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情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A)35


問題文

不正競争防止法によって保護される対象として規定されているものはどれか。

選択肢

自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものであって、プログラム等を含む物と物を生産する方法
著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することによって創作した著作物
秘密として管理されている事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの(正解)
法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラム著作物

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営業秘密【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

不正競争防止法(Unfair Competition Prevention Act:不正な競争行為を規制する法律)は、事業活動に有用で「秘密として管理されている」「公然と知られていない」技術上・営業上の情報を保護します。選択肢のうち、この定義に合致するのがの「秘密として管理されている事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」です。これは一般に「営業秘密(trade secret)」と呼ばれる概念です。
ポイント:
  • 「事業活動に有用」……企業の競争力に資する情報であること(例:製造ノウハウ、顧客リスト、営業戦略)。
  • 「秘密として管理されている」……社内でアクセス制限や機密ラベル、契約(秘密保持契約=NDA)などの管理がされていること。
  • 「公然と知られていない」……外部に広く知られていない状態であること。外部に漏れれば保護が失われます。

解法ステップ

  1. 問題が問う法律を確認する(不正競争防止法=営業秘密の保護が中心)。
  2. 選択肢のキーワードを拾う:「秘密として管理」「公然と知られていない」「事業活動に有用」など。
  3. 各選択肢を法律の対象と照らし合わせ、該当するものを選ぶ。
  4. 関連する別法(著作権法、特許法など)で保護されるものと区別して検討する。
この流れで、選択肢が不正競争防止法の保護対象に該当することが明確になります。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「自然法則を利用した技術的思想の創作…物を生産する方法」は発明や製造方法を示しており、通常は特許法(Patent Law)での保護対象です。プログラムなどソフトウェアは場合によって特許の対象になり得ますが、不正競争防止法の典型的な保護対象ではありません。
  • イ: 「著作物を翻訳・編曲・翻案して創作した著作物」は著作権法(Copyright Act:創作物の表現を保護する法律)が関係します。翻訳や翻案は著作権の範疇で扱われます。
  • ウ: 「秘密として管理されている事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」→ 不正競争防止法で保護される営業秘密を正確に表しています。したがって本問の正答です。
  • エ: 「法人の業務に従事する者が職務上作成するプログラム著作物」は著作権法上の「職務著作」に関わる記述です(雇用契約や社内規定で権利帰属が決まる)。不正競争防止法の典型的保護対象とは異なりますが、同じ情報が秘密管理されていれば営業秘密としても扱われ得ます(ただし前提の要件を満たすことが必要)。

よくある誤解

  1. 「営業秘密=何でも秘密にすれば保護される」
    → 単に秘密にしているだけでなく、「公然と知られていない」「事業活動に有用」「秘密として管理されている」の三要件が必要です。管理措置が不十分だと保護されないことがあります。
  2. 「著作権や特許と同じもの」
    → 目的や保護対象、保護される条件が異なります。発明は特許、創作表現は著作権、営業情報は営業秘密と使い分けます。
  3. 「社員が作ったプログラムは自動的に営業秘密になる」
    → プログラムが社外に知られておらず、かつ会社が適切な管理をしていれば営業秘密になり得ますが、著作権や契約による帰属問題とは別に考える必要があります。

補足コラム

実務上の管理策(職場ですぐ使える例):
  • 機密情報のリスト化と分類(機密等級の設定)
  • NDA(秘密保持契約)の徹底:外部委託先・取引先と締結
  • アクセス制御:必要最小限の者のみ閲覧可能にする
  • 物理的対策:鍵付きロッカー、入退出記録
  • 技術的対策:ファイル暗号化、ログ管理、端末の紛失対策
  • 退出時の措置:退職者のアクセス権解除、端末回収
運用イメージ:営業部の「有力顧客リスト」は社内で「機密」とラベル付けし、共有フォルダは閲覧権限を限定、外部に渡す際はNDAを取り交わす――こうした実務が「秘密として管理」する行為です。
また、情報の性質に応じて特許で開示して保護するか、非公開で営業秘密として保つかの判断が必要です。公開すると特許出願がしやすくなりますが、公開後は営業秘密性は失われます。

FAQ

Q: 営業秘密の保護に期限はありますか?
A: 特定の法定期限はありません。あくまで「公然と知られていない」状態が続く限り保護されます。漏洩して公知になると保護対象ではなくなります。
Q: 逆に他社が独自に解析(リバースエンジニアリング)して得た情報は違法ですか?
A: 合法に入手した製品や情報を解析して得た知見は、一般に必ずしも不正とは限りません。ただし、取得方法が不正(盗用や違法アクセス)であれば不正競争防止法違反になります。具体的判断はケースごとです。
Q: 社員が作ったプログラムはどう扱えばよいですか?
A: 著作権の帰属、労使間の契約、そして秘密管理の有無を整理してください。プログラムが企業の競争力に関わるなら、NDAや社内規程で秘密管理し、必要なら営業秘密として保護する運用が望ましいです。

関連キーワード: 不正競争防止法、営業秘密、秘密管理、NDA、著作権、特許、リスク管理
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