情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問14
問題文
PCで行うマルウェア対策のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:PCにおけるウイルスの定期的な手動検査では、ウイルス対策ソフトの定義ファイルを最新化した日時以降に作成したファイルだけを対象にしてスキャンする。
イ:PCの脆弱性を突いたウイルス感染が起きないように、OS及びアプリケーションの修正パッチを適切に適用する。(正解)
ウ:電子メールに添付されたウイルスに感染しないように、使用しないTCPポート宛ての通信を禁止する。
エ:ワームが侵入しないように、PCに動的グローバルIPアドレスを付与する。
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PCのマルウェア対策【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢イは、OS(Operating System:基本ソフト)やアプリケーションの脆弱性(ソフトの欠陥や弱点)を修正する「修正パッチ」を適切に適用することを示しています。マルウェア(悪意のあるソフトウェア)がしばしば既知の脆弱性を突いて侵入・感染するため、パッチ適用は根本的な予防策になります。職場での運用としては、パッチ管理(パッチを定期的に調べ、テストして、配布・適用する仕組み)を整えることで、感染リスクを大きく下げられます。
解法ステップ
- 「何を守るか」を考える:マルウェア対策の目的は、不正な侵入・自己増殖・情報漏えいなどを防ぐこと。
- 各選択肢が「どの攻撃経路」に対応するかを検討する。
- 技術的に有効で、一般的に推奨される対策かを判断する(例:パッチ適用、ウイルス対策ソフト、ネットワーク制御など)。
- 誤った前提や因果関係の逆転(例:IPアドレスの種類でワームを防げる、特定ポート禁止でメール添付を防げる)を排除する。
この問題では、脆弱性を塞ぐことが最も直接的かつ普遍的な防御であるため、イが正しい選択です。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「ウイルス対策ソフトの定義ファイルを最新化した日時以降に作成したファイルだけをスキャンする」
- 誤り。ウイルス対策ソフトの定義ファイル(シグネチャファイル:既知マルウェアの特徴を記したデータ)を更新した後でも、既存の古いファイルにマルウェアが潜んでいる可能性があります。スキャンは新旧を問わず対象にするか、常時オンアクセス(ファイルを開く・ダウンロードする都度チェック)で行うべきです。
- イ: 「OS及びアプリケーションの修正パッチを適切に適用する」
- 正しい。既知の脆弱性を修正することで、マルウェアがその脆弱性を利用して侵入・拡散する道を塞げます。パッチ管理は基本中の基本です。
- ウ: 「電子メールの添付ウイルス対策として、使用しないTCPポート宛ての通信を禁止する」
- 誤り。TCP(Transmission Control Protocol:通信の約束事)のポート制限はネットワークの一部対策ですが、メールの添付ファイルに含まれるマルウェアはユーザが開くことで感染します。ポートを閉じても、ユーザ端末内でファイルを実行すれば感染するため、添付ファイルの検査やメールゲートウェイでのスキャン、ユーザ教育が必要です。
- エ: 「ワーム侵入防止のためにPCに動的グローバルIPアドレスを付与する」
- 誤り。IPアドレス(ネットワーク上の住所)の「動的/固定」はマシンの割り当て方法の違いであり、ワーム(自己増殖するマルウェア)の侵入を防ぐ直接的手段ではありません。ワームは脆弱性やネットワーク経路を通じて広がるため、パッチ適用やファイアウォール、ネットワーク分離などの対策が必要です。
よくある誤解
- 「ウイルス対策ソフトを入れているからパッチは不要」
ウイルス対策ソフトは既知のマルウェア検出に有効ですが、新しい攻撃やゼロデイ脆弱性(未対策の脆弱性)には限界があります。パッチとウイルス対策は補完関係です。 - 「ポートを閉じれば全ての攻撃を遮断できる」
ポート制御は外部アクセスを制限しますが、メール添付やUSBなど別経路での感染には無力です。多層防御(対策を重ねる)が必要です。
補足コラム
パッチ適用の実務ポイント(職場でどう運用するかのイメージ)
- 資産管理:まずPCやソフトの一覧(誰が何を使っているか)を把握します。
- 優先度付け:サーバや脆弱性スコアの高いものを優先適用します。
- テスト環境:業務影響を確認するために、まずテスト環境で適用検証を行います。
- ロールアウト:段階的に配布し、問題がなければ全社展開します。
- 緊急対応:重大な脆弱性が見つかった場合は夜間でも緊急パッチを配布する手順を用意します。
- ユーザ対応:再起動が必要なことを事前通知し、業務への影響を最小化します。
自動更新を基本にしつつ、業務アプリの互換性確認や定期バックアップをセットにする運用が現実的で安全です。
FAQ
Q: 自宅のPCでも同じ対策が有効ですか?
A: はい。OSやアプリの自動更新を有効にし、ウイルス対策ソフトを導入することが基本です。職場ほどの管理体制はなくても、定期バックアップとソフト更新が重要です。
A: はい。OSやアプリの自動更新を有効にし、ウイルス対策ソフトを導入することが基本です。職場ほどの管理体制はなくても、定期バックアップとソフト更新が重要です。
Q: すぐに全部のパッチを当てれば良いですか?
A: すぐに当てることが望ましいですが、業務アプリとの互換性を確認するために段階的な適用やテストを行う組織が多いです。緊急度の高い脆弱性は優先的に対応します。
A: すぐに当てることが望ましいですが、業務アプリとの互換性を確認するために段階的な適用やテストを行う組織が多いです。緊急度の高い脆弱性は優先的に対応します。
Q: メール添付のウイルスには何が有効ですか?
A: メールゲートウェイでのスキャン、添付ファイルの拡張子制限、ユーザ教育(不審なメールを開かない)、サンドボックス検査など複数の対策を組み合わせます。
A: メールゲートウェイでのスキャン、添付ファイルの拡張子制限、ユーザ教育(不審なメールを開かない)、サンドボックス検査など複数の対策を組み合わせます。
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