基本情報技術者 2019年 春期 午前(科目A) 問21
問題文
メモリセルにフリップフロップ回路を利用したものはどれか。
選択肢
ア:DRAM
イ:EEPROM
ウ:SDRAM
エ:SRAM(正解)
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フリップフロップ型メモリ【午前解説】
正解の理由
静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)は、各メモリセルが双安定回路(クロスカップルしたインバータによるラッチ)で構成されるため、フリップフロップ(あるいはラッチ)を用いる方式です。これに対して、DRAM/SDRAMは情報をコンデンサに電荷として保持する1トランジスタ+1コンデンサ(1T1C)方式であり、EEPROMはフローティングゲートに電荷を蓄える不揮発メモリであるため、フリップフロップ回路を用いません。よって、選択肢の中ではエ(SRAM)が該当します。
解法ステップ
- メモリのセル構成を思い出す(SRAMはトランジスタだけのラッチ、DRAM/SDRAMはコンデンサで保持、EEPROMは浮遊ゲートに電荷)。
- 「フリップフロップ(ラッチ)」を用いるのはどれかを判定する(ラッチ=SRAM)。
- ボラティリティやリフレッシュ要否、用途(キャッシュ=SRAM)で再確認する。
短い覚え方:SRAM=ラッチ(高速・揮発)、DRAM/SDRAM=コンデンサ(要リフレッシュ)、EEPROM=浮遊ゲート(不揮発)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: DRAM
DRAMは各セルがコンデンサに電荷を蓄える方式(1T1C)で、時間経過で電荷が漏れるため定期的なリフレッシュが必要。ラッチ(フリップフロップ)ではない。 -
イ: EEPROM
EEPROMはフローティングゲートに電荷を蓄える不揮発メモリで、書き込み・消去はフローティングゲートへの電荷移動(主にFowler–Nordheimトンネルやホットキャリア注入などのメカニズム)によって行う。ラッチ回路には基づかない。 -
ウ: SDRAM
SDRAMは「同期式DRAM」の意味で、内部セルはDRAMと同様にコンデンサで情報を保持する。同期(クロック)で動作するインタフェースを持つが、セル自体はフリップフロップではない。 -
エ: SRAM
各セルがクロスカップルしたインバータ(双安定)+アクセス用トランジスタから成るため、実質的にフリップフロップ/ラッチで情報を保持する。したがって該当。
よくある誤解
-
「SDRAMは同期だからセルもフリップフロップだ」
誤り。同期はインタフェース(クロック)に関する性質で、セル構造(コンデンサかラッチか)とは別問題です。 -
「SRAM=フリップフロップは常にDフリップフロップのような構造だ」
実際のSRAMセルはクロスカップルしたインバータ(ラッチ)+アクセストランジスタの6トランジスタ(6T)セルが一般的で、必ずしもエッジトリガのDフリップフロップそのものではありませんが、双安定回路という点でフリップフロップ相当と扱えます。
補足コラム
- SRAMセルの典型構成は6トランジスタ(2つのクロスカップルインバータ=4T + 2つのアクセストランジスタ)で、"6Tセル"と呼ばれます。クロスカップルしたインバータがビットを保持し、ワードラインでアクセス用トランジスタを制御して読み書きします。
- DRAMはセル密度が高く大容量化に適する一方、SRAMは高速でリフレッシュ不要のためCPUキャッシュなど高速アクセス領域に使われます。EEPROM/Flashは電源を切っても保持できる不揮発性が特徴で、ブート用ストレージや設定保存に利用されます。
- EEPROMの書き換え・消去時の電荷移動は、フローティングゲートに対するFowler–Nordheimトンネルやホットキャリア注入といった物理現象によるものであり、「トンネルで蓄える」「ホールで蓄える」といった不正確な表現は避けるべきです。
FAQ
Q: SRAMは不揮発ですか?
A: いいえ。SRAMは電源を切ると情報を失う揮発性メモリです。
A: いいえ。SRAMは電源を切ると情報を失う揮発性メモリです。
Q: EEPROMとFlashは同じですか?
A: 基本原理(浮遊ゲートに電荷を保持)は共通しますが、EEPROMは通常バイト単位で書き換え可能、Flashはブロック単位で消去するなどの違いがあります。
A: 基本原理(浮遊ゲートに電荷を保持)は共通しますが、EEPROMは通常バイト単位で書き換え可能、Flashはブロック単位で消去するなどの違いがあります。
Q: 「フリップフロップ回路」と「ラッチ」は同じですか?
A: 完全に同じではありません。ラッチはレベル感知型、フリップフロップはエッジトリガの回路を指すことが多いですが、試験文脈では「双安定回路で状態を保持する回路」という広い意味でSRAMセルを指す意図があることが多いです。
A: 完全に同じではありません。ラッチはレベル感知型、フリップフロップはエッジトリガの回路を指すことが多いですが、試験文脈では「双安定回路で状態を保持する回路」という広い意味でSRAMセルを指す意図があることが多いです。
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