情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問15
問題文
システム管理者による内部不正を防止する対策として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:システム管理者が複数の場合にも、一つの管理者IDでログインして作業を行わせる。
イ:システム管理者には、特権が付与された管理者IDでログインして、特権を必要としない作業を含む全ての作業を行わせる。
ウ:システム管理者の作業を本人以外の者に監視させる。(正解)
エ:システム管理者の操作ログには、本人にだけアクセス権を与える。
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システム管理者の監視体制【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
内部不正を防ぐには「抑止」と「発見」の両方が重要です。選択肢の中でこれを最もよく満たすのは ウ(システム管理者の作業を本人以外の者に監視させる)です。
監視は「誰が何をしたか」が第三者に確認できる状態を作ります。管理者ID(ユーザを識別するためのID)や特権(高度な操作を行える権限)を持つ人は、誤用や悪用の可能性が高いため、他者によるモニタリングやログの検証が抑止力・検出力になります。監視を組み合わせれば、不正の発見が早まり、責任の所在も明確になります。
監視は「誰が何をしたか」が第三者に確認できる状態を作ります。管理者ID(ユーザを識別するためのID)や特権(高度な操作を行える権限)を持つ人は、誤用や悪用の可能性が高いため、他者によるモニタリングやログの検証が抑止力・検出力になります。監視を組み合わせれば、不正の発見が早まり、責任の所在も明確になります。
解法ステップ
- 問題の目的を確認:内部不正(管理者による悪用)を「防止」すること。
- 抑止と発見の観点で各選択肢を評価する。
- 抑止:第三者が見ている/見られる可能性があるか。
- 発見:不正が起きた際に証拠(ログ・録画)で追跡できるか。
- ア〜エそれぞれが責任の明確化、検証可能性、運用の安全性を満たすかを判断する。
- 最も抑止力と検出力が高いものを選ぶ → ウ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: システム管理者が複数の場合にも、一つの管理者IDでログインして作業を行わせる。
- 問題点:共有IDは誰が操作したか分からなくなり、責任の所在が不明瞭になります。監査や追跡ができず、不正の抑止力が低下します。個人ごとの一意のIDを使うことが基本です。
-
イ: システム管理者には、特権が付与された管理者IDでログインして、特権を必要としない作業を含む全ての作業を行わせる。
- 問題点:特権(システム設定やデータ削除などの高リスク操作を行える権限)付きアカウントを常用すると、誤操作や不正のリスクが高まります。最小権限の原則(必要なときだけ権限を与える)が守られません。管理者は通常作業用の一般アカウントと、必要時にのみ使う特権アカウントを使い分けるべきです。
-
ウ: システム管理者の作業を本人以外の者に監視させる。
- 妥当性:監視(リアルタイムモニタ、セッション録画、第三者によるレビューなど)は抑止と早期検出に有効です。監査ログや操作記録を別部署(監査部門やセキュリティチーム)が確認する運用が理想的です。
-
エ: システム管理者の操作ログには、本人にだけアクセス権を与える。
- 問題点:操作ログ(誰がいつ何をしたかを記録する履歴)にアクセスできるのが当該管理者だけでは、自己検証や不正隠蔽が可能になります。ログは独立した担当(監査・セキュリティ担当)や写しを保管しておく必要があります。
よくある誤解
- 監視はプライバシー侵害だ → 監視は目的を限定し、ログ保護やアクセス制御、事前通知と運用ルールを整備すれば合法・適正に行えます。業務上の正当な理由がある点を明確にしてください。
- 管理者には全部の権限が必要だ → 日常作業と高権限作業を分ける(一般アカウントと特権アカウントを使い分ける)だけで安全性は大きく向上します。
- ログさえ取れば十分だ → ログを取得しても誰も見なければ意味がありません。定期的なレビューとアラート設定が必要です。
補足コラム
実務で使える具体的対策(運用イメージ)
- 個別アカウントの採用:管理者ごとに一意のIDを与え、パスワードと多要素認証(MFA)を必須にします。
- 最小権限と一時的付与:普段は一般権限で、必要な場合のみ「Just-In-Time」や承認付きで特権を付与する。PAM(Privileged Access Management:特権アクセス管理)製品の導入を検討します。
- セッション録画とリアルタイム監視:重要操作は記録して第三者が確認できるようにする。録画は証拠としての価値も高いです。
- ログの二重管理:操作ログは管理者本人の手元とは別の安全な場所(監査チームやSIEM:ログ収集分析システム)で保管・検査します。
- 定期監査とアクセスレビュー:誰がどの権限を持っているかを定期的に見直す運用を組みます。
これらを組み合わせると、抑止力・検出力・修復力が高まります。
FAQ
Q1: 監視すると管理者の仕事効率が落ちますか?
A1: 監視の目的や手法を明確にし、日常業務に過度な負担がかからないようにすれば大きな影響はありません。自動化されたログ収集や必要時のセッション録画が効率と安全の両立に有効です。
A1: 監視の目的や手法を明確にし、日常業務に過度な負担がかからないようにすれば大きな影響はありません。自動化されたログ収集や必要時のセッション録画が効率と安全の両立に有効です。
Q2: 監視の証拠はどれくらい保存すべきですか?
A2: 法令や業務ニーズに応じますが、少なくともインシデント対応や監査に耐えうる期間(数か月〜数年)を想定し、改ざん防止のため適切に保護して保存します。
A2: 法令や業務ニーズに応じますが、少なくともインシデント対応や監査に耐えうる期間(数か月〜数年)を想定し、改ざん防止のため適切に保護して保存します。
Q3: 監視は誰が行うべきですか?
A3: 利益相反を避けるため、運用担当者とは別の部署(監査部門、情報セキュリティ部門、外部監査)でログ確認やレビューを行うのが望ましいです。
A3: 利益相反を避けるため、運用担当者とは別の部署(監査部門、情報セキュリティ部門、外部監査)でログ確認やレビューを行うのが望ましいです。
関連キーワード: 内部不正、特権ID、操作ログ、最小権限、監視・モニタリング、PAM、セッション録画、アクセスレビュー

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