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情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A)14


問題文

SIEM (Security Information and Event Management)の機能はどれか。

選択肢

隔離された仮想環境でファイルを実行して、C&Cサーバへの通信などの振る舞いを監視する。
様々な機器から集められたログを総合的に分析し、管理者による分析を支援する。(正解)
ネットワーク上の様々な通信機器を集中的に制御し、ネットワーク構成やセキュリティ設定などを動的に変更する。
パケットのヘッダ情報の検査だけではなく、通信が行われるアプリケーションを識別して、通信の制御を行う。

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ログ統合分析【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

SIEM(Security Information and Event Management:セキュリティ情報・イベント管理)は、社内のサーバやネットワーク機器、アプリケーションなど「様々な機器から集めたログを一か所で集めて整理し、相関(関連付け)や分析を行い、管理者による原因究明や対応を支援する」仕組みです。設問の選択肢では、これを表すのが です。
ポイントをかみ砕くと:
  • 「ログ」は操作やイベントの記録(誰がいつ何をしたか)です。
  • SIEMはログ収集、正規化(形式を揃える)、相関分析(関連する事象を結び付ける)、アラート生成やダッシュボード表示を行います。
  • SIEM自体は通常、ログの分析と検知支援が主な役割であり、直接ファイルを実行して振る舞いを調べる(サンドボックス)、ネットワーク機器を集中制御する(SDN:Software-Defined Networking)、あるいはアプリケーション単位で通信をブロックする(NGFW:Next-Generation Firewall)といった動作は行いません。これらは別の技術や製品です。

解法ステップ

  1. 「SIEM」の定義を思い出す(Security Information and Event Management:ログの集約・相関・分析)。
  2. 各選択肢で出てくるキーワードを確認する:
    • ファイルを隔離して実行 → サンドボックス(動的解析)
    • ログを総合的に分析 → SIEM
    • 通信機器を集中的に制御 → SDN(ネットワーク制御)
    • アプリケーション識別して通信制御 → NGFW/アプリケーション層ファイアウォール
  3. 「ログを集めて分析・管理者支援」を示す選択肢を選ぶ →

選択肢別の誤答解説

  • ア: 隔離された仮想環境でファイルを実行して振る舞いを見るのは「サンドボックス」です。サンドボックスはマルウェアの動作確認を行うもので、ログの集約・相関を主目的とするSIEMとは別です。C&C(Command-and-Control:攻撃者の遠隔指令サーバ)への通信を監視するのはサンドボックスやネットワーク監視ツールです。
  • : SIEMが担う典型的な機能です。ログ収集、正規化、相関ルール、アラート生成、ダッシュボード表示、検索・フォレンジック(原因追及)などを含みます。
  • ウ: ネットワーク機器を集中的に制御して構成を動的に変更するのは「SDN(Software-Defined Networking:ソフトウェアでネットワーク制御を行う技術)」やネットワーク管理システムの領域です。SIEMは制御自体は行いません。
  • エ: パケットのヘッダだけでなくアプリケーションを識別して制御するのは「アプリケーション層のファイアウォール」や「NGFW(Next-Generation Firewall:次世代ファイアウォール)」、場合によってはIPS(Intrusion Prevention System:侵入防止システム)に該当します。これは通信の遮断・制御が主機能で、SIEMのログ分析とは役割が異なります。

よくある誤解

  1. 「SIEMがあれば自動で攻撃を止められる」
    → SIEMは主に検知・分析・通知を行います。自動対応(ブロックや修復)を期待する場合は、SOAR(Security Orchestration, Automation and Response:自動化・対応ツール)や連携する防御機器が必要です。
  2. 「ログを全部入れれば安心」
    → 量だけでなく、適切なログ(認証ログ、ファイアウォールログ、端末の検知ログなど)を収集し、正しく相関ルールを作ることが重要です。無差別の大量ログはノイズ増加で効果が下がります。
  3. 「SIEMは使えばすぐ効果が出る」
    → ルール設定やチューニング、運用体制(担当者による確認・対応)が不可欠です。導入後の運用がなければ検知精度は低いままです。

補足コラム

  • SIEMの基本的な処理フロー:ログ収集 → 正規化(フォーマット統一) → 保存(時系列) → 相関分析(複数ログの関連付け) → アラート生成 → 分析・調査(人手)
  • 実務上の使い方イメージ:総務がアカウントの不正利用を疑う場合、SIEMで「短時間に同一アカウントから複数拠点のログインがないか」「深夜の大量ダウンロードがないか」を検索して原因を絞れます。
  • クラウド時代のSIEM:オンプレ(自社設置)型だけでなく、クラウド提供のSIEMやログの送信先をクラウド型で運用するケースが増えています。ログ転送の暗号化や保存期間のポリシーも合わせて運用設計が必要です。

FAQ

Q. SIEMとログ管理ツールは同じですか?
A. ログ管理はログの収集・保存が中心です。SIEMはそれに加え、正規化や相関分析、アラートやダッシュボードなど「セキュリティ検知」に特化した分析機能が強みです。
Q. 小規模な会社でもSIEMは必要ですか?
A. 必要性は業務とリスク次第です。重要なデータを扱う場合や規程で監査ログ保存が求められる場合は有用です。小規模向けにはクラウド型やマネージドサービスがお勧めです。
Q. SIEMとSOCって何が違う?
A. SOC(Security Operations Center:セキュリティ運用センター)は人とプロセスの組織です。SIEMはSOCが使う主要なツールの一つと考えると分かりやすいです。

関連キーワード: SIEM、ログ管理、ログ相関、正規化、サンドボックス、SDN、NGFW、SOAR、SOC、フォレンジック、アラート、ログ収集、監査ログ、脅威検知
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