基本情報技術者 2017年 春期 午前(科目A) 問56
問題文
システムの開発部門と運用部門が別々に組織化されているとき、システム開発を伴う新規サービスの設計及び移行を円滑かつ効果的に進めるための方法のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:運用テストの完了後に、開発部門がシステム仕様と運用方法を運用部門に説明する。
イ:運用テストは、開発部門の支援を受けずに、運用部門だけで実施する。
ウ:運用部門からもシステムの運用に関わる要件の抽出に積極的に参加する。(正解)
エ:開発部門は運用テストを実施して、運用マニュアルを作成し、運用部門に引き渡す。
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開発と運用の連携体制【午前解説】
正解の理由
正解: ウ
運用部門が設計段階から積極的に参加して運用に関わる要件を抽出することで、実運用上の制約(稼働時間、監視・障害対応、バックアップ、運用負荷など)を設計に反映できます。これにより、開発と運用の間の情報ギャップが小さくなり、移行後のトラブルや手戻りが減少します。運用の知見を早期に取り込むことは「設計の実行可能性」と「運用コストの見積り精度」を高めるため非常に重要です。
運用部門が設計段階から積極的に参加して運用に関わる要件を抽出することで、実運用上の制約(稼働時間、監視・障害対応、バックアップ、運用負荷など)を設計に反映できます。これにより、開発と運用の間の情報ギャップが小さくなり、移行後のトラブルや手戻りが減少します。運用の知見を早期に取り込むことは「設計の実行可能性」と「運用コストの見積り精度」を高めるため非常に重要です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「設計及び移行を円滑かつ効果的に進める」「開発部門と運用部門が別組織」
- 各選択肢が「誰が主導で、いつ関与するか」を比較する。早期関与か後付けかを判断する。
- 運用実務の反映が設計・移行に必須である点を基準に正誤を判断する。
- 「運用からの要件抽出に積極参加」が最も移行の円滑化と効果性に寄与するため選択する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 運用テストの完了後に開発が説明する
→ 事後説明の一方向的引渡しでは運用の実務的要件が反映されず、手戻りや運用ミスが発生しやすい点で不適切です。 - イ: 運用テストは運用部門だけで実施する
→ 運用テストで出た不具合や設計課題は開発側の関与が必要な場合が多く、開発支援を完全に排除すると解決に時間がかかります。 - ウ: 運用部門からもシステムの運用に関わる要件の抽出に積極的に参加する
→ 正答。運用の知見を早期に取り込み、移行計画や運用設計に反映することが円滑かつ効果的な移行に直結します。 - エ: 開発部門が運用テストを実施し運用マニュアルを作成して引き渡す
→ 開発側が中心となると実際の運用作業の細部や運用工数が見えにくく、マニュアルや運用体制が現場で機能しないリスクがあります。
よくある誤解
- 開発部門が仕様とマニュアルを作って渡せばよい:マニュアルや説明だけでは運用現場での実作業や運用ルールに即した運用性は保証されず、運用側の実務的要件が抜け落ちがちです。
- 運用テストは運用部門だけで完結できる:運用テストで発見された問題は多くが開発側の改修を要するため、共同で実施・調整する方が効率的です。
- 「運用は導入後に学べばよい」は通用しない:導入後の学習はコスト高であり、サービス品質や安定稼働に悪影響を与えます。
補足コラム
現場運用の知見を早期に取り込む手法は、近年のDevOpsやSREの考え方と合致します。具体的には次の取り組みが有効です。
- 運用要件定義会議に運用担当を常時参加させる。
- 運用と開発の合同で受入テスト(運用受入)を設計し、テスト項目に運用手順や障害対応を含める。
- 必要に応じて運用側がモック環境で前倒しトレーニングを行う(引継ぎ演習)。
- 運用性の指標(MTTR、MTBF、運用工数)を設計段階で合意しSLA/運用KPIを定める。
これらは移行後の安定稼働と運用コスト抑制につながります。
FAQ
Q1: 運用テストは運用部門が主体でよいですか?
A1: 運用部門が主体で進めるのは重要ですが、開発の支援・参加も不可欠です。特に不具合解析や修正が必要な場合に迅速に対応できる体制が必要です。
A1: 運用部門が主体で進めるのは重要ですが、開発の支援・参加も不可欠です。特に不具合解析や修正が必要な場合に迅速に対応できる体制が必要です。
Q2: 開発と運用の責任範囲はどう定めればよいですか?
A2: 設計段階で「設計責任」「運用責任」「保守責任」を明確にし、トランジション(移行)チェックリストで完了基準を合意しておくと良いです。
A2: 設計段階で「設計責任」「運用責任」「保守責任」を明確にし、トランジション(移行)チェックリストで完了基準を合意しておくと良いです。
Q3: 小規模プロジェクトでも運用部門の参加は必要ですか?
A3: 規模に関わらず、運用負荷や障害対応のルールは確認すべきです。小規模でも早期の関与で後工程の手戻りを減らせます。
A3: 規模に関わらず、運用負荷や障害対応のルールは確認すべきです。小規模でも早期の関与で後工程の手戻りを減らせます。
関連キーワード: 運用テスト、運用要件定義、運用移行、設計と運用の連携、運用マニュアル、引継ぎ訓練、運用受入テスト、DevOps、SRE

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