情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問46
問題文
E-R図に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:関係データベースの表として実装することを前提に表現する。
イ:管理の対象をエンティティ及びエンティティ間のリレーションシップとして表現する。(正解)
ウ:データの生成から消滅に至るデータ操作を表現する。
エ:リレーションシップは、業務上の手順を表現する。
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E-R図の表現対象【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
E-R図(Entity-Relationship図:データの実体と関係を示す図)は、管理対象を「エンティティ(entity:データとして管理する実体)」と「リレーションシップ(relationship:エンティティ同士の関係)」で表すための図です。したがって、設問の中では イ が正しい説明です。E-R図は「何を管理するか(誰・何のデータ)」と「それらがどうつながるか」を示すために使います。
(補足の言葉)
- エンティティ例:顧客、商品、受注など。会社の名簿や商品マスターのようなものをイメージしてください。
- リレーションシップ例:顧客が受注する、商品が受注に含まれる、のような関係。
解法ステップ
- 問題文で問われている対象が「図(表現)」に関するものか確認する。
- 「E-R図が何を表す図か」の定義を思い出す(エンティティとリレーションシップの構造)。
- 各選択肢が「構造(静的)」を示しているか、「動作・手順(動的)」を示しているかで判定する。
- E-R図は構造(静的)モデルなので、構造を説明するものを正解とする。
この手順で、エンティティとリレーションシップを直接扱う イ を選べます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 関係データベースの表として実装することを前提に表現する。
解説:E-R図は概念モデル(何を管理するか)や論理モデル(データ構造)を示します。関係データベース(Relational Database:表でデータを管理する方式)に変換できることは多いですが、「実装を前提」と断言するのは誤りです。物理設計(実際のテーブル設計、インデックス等)は別段階です。 -
ウ: データの生成から消滅に至るデータ操作を表現する。
解説:これはデータのライフサイクルや処理の流れを示す内容で、E-R図の範囲外です。データの流れや処理(いつ生成・更新・削除されるか)は、DFD(Data Flow Diagram:データの流れ図)や業務フロー、状態遷移図などで表します。 -
エ: リレーションシップは、業務上の手順を表現する。
解説:リレーションシップは手順(手続き)ではなく、エンティティ間の関係性(例えば「顧客が受注する」)を表します。業務手順はフローチャートやBPMNなどで表現します。
よくある誤解
- 「E-R図=実際の表(テーブル)」と混同する
- 理由:ER図は設計の段階(概念〜論理)で使う図で、物理的なテーブルは後の段階です。実装の詳細(データ型やインデックス)は含みません。
- 「リレーションシップ=業務の手順」と誤解する
- 理由:関係性(誰が誰に属する等)と手順(何を順に行うか)は別物です。業務フローとは用途が違います。
- 「E-R図で更新の順序や処理条件が分かる」と思う
- 理由:更新やトランザクションの順序・条件はE-R図では示されません。運用ルールやトランザクション設計は別の設計資料で扱います。
補足コラム
-
E-R図から関係データベースへの変換(現場でのイメージ)
- エンティティ → テーブル(表)
- 属性(エンティティの性質)→ カラム(列)
- リレーションシップ → 外部キーや中間テーブル(多対多は中間テーブル化)
実務では、業務担当者と設計者が「このデータを一意に識別するキーは何か」「多対多の関係をどう扱うか」を確認して、論理設計→物理設計へと進めます。
-
表記のバリエーション
- Chen記法、Crow's Foot(カラスの足)記法など表現方法がありますが、目的は同じです(実体と関係・カードィナリティを示す)。
FAQ
Q1: E-R図とUMLクラス図の違いは?
A1: 両方とも「構造」を表しますが、E-R図はデータベース設計に特化し、エンティティと関係の表現に重点を置きます。UMLクラス図はソフトウェア開発でクラスやメソッドなどオブジェクト指向の設計要素も表現できます。
A1: 両方とも「構造」を表しますが、E-R図はデータベース設計に特化し、エンティティと関係の表現に重点を置きます。UMLクラス図はソフトウェア開発でクラスやメソッドなどオブジェクト指向の設計要素も表現できます。
Q2: 多対多(N:M)の関係はどう表す?
A2: E-R図上ではリレーションシップとして示せますが、関係データベースに落とす際は中間テーブル(結合テーブル)を作り、それぞれに外部キーを持たせます。
A2: E-R図上ではリレーションシップとして示せますが、関係データベースに落とす際は中間テーブル(結合テーブル)を作り、それぞれに外部キーを持たせます。
Q3: リレーションシップに属性は付けられる?
A3: はい。例えば「受注」と「商品」の関係に「数量」という属性がある場合、リレーションシップ自体に属性を持たせることができます。物理実装では中間テーブルのカラムに相当します。
A3: はい。例えば「受注」と「商品」の関係に「数量」という属性がある場合、リレーションシップ自体に属性を持たせることができます。物理実装では中間テーブルのカラムに相当します。
関連キーワード: E-R図, エンティティ, リレーションシップ, データモデリング, 関係データベース, 論理設計, 物理設計, DFD, カーディナリティ, データベース設計

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