基本情報技術者 2019年 秋期 午前(科目A) 問31
問題文
CSMA/CD方式のLANに接続されたノードの送信動作として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:各ノードに論理的な順位付けを行い、送信権を順次受け渡し、これを受け取ったノードだけが送信を行う。
イ:各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ、使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間の経過後に再度送信を行う。(正解)
ウ:各ノードを環状に接続して、送信権を制御するための特殊なフレームを巡回させ、これを受け取ったノードだけが送信を行う。
エ:タイムスロットを割り当てられたノードだけが送信を行う。
CSMA/CD方式のLANに接続されたノードの送信動作として、適切なものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→CSMA/CDでは各ノードがまず伝送媒体のキャリアを確認し、空きなら送信を開始し衝突検出時はランダム待ちで再送します。
- 根拠→名称にある「Carrier Sense(媒体感知)」と「Collision Detection(衝突検出)」および「バックオフ」による再送が方式の本質であり、これを満たす記述が正答です。
- 差がつくポイント→トークン方式やスロット割当(順次送信権付与)と混同しないこと。CSMA/CDは分散的で衝突を許容し検出・回復する点が決定的な違いです。
正解の理由
正解は イ です。CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)は、各ノードが送信前にまず媒体の使用(キャリア)を確認し、空きであれば送信を開始します。送信中に衝突を検出した場合はジャム信号等で衝突を知らせ、その後にランダムな待ち時間(バックオフ)を経て再送を行うという動作が仕様です。選択肢イの記述はこの動作をそのまま表しているため正解となります。
よくある誤解
- 「CSMA/CDは衝突を起こさない方式」:実際は衝突を検出して対処する方式であり、衝突自体は発生します。
- 「現代のEthernetでは常にCSMA/CDが働く」:スイッチド・全二重環境では衝突が発生せずCSMA/CDは不要になる点を見落とす受験者が多いです。
- 「トークン方式やタイムスロット方式と混同する」:トークンリングやTDMAは送信権を順次与える方式で、CSMA/CDとは根本的に異なります。
解法ステップ
- 問題のキーワードを抽出:「CSMA/CD」「送信前に媒体を調べる」「衝突検出」「ランダム時間で再送」など。
- 各選択肢とキーワードを照合:トークンや環状、タイムスロットはCSMA/CDではないことを確認。
- CSMA/CDの定義を思い出す:Carrier Sense(感知)、Multiple Access(多重アクセス)、Collision Detection(検出)とバックオフの存在を確認。
- 最も一致する選択肢を選ぶ:媒体確認→送信→衝突検出→ランダム再送、を示す選択肢が正答。
選択肢別の誤答解説
- ア: 各ノードに論理的な順位付けを行い順次送信権を回すという記述はトークンパッシング(トークンリングやトークンバス)の説明でありCSMA/CDとは無関係です。
- イ: イ は媒体のキャリア感知、衝突検出、ランダム再送(バックオフ)を示しておりCSMA/CDの仕様に合致します。
- ウ: 環状接続で特殊フレーム(トークン)を巡回させる方式はトークンリングの説明であり、CSMA/CDではありません。
- エ: タイムスロットを割り当てて送信させるのはTDMAやスロット多重方式の説明で、CSMA/CDの「ランダムアクセスで衝突を検出して対処する」方式とは異なります。
補足コラム
- バックオフの具体的動作:Ethernetの古典的仕様では二進指数バックオフを用い、 回目の衝突後はランダムな整数 を から の範囲で選び、 スロット分待ってから再送します(最大で の範囲)。
- 最小フレーム長とスロット時間:衝突検出を確実にするためにEthernetでは最小フレーム長が64バイト、スロット時間は512ビットタイム( バイト相当)という設計上の根拠があります。
- 現代のEthernet事情:スイッチ導入や全二重通信の普及により、ハブや共有媒体を前提としたCSMA/CDはほとんど使われなくなっていますが、プロトコルの概念理解はネットワーク基礎として重要です。
- 無線ではCSMA/CA:無線LAN(Wi‑Fi)は衝突検出が難しいためCSMA/CA(Collision Avoidance)を用います。これはCSMA/CDとは手法が異なります。
FAQ
Q1: CSMA/CDとCSMA/CAの違いは?
A1: CSMA/CDは有線で送信中に衝突を検出して対処する方式、CSMA/CAは衝突を避ける仕組みで主に無線で使われます。
A1: CSMA/CDは有線で送信中に衝突を検出して対処する方式、CSMA/CAは衝突を避ける仕組みで主に無線で使われます。
Q2: 衝突が起きたら必ずランダム時間で再送するのですか?
A2: はい。標準では二進指数バックオフによりランダムな待機時間を用いて再送のタイミングをずらします。
A2: はい。標準では二進指数バックオフによりランダムな待機時間を用いて再送のタイミングをずらします。
Q3: 現在のEthernetでCSMA/CDは不要ですか?
A3: スイッチド・全二重環境では衝突が発生しないためCSMA/CDは事実上不要ですが、プロトコルの原理は理解しておくべきです。
A3: スイッチド・全二重環境では衝突が発生しないためCSMA/CDは事実上不要ですが、プロトコルの原理は理解しておくべきです。
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