情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問36
問題文
請負契約の下で、自己の雇用する労働者を契約先の事業所などで働かせる場合、適切なものはどれか。
選択肢
ア:勤務時間、出退勤時刻などの労働条件は、契約先が定めて管理する。
イ:雇用主が自らの指揮命令の下に当該労働者を業務に従事させる。(正解)
ウ:当該労働者は、契約先で働く期間は、契約先との間にも雇用関係が生じる。
エ:当該労働者は、契約先の指揮命令によって業務に従事するが、雇用関係の変更はない。
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請負契約の指揮命令関係【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
請負とは、仕事の「結果(成果物)」を納めることを目的とする契約です。請負者(仕事を受ける側)が自己の雇用する労働者を管理・監督し、業務の遂行方法や勤務管理を行います。したがって、雇用主が自らの指揮命令の下に労働者を従事させるという点を示す選択肢、すなわちイが正解です。
ポイントは「誰が日々の指揮命令(業務のやり方や出退勤の管理)をするか」です。契約先(発注者)が直接指揮命令すると、派遣や雇用関係が疑われやすくなりますが、請負では雇用主が統制します。
解法ステップ
- 「請負(仕事の完成を目的)」と「派遣(労働者を提供して働かせる)」の違いを確認する。
- 請負:成果責任は請負者。作業のやり方は請負者が管理。
- 派遣:派遣先が業務指示・労働時間管理することが多い。
- 各選択肢が「誰が指揮命令・労働条件を決めるか」を述べているかを読む。
- 「雇用主が自らの指揮命令の下に従事させる」とする選択肢が請負の本質に合致するため、それを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 勤務時間や出退勤時刻を契約先が定めて管理する
→ これは派遣や準委任に近い状況です。発注者が日々の労働条件を管理すると、請負の主体性(請負者の管理)が失われ、雇用関係の帰属や法的問題が生じます。したがって請負としては不適切です。 -
イ: 雇用主が自らの指揮命令の下に当該労働者を業務に従事させる
→ 請負の基本に合致します。雇用主(請負者)が労働者の勤務管理や指揮を行い、成果を納める形になります。 -
ウ: 契約先で働く期間は契約先との間にも雇用関係が生じる
→ 単に契約先で働くだけで雇用関係が自動的に生じるわけではありません。実態(指揮命令の有無、賃金支払者、就業管理など)で雇用関係か否かが判断されます。選択肢は誤りです。 -
エ: 契約先の指揮命令によって業務に従事するが、雇用関係の変更はない
→ 契約先が実際に指揮命令を行うなら、それは派遣や指揮命令主体の交代につながり得ます。形式的に「雇用関係はない」としても、実態で判断されるため請負の説明として矛盾しています。
よくある誤解
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「現場に行って指示を少し受けるだけなら問題ない」
→ 一時的な調整や成果確認は通常許容されますが、日常的に作業手順や勤務時間を発注者が管理すると派遣とみなされるリスクがあります。 -
「契約書に『請負』と書いておけば大丈夫」
→ 契約書の文言だけでなく、実際の業務のやり方(誰が指揮しているか)で判断されます。実務が契約と矛盾していると法的問題になります。
補足コラム
現場でのイメージ:清掃会社が自社の従業員をオフィスで清掃する場合、清掃会社が勤務時間や作業方法を定め、従業員を管理します。発注側は「ここをこの時間までにきれいにしておいて」と成果を示すのみです。逆に、発注側が「何時に来て、何分でここをこうやって掃除しろ」と日常的に細かく指示すると、派遣扱いになる可能性があります。運用上は、契約時に「指揮命令系統」と「成果の範囲」を明確にし、日々の管理責任を請負者側に置く運用が望ましいです。
FAQ
Q1: 契約先が安全教育や作業ルールの説明をするのは問題ですか?
A1: 安全上必要な最低限の指示(施設の安全ルールや緊急時の避難方法など)は認められます。ただし、日常的な業務の指揮や勤務管理まで発注者が行うと問題になります。
A1: 安全上必要な最低限の指示(施設の安全ルールや緊急時の避難方法など)は認められます。ただし、日常的な業務の指揮や勤務管理まで発注者が行うと問題になります。
Q2: 社内で請負と派遣が混在すると面倒ですか?
A2: はい。両者で責任範囲(労災対応、勤怠管理、指揮命令)を明確にし、実態が契約と一致するように運用する必要があります。
A2: はい。両者で責任範囲(労災対応、勤怠管理、指揮命令)を明確にし、実態が契約と一致するように運用する必要があります。
Q3: 違反するとどうなりますか?
A3: 労働者派遣法違反や雇用関係の誤認により、行政指導や罰則、発注者・受注者双方のトラブル(賃金支払責任や社会保険負担の問題)につながることがあります。
A3: 労働者派遣法違反や雇用関係の誤認により、行政指導や罰則、発注者・受注者双方のトラブル(賃金支払責任や社会保険負担の問題)につながることがあります。
関連キーワード: 請負、派遣との違い、指揮命令、労働契約、雇用管理、成果責任、コンプライアンス

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