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情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A)47


問題文

IPアドレスの自動設定をするためにDHCPサーバが設置されたLAN環境の説明のうち、適切なものはどれか。

選択肢

DHCPによる自動設定を行うPCでは、IPアドレスは自動設定できるが、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイアドレスは自動設定できない。
DHCPによる自動設定を行うPCと、IPアドレスが固定のPCを混在させることはできない。
DHCPによる自動設定を行うPCに、DHCPサーバのアドレスを設定しておく必要はない。(正解)
一度IPアドレスを割り当てられたPCは、その後電源が切られた期間があっても必ず同じIPアドレスを割り当てられる。

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DHCP自動設定の仕組み【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

選択肢が正しいのは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol:動的ホスト構成プロトコル、IPアドレスなどを自動で配布する仕組み)では、クライアント(自動設定を行うPC)があらかじめDHCPサーバのアドレスを手動で設定する必要がないためです。クライアントはまずネットワーク全体に対してブロードキャストで「DHCPDISCOVER」を送信し、これに応答したDHCPサーバからIPアドレスやサブネットマスク、デフォルトゲートウェイなどの情報を受け取ります。したがって、サーバのIPアドレスをクライアントにあらかじめ書く必要はありません。
(補足)ルータを越えた別サブネットにDHCPサーバがある場合はルータ側でDHCPリレー(中継)を設定し、ブロードキャストを中継してサーバに届くようにしますが、この場合でもクライアント側にサーバIPを設定する必要はありません。

解法ステップ

  1. 問題が問う「DHCPで自動設定される項目・挙動」を確認する。
  2. 各選択肢がDHCPの標準的な動作と一致するかを検証する:
    • DHCPで何が配布されるか(IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど)を思い出す。
    • DHCPクライアントの初期接続手順(DHCPDISCOVER → DHCPOFFER → DHCPREQUEST → DHCPACK)を思い出す。
    • リース(貸与)と再割当の仕組みを確認する。
  3. 上の確認と照合して、正しい記述を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「IPは自動、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイは自動設定できない」
    誤り。DHCPはIPアドレスだけでなく、サブネットマスク(ネットワーク部を示す)、デフォルトゲートウェイ(外部ネットワークへの出口)やDNSサーバなどもオプションとして配布できます。実務ではこれらをまとめて自動配布するのが一般的です。
  • イ: 「自動設定PCと固定IPのPCは混在できない」
    誤り。混在は可能です。ただし注意点があります。固定(静的)IPを使うPCは、DHCPサーバの割当範囲(スコープ)と重ならないアドレスを使うか、DHCP側でそのMACアドレスに対して予約(リザベーション)を設定して衝突を防ぎます。現場では「静的IPは管理表で管理」する運用が必要です。
  • ウ: (正答)「クライアントにDHCPサーバアドレスを設定する必要はない」
    理由は冒頭の通り。クライアントはブロードキャストでサーバを見つけるため、事前のサーバ指定は不要です。
  • エ: 「一度割当てられたPCは必ず同じIPが割り当てられる」
    誤り。DHCPは「リース」と呼ばれる期間だけIPを貸与します。電源を切ってリース期間が切れると、別のIPが割り当てられる可能性があります。もし常に同じIPが必要なら「MACアドレスに対する予約(固定割当)」や静的IPを使います。

よくある誤解

  • 誤解1: 「DHCPはすべてを自動で安全に決めてくれる」
    誤り。DHCPは便利ですが、誤設定や不正なDHCPサーバ(Rogue DHCP)により誤ったネットワーク情報が配布される危険があります。スイッチのDHCPスヌーピングやネットワーク設計で対策が必要です。
  • 誤解2: 「DHCPだとサーバや重要機器のIPが変わるから使えない」
    一部正しいが解決策あり。重要機器はDHCPの予約機能(MACアドレスとIPを紐付け)や静的割当で固定できます。運用で使い分けます。

補足コラム

職場での運用イメージ:
  • 社内PCはDHCPで一括管理し、入退社や席替えでの設定工数を削減します。
  • プリンタやサーバなどは固定IPもしくはDHCP予約を設定して、運用管理と監視を容易にします。
  • ネットワーク管理者はDHCPの「スコープ(配布可能範囲)」「リース期間」「予約リスト」をドキュメント化します。たとえば、スコープを192.168.1.100〜192.168.1.199とし、それ以外を静的IP用に確保する運用が一般的です。 セキュリティ対策:
  • スイッチのDHCPスヌーピング機能を有効化して、不正なDHCP応答をブロックします。
  • サーバや重要機器はDHCP予約か静的IPにして、IP変更による障害を防ぎます。

FAQ

Q1: DHCPサーバが同じLAN上にないとIPが取れないですか?
A1: 同一サブネットであればブロードキャストで見つかります。別サブネットにある場合はルータでDHCPリレー(中継)を設定すれば取得できます。どちらの場合もクライアント側でサーバIPを手動で指定する必要は基本的にありません。
Q2: DHCPで割り当てられたIPはどのくらいの期間使えるのですか?
A2: DHCPには「リース期間」があり、数分〜数週間など管理者が設定します。リース期間が切れる前にクライアントは更新を試み、成功すれば同じIPを継続することが多いです。
Q3: 特定のPCに必ず同じIPを割り当てたい場合はどうすればよいですか?
A3: DHCPサーバで「予約(リザベーション)」を設定して、そのPCのMACアドレス(Media Access Control:機器固有の識別子)に特定のIPを紐づけます。あるいは静的IPを設定しますが、管理表で衝突を防ぐ必要があります。

関連キーワード: DHCP、IP(Internet Protocol)アドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DHCPリース、DHCPリレー、DHCPスヌーピング、固定IP、MAC(Media Access Control)アドレス予約
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