情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問19
問題文
APTの説明はどれか。
選択肢
ア:攻撃者はDoS攻撃及びDDoS攻撃を繰り返し組み合わせて、長期間にわたり特定組織の業務を妨害する。
イ:攻撃者は興味本位で場当たり的に、公開されている攻撃ツールや脆弱性検査ツールを悪用した攻撃を繰り返す。
ウ:攻撃者は特定の目的をもち、標的となる組織の防御策に応じて複数の手法を組み合わせ、気付かれないよう執拗に攻撃を繰り返す。(正解)
エ:攻撃者は不特定多数への感染を目的として、複数の攻撃方法を組み合わせたマルウェアを継続的にばらまく。
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標的型持続的攻撃【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢のうち、攻撃者が「特定の目的」をもち「標的」に対して「複数の手法を組み合わせ」「気付かれないように執拗に」攻撃を続けるという特徴を表しているのは ウ です。これはAPT(Advanced Persistent Threat:高度で持続的な脅威)の定義に合致します。APTは単発や偶発的な攻撃ではなく、長期にわたり目標を達成するために手口を変えつつ侵入・潜伏・データ窃取などを行う点が特徴です。
(補足)APTは“Advanced”(高度な手口),“Persistent”(持続的に続ける),“Threat”(脅威)の頭文字で、企業や組織の機密情報を狙う組織的な攻撃を指します。
解法ステップ
- 問題文で注目すべきキーワードを拾う
- 「特定の目的」「標的」「複数の手法」「気付かれない」「執拗に」など。
- APTの核心を思い出す
- 対象を定め、時間をかけて侵入→潜伏→目的達成(情報窃取等)を繰り返す攻撃。
- 選択肢と照合して一致するものを選ぶ
- 「標的」「持続的」「ステルス(気付かれない)」が揃う選択肢を正解とする。
この手順で選べば、攻撃の「目的性」「持続性」「隠密性」があるかどうかで判定できます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「DoS攻撃及びDDoS攻撃を繰り返し組み合わせて、長期間にわたり特定組織の業務を妨害する。」
→ DoS(Denial of Service:サービス不能)/DDoS(分散DoS)はサービスを止めるための攻撃で、目立つ妨害行為です。APTは目立たない潜伏や情報窃取が主目的のため、この説明は不適切です。 -
イ: 「興味本位で場当たり的に、公開されている攻撃ツールや脆弱性検査ツールを悪用した攻撃を繰り返す。」
→ これは攻撃者が目的や計画性を欠く「スクリプトキディ(既存ツールを使う未熟な攻撃)」に近く、APTの「計画的で持続的」な性質と異なります。 -
エ: 「不特定多数への感染を目的として、複数の攻撃方法を組み合わせたマルウェアを継続的にばらまく。」
→ これはワームや大規模なマルウェア拡散を示す説明で、「不特定多数」「大量拡散」が特徴です。APTは特定組織を狙う点で異なります。
よくある誤解
- APTは必ずしも国家主体だけが行うとは限らない
→ 国家関連の攻撃で話題になることが多いですが、犯罪組織や高度なハッカー集団もAPT的手法を使います。 - 「長期間=攻撃が目立つ」という誤解
→ APTは長期間でも「目立たない」ように振る舞う(ログの削除やステルス通信など)ため、発見が遅れやすいです。 - 「DDoSやマルウェア=APT」と混同しない
→ これらは手段の一つにすぎず、ターゲット・目的・持続性・隠密性の組合せがAPTの本質です。
補足コラム
職場でのイメージ:APTは「忍び込んだ泥棒が数週間かけて書類をコピーし、見つからないように出口を探す」ようなものです。対策としては、外部からの侵入を防ぐだけでなく、内部の不審な振る舞いを検知する仕組み(ログ監視、異常通信の検知、端末の整合性チェック)と、万が一のためのインシデント対応計画が重要です。運用面では最小権限、ネットワーク分割、定期的な脅威情報の更新が有効です。
FAQ
Q: APTを完全に防げますか?
A: 完全防御は難しいです。侵入をゼロにするよりも、早期発見・被害最小化(検知体制やバックアップ、隔離手順)を重視する運用が現実的です。
A: 完全防御は難しいです。侵入をゼロにするよりも、早期発見・被害最小化(検知体制やバックアップ、隔離手順)を重視する運用が現実的です。
Q: APTと標的型メールの違いは?
A: 標的型メール(スピアフィッシング)はAPTが利用する代表的な手法の一つです。つまり標的型メールは手段、APTは目的達成のための包括的な攻撃活動です。
A: 標的型メール(スピアフィッシング)はAPTが利用する代表的な手法の一つです。つまり標的型メールは手段、APTは目的達成のための包括的な攻撃活動です。
Q: 社内で今すぐできる簡単な対策は?
A: ソフトウェアの更新、社員のフィッシング教育、重要データへの多要素認証、ログの集中管理と定期チェックが効果的です。
A: ソフトウェアの更新、社員のフィッシング教育、重要データへの多要素認証、ログの集中管理と定期チェックが効果的です。
関連キーワード: APT, 標的型攻撃, スピアフィッシング, 持続的脅威, セキュリティ監視, 不正侵入検知, マルウェア対策

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