基本情報技術者 2017年 春期 午前(科目A) 問70
問題文
バランススコアカードの学習と成長の視点における戦略目標と業績評価指標の例はどれか。
選択肢
ア:持続的成長が目標であるので、受注残を指標とする。
イ:主要顧客との継続的な関係構築が目標であるので、クレーム件数を指標とする。
ウ:製品開発力の向上が目標であるので、製品開発領域の研修受講時間を指標とする。(正解)
エ:製品の納期遵守が目標であるので、製造期間短縮日数を指標とする。
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学習と成長の視点の指標設計【午前解説】
正解の理由
選択肢の中では、製品開発力の向上という戦略目標に対して、製品開発領域の研修受講時間は「能力向上」を直接示す適切な業績評価指標です。研修受講時間は組織や個人のスキル蓄積という学習・成長のプロセスを測り、将来的な製品開発力強化という成果につながるリード指標となるため、正解は ウ です。
解法ステップ
- 問題文の「視点」を確認(今回は学習と成長=Learning & Growth)。
- その視点が何を評価するかを確認(人的資本、組織能力、学習プロセス)。
- 各選択肢が「能力・学習を直接測るか(リード指標)」「結果を示すか(ラグ指標)」を判定。
- 最も視点に合致する、かつ計測可能で制御可能な指標を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 持続的成長が目標であるので、受注残を指標とする。
誤り。受注残は売上や受注状況などの結果や業績に近いラグ指標で、学習と成長の視点の直接的な評価には不向きです。 - イ: 主要顧客との継続的な関係構築が目標であるので、クレーム件数を指標とする。
誤り。顧客関係や満足は顧客視点の指標であり、クレーム件数は顧客視点のラグ指標に該当します。 - ウ: 製品開発力の向上が目標であるので、製品開発領域の研修受講時間を指標とする。
正解。製品開発力は人的能力や知識の蓄積が重要であり、研修受講時間は学習と成長の視点に直結するリード指標です。 - エ: 製品の納期遵守が目標であるので、製造期間短縮日数を指標とする。
誤り。納期遵守は主に内部プロセス(業務プロセス)視点の指標であり、学習と成長の視点とは役割が異なります。
よくある誤解
- 指標=業績(売上や受注残)と考えがちで、学習と成長の視点なのに結果指標を選んでしまう。
- クレームや納期といった顧客・業務の指標を学習と成長の指標と混同する。これらは主に顧客視点や業務プロセス視点の指標。
- 研修時間だけで十分と考えるが、研修の質や実践定着を測る補助指標も必須である点を見落とす。
補足コラム
バランススコアカードでは4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)それぞれに戦略目標と指標を置き、因果関係を描くことが重要です。学習と成長の指標は主にリード指標(研修時間、スキル評価、従業員満足度、離職率、知識共有回数など)を用い、内部プロセスや顧客成果へとつながる因果関係を検証します。研修時間を採用する場合は、研修の質・定着度(後のスキルテストやプロジェクトでの適用実績)と組み合わせると効果的です。
FAQ
Q1: 学習と成長視点にラグ指標は全く使えないですか?
A1: 完全に使えないわけではありませんが、学習と成長ではリード指標を重視し、ラグ指標は補助的に使って因果関係を確認します。
A1: 完全に使えないわけではありませんが、学習と成長ではリード指標を重視し、ラグ指標は補助的に使って因果関係を確認します。
Q2: 研修時間だけで十分な評価になりますか?
A2: 研修時間は量を示す良い指標ですが、内容の有効性や現場適用を測る指標(スキル評価やプロジェクト成果)も併用すべきです。
A2: 研修時間は量を示す良い指標ですが、内容の有効性や現場適用を測る指標(スキル評価やプロジェクト成果)も併用すべきです。
Q3: 指標は定量でないとダメですか?
A3: 定量指標が望ましいですが、従業員の技能ランクや満足度のような定性指標も数値化して評価に組み込めます。
A3: 定量指標が望ましいですが、従業員の技能ランクや満足度のような定性指標も数値化して評価に組み込めます。
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