基本情報技術者 2018年 春期 午前(科目A) 問78
問題文
商品Aの当月分の全ての受払いを表に記載した。商品Aを先入先出法で評価した場合、当月末の在庫の評価額は何円か。

選択肢
ア:3,300
イ:3,600
ウ:3,660
エ:3,700(正解)
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先入先出法による在庫評価【午前解説】
正解の理由
正解は エ(3,700円)です。
FIFO(先入先出法)では、出庫(払出)時に最も古い入庫ロットから消費します。ここでは月初の在庫と各仕入を層として管理し、5日と30日の売上で順に古いロットから取り崩すと、最終残高は次のとおりになります。
FIFO(先入先出法)では、出庫(払出)時に最も古い入庫ロットから消費します。ここでは月初の在庫と各仕入を層として管理し、5日と30日の売上で順に古いロットから取り崩すと、最終残高は次のとおりになります。
- 残存:20個 × 130円 = 円
- 残存:10個 × 110円 = 円
合計 円
売上行の単価欄が斜線で空欄でも、売上時に記載された単価は在庫評価に直接使いません。評価はロットごとの取得原価で行います。
解法ステップ
- 各入庫(前月繰越含む)を「数量×単価」のロットで時系列に並べる。
- 各出庫(売上)について、FIFOの原則で古いロットから数量を差し引く。ロットが枯渇したら次のロットへ移る。
- 月末に残ったロットごとの数量にそれぞれの単価を掛け、合計する。
- 合計額が在庫評価額(円)となる。
具体的処理(主要箇所のみ)
- 初期:10@100
- 4日仕入:+40@120 → 在庫 10@100, 40@120(計50)
- 5日売上30:消費→10@100(全消化)、20@120(残20)
- 7日仕入:+30@130 → 在庫 20@120, 30@130(計50)
- 10日仕入:+10@110 → 在庫 20@120, 30@130, 10@110(計60)
- 30日売上30:消費→20@120(全消化)、10@130(残20@130)
- 月末残高→20@130 + 10@110 = 2,600 + 1,100 = 3,700円
選択肢別の誤答解説
- ア: 3,300円
誤り。これは残存30個すべてを最後の仕入単価110円で評価した場合(30×110=3,300)に相当する誤りです。FIFOでは最後の仕入単価を残存全てに適用しません。 - イ: 3,600円
誤り。これは加重平均法(すべての取得原価合計 ÷ 総取得数量 = 単価120円)を用いた場合の評価額(30×120=3,600)に一致します。問題はFIFOが指定されているため平均法は不適です。 - ウ: 3,660円
誤り。これは購入分のみでの平均(あるいは小数点処理の誤りで122円と見做して計算した場合:30×122=3,660)など、計算手順や四捨五入のミスを表す値です。正しいFIFO手順からは導かれません。 - エ: 3,700円
正解。FIFOに基づきロットごとに出庫を処理した結果、残存は20個@130円と10個@110円で、合計円となります。
よくある誤解
- 売上の単価欄が空欄だから在庫評価できない:売上行は数量のみで、評価は既存ロットの単価で計算します。
- 平均法やLIFOと混同する:選択問題では手法が指定されている(ここは先入先出法)ため、別の方法で計算すると誤答になります。
- 出庫の順序を正確に追わない:複数回の仕入と出庫がある場合、どのロットから何個消えたかを逐次処理する必要があります。
補足コラム
- 実務的には、出庫が頻繁な場合はロット管理や棚卸用の表を作って差引を逐次記録するとミスを防げます。
- 会計上の評価方法は企業の方針や税法で指定・許容されるものがあり、FIFO、LIFO(国内では稀)、平均法などが代表例です。問題文で手法が指定されていればその手法で統一して解くこと。
- 少量の計算ミスを防ぐため、売上で消化した各ロットの残数量を表にしておくと見やすくなります。
小さな実演(PythonでFIFOをシミュレーションする例)
# ロットを (数量, 単価) で管理する簡易シミュレーション
lots = [(10,100), (40,120)]
# 5日売上 30
qty = 30
new_lots = []
for n,p in lots:
if qty==0:
new_lots.append((n,p))
elif n <= qty:
qty -= n
else:
new_lots.append((n-qty,p))
qty = 0
lots = new_lots
# 以降の仕入と売上を順次処理すれば同様に求まります
FAQ
Q1. 売上行の単価が空欄(斜線)でも評価できるのですか?
A1. はい。売上の単価は販売価格を示す欄であり、在庫評価は取得原価(各ロットの単価)で行います。売上欄は数量のみ使います。
A1. はい。売上の単価は販売価格を示す欄であり、在庫評価は取得原価(各ロットの単価)で行います。売上欄は数量のみ使います。
Q2. 在庫数がマイナスになることはありますか?
A2. 帳票上で数量管理が正しければ月間で在庫はマイナスにならないはずです。実務でマイナスが出たら記録ミスや入出庫漏れの可能性が高く、原因調査が必要です。
A2. 帳票上で数量管理が正しければ月間で在庫はマイナスにならないはずです。実務でマイナスが出たら記録ミスや入出庫漏れの可能性が高く、原因調査が必要です。
Q3. FIFOと平均法で評価額が異なるのはなぜですか?
A3. FIFOは古いロットから消費するため、物価変動(上昇/下降)に応じて期末在庫や売上原価が変わります。平均法は取得原価を平準化するため、期末評価は両者で差が出ます。
A3. FIFOは古いロットから消費するため、物価変動(上昇/下降)に応じて期末在庫や売上原価が変わります。平均法は取得原価を平準化するため、期末評価は両者で差が出ます。
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