情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A) 問42
問題文
過去5年間のシステム障害について、年ごとの種類別件数と総件数の推移を一つの図で表すのに最も適したものはどれか。
選択肢
ア:積上げ棒グラフ(正解)
イ:二重円グラフ
ウ:ポートフォリオ図
エ:レーダチャート
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積上げ棒グラフ【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
選択肢のうち、年ごとに「種類別件数」と「総件数の推移」を一つの図で直感的に示せるのは、アの積上げ棒グラフ(stacked bar chart:各カテゴリの値を縦に積んで年ごとの合計高さで総数を表すグラフ)です。
積上げ棒グラフは各年の内訳(種類別の件数)が色分けされた「積み上げ部分」で一目でわかり、棒全体の高さが年毎の総件数を表すため、内訳と総計の双方を同時に比較できます。これにより、「ある種類が増えて総件数が増加しているか」や「総件数は安定しているが構成比が変わった」などの判断が容易になります。
積上げ棒グラフは各年の内訳(種類別の件数)が色分けされた「積み上げ部分」で一目でわかり、棒全体の高さが年毎の総件数を表すため、内訳と総計の双方を同時に比較できます。これにより、「ある種類が増えて総件数が増加しているか」や「総件数は安定しているが構成比が変わった」などの判断が容易になります。
解法ステップ
- 表示したいデータの性質を確認:年(時系列) × 種類(カテゴリ)で、さらに総件数(各年の合計)も見たい。
- 要件を満たす図の条件を考える:時間軸に沿った比較ができること、かつ各年の内訳が視認できること。
- 候補の図の機能を当てはめる:
- 積上げ棒は「年ごとの内訳」と「年別合計」を同時表現できる → 適合。
- 他は時間軸+内訳の両方を満たさない → 不適合。
- 結論:積上げ棒グラフ(ア)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- イ: 二重円グラフ(nested/donut pie chart:内側と外側の円で比較する円グラフの変形)
円グラフ系は「ある時点における構成比」を示すのに向きます。年ごとの推移(時系列変化)を示すのは不得手で、複数年を重ねると比較が難しくなります。 - ウ: ポートフォリオ図(portfolio chart:通常は横軸・縦軸で2変数を点で表し、点の大きさで第三変数を示す散布図的な図)
これは個別の項目を2変数で比較するための図で、年ごとの内訳と合計を順序良く並べて比較する用途には適しません。 - エ: レーダチャート(radar chart / spider chart:複数指標を放射状に配置してプロファイルを見る)
各年のプロファイル比較には使えますが、年ごとの合計値(総件数)や年間の推移を直感的に追うには向きません。指標が多いと読み取りにくくなります。
よくある誤解
- 「円グラフを年度ごとに並べれば良い」と考える誤解:円グラフは割合は分かっても、棒グラフのように高さ(合計)で一目で総数比較できないため、総件数の推移把握が不向きです。
- 「棒グラフは内訳が見えない」との誤解:単純な棒(grouped bar)だと内訳が分かりにくいが、積上げにすれば内訳と合計の両方が見える点が利点です。
- 「色をたくさん使えば良い」と思いがち:カテゴリが多すぎると色で区別しづらくなるため、主要カテゴリに絞るか、補助表で詳細を示す方が効果的です。
補足コラム
- 実務での運用イメージ
月次や年次の障害報告資料で、各障害種類の発生数と全体の推移を示す場合に積上げ棒グラフは便利です。例えば「ネットワーク障害」「サーバ障害」「人的ミス」などを色分けして積むと、どの原因が増えているか、総件数の増減と関連づけて説明できます。プレゼンでは棒上に合計値ラベルを付けると、会議での説明が速くなります。 - 表示の工夫ポイント
- 色は3〜6色に抑え、類似カテゴリはまとめる。
- 年順は左から右へ自然に並べる。
- 棒の上に合計数を表示すると、総件数の推移が明確。
- 重要なら合計を折れ線で重ねる(line+stacked bar)と総計の傾向がさらに強調されます。
- Excelでの簡単手順(概要)
- 年を横軸、各種類を列にした表を作成。
- 表を選択 → 挿入 → 「積み上げ縦棒」を選ぶ。
- 必要なら合計列を作り、二軸で折れ線を重ねる(データ系列の書式設定で「第2軸」を使う)。
補助として、Python(matplotlib)で積上げ棒と合計の折れ線を描く最小例を示します(実務での自動レポート作成に便利です)。
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
years = ['2018','2019','2020','2021','2022']
a = np.array([10,12,9,15,14]) # 種類A
b = np.array([5,7,6,6,8]) # 種類B
c = np.array([3,4,2,3,2]) # 種類C
ind = np.arange(len(years))
plt.style.use('seaborn-muted')
plt.bar(ind, a, label='A')
plt.bar(ind, b, bottom=a, label='B')
plt.bar(ind, c, bottom=a+b, label='C')
totals = a + b + c
plt.plot(ind, totals, marker='o', color='k', label='総件数')
plt.xticks(ind, years)
plt.ylabel('件数')
plt.legend()
plt.title('種類別件数と総件数の推移')
plt.show()
FAQ
Q1. カテゴリが多すぎる場合はどうする?
A1. 主な上位3~5カテゴリに絞り、残りを「その他」にまとめます。グラフで見えにくい細分類は別表で補足すると分かりやすくなります。
A1. 主な上位3~5カテゴリに絞り、残りを「その他」にまとめます。グラフで見えにくい細分類は別表で補足すると分かりやすくなります。
Q2. 総件数を強調したいときのコツは?
A2. 棒の上に合計数値ラベルを表示するか、合計を折れ線で重ねて(色を濃く)示すと視覚的に分かりやすいです。
A2. 棒の上に合計数値ラベルを表示するか、合計を折れ線で重ねて(色を濃く)示すと視覚的に分かりやすいです。
Q3. 色覚多様性(色覚障害)に配慮する必要は?
A3. はい。色だけで区別せず、パターンや凡例ラベルを併用したり、色覚に配慮した配色(ColorBrewerの配色など)を使ってください。
A3. はい。色だけで区別せず、パターンや凡例ラベルを併用したり、色覚に配慮した配色(ColorBrewerの配色など)を使ってください。
関連キーワード: 積上げ棒グラフ、可視化、インシデント集計、障害件数推移、Excelグラフ、matplotlib、データ表示の選び方

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