約”が労働者派遣契約で、企業Aが派遣元、企業Bが派遣先であるとき、企業Bと労働者Cの間にも、雇用関係が生じる。
エ:“契約”が労働者派遣契約で、企業Aが派遣元、企業Bが派遣先であるとき、企業Bに労働者Cが出向しているといえる。
企業と労働者の関係【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: 契約が「出向」の場合、企業Aが雇用主のままで企業Bが労働者Cに指揮命令を行うため、企業BとCの間に指揮命令関係が生じます。
- 根拠: 出向(在籍出向)は労働契約の主体がAのままで、実際の業務指示は出向先Bが行うため指揮命令権が生じる点が法的・実務的根拠です。
- 差がつくポイント: 派遣・出向・請負の違いを「雇用関係の所在」と「指揮命令の主体」で整理すると選択肢の誤りを判定できます。
正解の理由
正解: イ
出向(通常は在籍出向)では、労働者Cの雇用関係は企業Aに残る一方、日常の業務指示・管理(指揮命令)は出向先の企業Bが行います。設問図ではAとB間に「契約」とあり、これが出向契約でAがCをBへ出向させた状況と解釈すると、BはCに対して業務の指揮命令を行う立場になり、選択肢イの記述と合致します。したがってイが正解です。
出向(通常は在籍出向)では、労働者Cの雇用関係は企業Aに残る一方、日常の業務指示・管理(指揮命令)は出向先の企業Bが行います。設問図ではAとB間に「契約」とあり、これが出向契約でAがCをBへ出向させた状況と解釈すると、BはCに対して業務の指揮命令を行う立場になり、選択肢イの記述と合致します。したがってイが正解です。
よくある誤解
- 出向と労働者派遣を取り違える: 両者とも現場の指揮は受け入れ先が行う点は似ていますが、出向は雇用関係が出向元に残る点が分かれ目です。
- 請負では「指示」が出せると誤認する: 請負は仕事の完成を目的とする契約であり、発注者が受託者の労働者に直接指揮命令する関係は原則生じません。
- 指揮命令関係=雇用関係と混同する: 指揮命令の有無と雇用関係の所在は別概念で、派遣や出向では指揮命令は受け入れ先が行っても雇用は派遣元/出向元に残る場合が多いです。
解法ステップ
- 図で示された矢印とラベルを確認し、「契約」「雇用関係」がどの矢印に対応するかを把握する。
- 「契約」が何を意味するか(出向か派遣か請負か)を想定する。問題文や選択肢の文言と照合する。
- 各契約類型について「雇用関係の所在」と「指揮命令の主体」を整理する(表にすると負担が軽くなる)。
- 選択肢ごとに、図の矢印関係と契約類型の特徴が一致するかを検証して結論を出す。
選択肢別の誤答解説
- ア: “契約”が請負契約で、企業Aが受託者、企業Bが委託者であるとき、企業Bと労働者Cとの間には、指揮命令関係が生じる。
→ 誤り。請負は成果物の提供を目的とする契約であり、受託者の労働者は受託者の指揮下にあり、発注者(委託者)が直接指揮命令を行う関係は原則として生じません。 - イ: “契約”が出向にかかわる契約で、企業Aが企業Bに労働者Cを出向させたとき、企業Bと労働者Cとの間には指揮命令関係が生じる。
→ 正解。出向では雇用関係は通常出向元に残るが、業務の指示・管理は出向先が行うため指揮命令関係が生じます。 - ウ: “契約”が労働者派遣契約で、企業Aが派遣元、企業Bが派遣先であるとき、企業Bと労働者Cの間にも、雇用関係が生じる。
→ 誤り。派遣でも雇用関係は派遣元に残るのが原則で、派遣先と派遣労働者の間に雇用関係は成立しません(例外的移籍等を除く)。 - エ: “契約”が労働者派遣契約で、企業Aが派遣元、企業Bが派遣先であるとき、企業Bに労働者Cが出向しているといえる。
→ 誤り。派遣と出向は別概念です。派遣は派遣元との労働契約に基づき派遣先で就業する形態で、出向は在籍したまま別会社で働く形態であるため「出向している」とは言えません。
補足コラム
- 用語整理(短縮版)
- 出向(在籍出向): 労働者の雇用関係は出向元に残る。出向先が日常の指揮命令を行う。
- 派遣: 労働者は派遣元に雇用され、派遣先の指揮命令に従って働く。雇用は派遣元にある。
- 請負: 仕事の完成を目的とする契約で、受託者が自己の責任で業務遂行し、受注者の労働者は受託者の指揮下にある。
- 実務上の注意点: 出向・派遣の区別は労働法上の扱いや社会保険、労働条件の管理責任に影響するため、契約内容と運用実態を照らし合わせて判断することが重要です。
FAQ
Q1: 出向と派遣、どちらが「指揮命令は受け入れ先」が行う点で同じですか?
A1: はい。両者とも日常の業務指示は受け入れ先(出向先・派遣先)が行う点は似ていますが、雇用関係の所在が異なる点に注意してください。
A1: はい。両者とも日常の業務指示は受け入れ先(出向先・派遣先)が行う点は似ていますが、雇用関係の所在が異なる点に注意してください。
Q2: 派遣先が派遣労働者に給料を払うことはありますか?
A2: 原則として賃金の支払いは派遣元が行います。派遣先が直接支払うと雇用関係の実態が変わる可能性があるため注意が必要です。
A2: 原則として賃金の支払いは派遣元が行います。派遣先が直接支払うと雇用関係の実態が変わる可能性があるため注意が必要です。
Q3: 請負でも現場で細かく指示を出すと問題になりますか?
A3: はい。請負の本質は成果物の提供です。発注者が具体的手順まで指示すると、実態は「指揮命令」を受ける形になり、請負ではなく準委任や雇用の問題に発展する恐れがあります。
A3: はい。請負の本質は成果物の提供です。発注者が具体的手順まで指示すると、実態は「指揮命令」を受ける形になり、請負ではなく準委任や雇用の問題に発展する恐れがあります。
関連キーワード: 出向、労働者派遣、請負、指揮命令関係、雇用関係、契約類型、労働法、在籍出向

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