情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A) 問22
問題文
DNSキャッシュポイズニングに分類される攻撃内容はどれか。
選択肢
ア:DNSサーバのソフトウェアのバージョン情報を入手して、DNSサーバのセキュリティホールを特定する。
イ:PCが参照するDNSサーバに偽のドメイン情報を注入して、利用者を偽装されたサーバに誘導する。(正解)
ウ:攻撃対象のサービスを妨害するために、攻撃者がDNSサーバを踏み台に利用して再帰的な問合せを大量に行う。
エ:内部情報を入手するために、DNSサーバが保存するゾーン情報をまとめて転送させる。
🔒 解説は解答すると表示されます
DNSキャッシュポイズニング【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
DNS(Domain Name System:ホスト名とIPアドレスの対応を管理する仕組み)の「キャッシュ(問い合わせ結果を一時保存する仕組み)」に偽の情報を注入して、利用者を攻撃者が用意した偽サイトに誘導する攻撃が「DNSキャッシュポイズニング」です。選択肢のうち、イは「PCが参照するDNSサーバに偽のドメイン情報を注入して、利用者を偽装されたサーバに誘導する」という説明であり、まさにキャッシュポイズニングの定義に合致します。したがってイが正解です。
解法ステップ
- 問題のキーワードを探す:「DNS」「キャッシュ」「偽のドメイン情報」「注入」「誘導」など。
- 「キャッシュに偽情報を入れる」→ クライアント側の問い合わせの結果を書き換える攻撃であると判断する。
- 各選択肢を当てはめる:
- サーバの脆弱性探しは探索(違う攻撃)、
- 再帰的問合せの大量発生はDDoS系、
- ゾーン転送は情報取得系。
- これらと比べて「偽情報を注入して利用者を誘導する」ものがキャッシュポイズニングに該当するので選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: DNSサーバのソフトウェアのバージョン情報を入手して脆弱性を探す行為は「情報収集(フィンガープリンティング)」や「脆弱性スキャン」に当たり、キャッシュの内容を書き換える攻撃ではありません。これは攻撃準備段階の行為です。
- イ: (正解)DNSリゾルバ(名前解決を行い結果をキャッシュするDNSサーバ)に偽情報を注入して利用者を攻撃サイトへ誘導する。典型的なキャッシュポイズニング。
- ウ: DNSサーバを踏み台にして大量の再帰的問合せを発生させるのは、リソースを枯渇させる「DDoS(分散サービス妨害)系攻撃」です。DNSのキャッシュを書き換える目的ではありません。時に「DNSリフレクション/アンプ攻撃」と呼ばれます。
- エ: DNSサーバが持つゾーン情報をまとめて転送させる(ゾーン転送、AXFR)はサーバからの情報漏洩を狙う行為です。これは権威サーバのデータを取得する手法で、キャッシュの内容を書き換える攻撃とは異なります。
よくある誤解
- 「キャッシュポイズニングはサーバ本体を改ざんする攻撃だ」
→ 違います。多くはリゾルバ(利用者や組織が使うDNSキャッシュ)に偽の応答を注入して利用者の名前解決結果を変える攻撃です。 - 「DNSSECがあれば完全に安心」
→ DNSSEC(DNS Security Extensions:DNS応答の改ざんを検出・防止する仕組み)は有効ですが、導入・検証が全チェーンで正しく行われている必要があります。導入状況によっては効果が限定的です。 - 「攻撃は必ず外部から来る」
→ 内部LANからの不正な問い合わせやマルウェアにより内部から実行されることもあります。内部対策も重要です。
補足コラム
職場での実務イメージ:
- 社内PCが参照するDNSサーバ(リゾルバ)に偽の応答を入れられると、従業員が正しいURLを入力しても偽サイトに接続されてしまいます。これによりログイン情報や機密データが抜かれる恐れがあります。対策としては、社内DNSリゾルバに対するアクセス制限、最新パッチ適用、DNSSECの導入、再帰問い合わせを外部に開放しない設定、そしてDNSクエリログの監視が現場で実施しやすい対策です。 技術的対策例:
- DNSSECで応答の署名を検証する。
- 公開リゾルバを不必要に使わせない(内部リゾルバを限定)。
- キャッシュの有効期限(TTL)やキャッシュのクリアポリシーを適切に設定。
- ゾーン転送は信頼できるホストに限定する。
- DNSおよびネットワーク機器を常に最新に保つ。
FAQ
Q1: キャッシュポイズニングはどうやって発見しますか?
A1: 利用者からの「いつものサイトなのに証明書エラーが出る」「アクセス先のIPが普段と違う」といった報告、DNSクエリログにおける異常な応答、外部の監視サービスでの名前解決結果と自社リゾルバ結果の不一致などで検知します。
A1: 利用者からの「いつものサイトなのに証明書エラーが出る」「アクセス先のIPが普段と違う」といった報告、DNSクエリログにおける異常な応答、外部の監視サービスでの名前解決結果と自社リゾルバ結果の不一致などで検知します。
Q2: DNSキャッシュポイズニングとDNSハイジャックは同じですか?
A2: 似ていますが区別します。キャッシュポイズニングはリゾルバのキャッシュを書き換える手法。ハイジャックはDNS設定そのもの(ドメイン登録情報や権威サーバの設定)を乗っ取るなど、より恒久的な侵害を指すことが多いです。
A2: 似ていますが区別します。キャッシュポイズニングはリゾルバのキャッシュを書き換える手法。ハイジャックはDNS設定そのもの(ドメイン登録情報や権威サーバの設定)を乗っ取るなど、より恒久的な侵害を指すことが多いです。
Q3: 個人のPCでも起こり得ますか?
A3: はい。公共のWi‑Fiや制御の緩いDNSサーバを使うと、偽のDNS応答により誘導されるリスクがあります。信頼できるDNSやDNS over HTTPS/TLSを使うとリスク低減になります。
A3: はい。公共のWi‑Fiや制御の緩いDNSサーバを使うと、偽のDNS応答により誘導されるリスクがあります。信頼できるDNSやDNS over HTTPS/TLSを使うとリスク低減になります。
関連キーワード: DNS, DNSキャッシュポイズニング, リゾルバ, キャッシュ, DNSSEC, ゾーン転送, 再帰的問い合わせ, DNSリフレクション, フィッシング, AXFR

\ せっかくなら /
情報セキュリティマネジメントを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

