情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問44
問題文
プロジェクトに関わるステークホルダの説明のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:組織の外部にいることはなく、組織の内部に属している。
イ:プロジェクトの成果が、自らの利益になる者と不利益になる者がいる。(正解)
ウ:プロジェクトへの関与が間接的なものにとどまることはなく、プロジェクトには直接参加する。
エ:プロジェクトマネージャのように、個人として特定できることが必要である。
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ステークホルダ(利害関係者)【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
プロジェクトに関わる「ステークホルダ(stakeholder:利害関係者)」は、プロジェクトの成果によって利益を得る人や組織だけでなく、逆に不利益を被る可能性がある人や組織も含みます。したがって、利害の方向性が異なる者が存在するという説明が正しいため、選択肢イが妥当です。
ポイントを噛み砕くと:
- ステークホルダは「プロジェクトの結果に利害(利益・不利益)を持つ人や組織」です。
- そのため、プロジェクトで得をする側と損をする側が混在することは自然であり、これを示す記述が正解になります。
(用語補足)プロジェクトマネージャ(Project Manager:プロジェクトの責任者)や委託先(外部業者)などもステークホルダに含まれ得ます。
解法ステップ
- 「ステークホルダ」の定義を思い出す:プロジェクトの成果に利害を持つ者かを確認する。
- 各選択肢の述べている内容が定義と合っているかを1文ずつ当てはめる。
- 「利益だけ」「内部だけ」「直接参加だけ」「個人で特定が必要」などの断定が定義と矛盾しないかを検証する。
- 短絡的に「プロジェクトに関わる=チームメンバー」と混同しない(利害と関与の違いに注意)。
実務上は、「利害を持つかどうか」を基準にステークホルダを洗い出すと速く正確です。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「組織の外部にいることはなく、組織の内部に属している。」
- 誤り。ステークホルダは社内(営業・人事など)だけでなく、顧客、外部委託先、規制当局、地域住民など組織外部の関係者も含みます。外部の利害関係者を無視すると重大なリスクを見落とします。
- イ: 「プロジェクトの成果が、自らの利益になる者と不利益になる者がいる。」
- 正しい。利益と不利益が混在することを示しており、利害関係者の本質的特徴を表しています。
- ウ: 「プロジェクトへの関与が間接的なものにとどまることはなく、プロジェクトには直接参加する。」
- 誤り。関与は直接(プロジェクトチーム)でも間接(法規制を作る機関、最終利用者など)でもあり得ます。間接関与でも影響力や利害は大きい場合があります。
- エ: 「プロジェクトマネージャのように、個人として特定できることが必要である。」
- 誤り。ステークホルダは個人だけでなく、部門、企業、コミュニティといった「集団」や「役割(例:購買担当)」でもあり得ます。必ずしも個人で一意に特定できる必要はありません。
よくある誤解
- ステークホルダ=プロジェクトチームと混同する
- チームは「直接関与するステークホルダ」の一部ですが、ステークホルダはもっと広い概念です。
- ステークホルダは常に利益を得る側だけを指す
- 不利益を被る可能性のある者も含まれます。対立する利害を把握することが管理の要です。
- ステークホルダは必ず個人である
- 組織や役割単位で管理することが多く、個人情報の扱いとは区別して管理します。
補足コラム
実務で役立つ簡単な方法:ステークホルダ登録と「影響度/関心度マップ」を作ることです。影響度(プロジェクトに影響を与えられる力)と関心度(プロジェクト結果にどれだけ関心があるか)を縦横にした4象限に分類します。例えば:
- 高影響・高関心:重点的に巻き込む(経営層、主要顧客)
- 高影響・低関心:関心を高めつつ管理(規制当局など)
- 低影響・高関心:情報共有を怠らない(一般利用者)
- 低影響・低関心:最低限の情報提供で十分
職場では「ステークホルダ一覧(誰が、どんな利害を持つか、対応方法)」を関係者へ共有すると、トラブル予防になります。
語源メモ:stake(利害を掛ける杭)+holder(持つ者)→ 利害を持つ者、というイメージで覚えると定義が腑に落ちます。
FAQ
Q1: 外部委託先はステークホルダですか?
A1: はい。外部委託先は成果に利害を持ち、プロジェクトに影響を与えるためステークホルダです。
A1: はい。外部委託先は成果に利害を持ち、プロジェクトに影響を与えるためステークホルダです。
Q2: 利害が明確でない人はステークホルダに入れなくてよいですか?
A2: 一度ステークホルダ候補としてリスト化し、関心度・影響度を評価してください。初期段階で見落とすと後から対処が難しくなります。
A2: 一度ステークホルダ候補としてリスト化し、関心度・影響度を評価してください。初期段階で見落とすと後から対処が難しくなります。
Q3: ステークホルダ管理は誰がやるべきですか?
A3: プロジェクトマネージャが中心に管理しますが、関連部門と協力してステークホルダ一覧やコミュニケーション計画を作るのが現実的です。
A3: プロジェクトマネージャが中心に管理しますが、関連部門と協力してステークホルダ一覧やコミュニケーション計画を作るのが現実的です。
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