基本情報技術者 2018年 春期 午前(科目A) 問57
問題文
サーバに接続されたディスクのデータのバックアップに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:一定の期間を過ぎて利用頻度が低くなったデータは、現在のディスクから消去するとともに、バックアップしておいたデータも消去する。
イ:システムの本稼働開始日に全てのデータをバックアップし、それ以降は作業時間を短縮するために、更新頻度が高いデータだけをバックアップする。
ウ:重要データは、バックアップの媒体を取り違えないように、同一の媒体に上書きでバックアップする。
エ:複数のファイルに分散して格納されているデータは、それぞれのファイルへの一連の更新処理が終了した時点でバックアップする。(正解)
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ディスクデータのバックアップ運用【午前解説】
正解の理由
正解は エ です。複数ファイルにまたがるデータは、ある一連の更新処理(トランザクションやバッチ処理)が全て完了した状態でまとめてバックアップしないと、あるファイルだけ古い・新しいといった不整合が生じ、復旧後にデータ破損やアプリケーションの異常につながります。エは「一連の更新処理が終了した時点でバックアップする」と明示しており、整合性確保の基本原則に合致します。
解法ステップ
- 設問のキーワードを確認:「複数のファイルに分散」「一連の更新処理が終了した時点」など整合性を示す語を探す。
- バックアップの基本要件を想起する:整合性、完全性、冗長性、保管期間。
- 各選択肢が基本要件のどれを満たすか検討する(整合性優先か、削除や上書きのリスクか)。
- 整合性を明確に保障する記述を選ぶ(今回なら「一連の更新処理が終了した時点」)。
- 最終確認で他選択肢の致命的欠陥(削除・単一媒体上書き・初期バックアップ欠落)を確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 一定期間経過で利用頻度が下がったからといって、現在のディスクから消去しバックアップも消すのは誤りです。バックアップは復旧や法令対応のため保持が必要で、安易な削除は不可。
- イ: 本稼働開始日に全データをバックアップするだけで以後は更新頻度の高いデータのみという運用は不十分です。増分・差分を運用する際も初期にフルバックアップが必須で、定期的なフルも必要です。
- ウ: 重要データを同一媒体に上書きでバックアップするのは危険です。媒体障害や上書きミスで全世代を失い、冗長性が確保できません。複数世代・複数媒体の保持が基本です。
- エ: 複数ファイルに分散するデータについて「一連の更新処理が終了した時点でバックアップする」とある点で正解です。これにより整合性(アトミックな状態)が保たれます。
よくある誤解
- 一時的に利用頻度が低いデータだからバックアップも削除してよい:保管義務や復旧要件に反し、削除は障害発生時の復旧不能を招きます(アの誤解)。
- 本稼働後は更新頻度の高いものだけでよい:フルバックアップを初期に取得しておかないと増分/差分だけでは完全復旧できません(イの誤解)。
- 重要データを同一媒体に上書きすれば管理が簡単:上書きは人為ミスや媒体障害で全てを失うリスクが高く、冗長性を損ないます(ウの誤解)。
補足コラム
一般にバックアップ設計では「整合性(consistency)」「復旧時間(RTO)」「復旧ポイント(RPO)」「冗長性」「保管期間」をバランスさせます。手法としてはフル/差分/増分バックアップ、アプリケーション整合なスナップショット、トランザクションログの管理などがあります。運用面では媒体ローテーション(例:Grandfather-Father-Son)、オフサイト保管、バックアップからの定期的な復元テストを必ず行ってください。重要データは上書き禁止で世代管理することが基本です。
FAQ
Q1: 「一連の更新処理」とは何を指しますか?
A1: データの整合性を保つためにまとめて完了させるべき処理単位です。データベースではトランザクション、アプリではバッチ処理やファイル群の更新完了などが該当します。
A1: データの整合性を保つためにまとめて完了させるべき処理単位です。データベースではトランザクション、アプリではバッチ処理やファイル群の更新完了などが該当します。
Q2: スナップショットで解決できますか?
A2: はい。アプリケーション整合性を担保するスナップショット(クオーズ/トランザクション整列を行うもの)を使えば、短時間で一貫した状態を取得可能です。ただしアプリ整合性のための事前処理が必要です。
A2: はい。アプリケーション整合性を担保するスナップショット(クオーズ/トランザクション整列を行うもの)を使えば、短時間で一貫した状態を取得可能です。ただしアプリ整合性のための事前処理が必要です。
Q3: 重要データを同一媒体に上書きする運用はなぜダメですか?
A3: 上書きは世代管理ができず、媒体障害やヒューマンエラーで過去データをすべて失うリスクが高いため、冗長な保存(複数媒体・オフサイト)が必要です。
A3: 上書きは世代管理ができず、媒体障害やヒューマンエラーで過去データをすべて失うリスクが高いため、冗長な保存(複数媒体・オフサイト)が必要です。
Q4: 増分バックアップだけで運用できますか?
A4: ベースとなる最新のフルバックアップが必須です。増分のみだと基準が欠落した場合に復旧不可能になります。定期的なフル取得と世代管理が必要です。
A4: ベースとなる最新のフルバックアップが必須です。増分のみだと基準が欠落した場合に復旧不可能になります。定期的なフル取得と世代管理が必要です。
関連キーワード: バックアップ、整合性、スナップショット、フルバックアップ、増分バックアップ、差分バックアップ、メディア管理、RTO、RPO、トランザクション、アーカイブ

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