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情報セキュリティマネジメント 2017年 秋期 午前(科目A)46


問題文

コンピュータの能力の向上によって、限られたデータ量を分析する時代から、Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度)の三つのVの特徴をもつビッグデータを分析する時代となった。この時代の変化によって生じたデータ処理の変化について記述しているものはどれか。

選択肢

コストとスピードを犠牲にしても、原因と結果の関係に力を注ぐようになった。
ビッグデータ中から対象データを無作為抽出することによって予測精度を高めるようになった。
分析対象のデータの精度を高めるクレンジングに力を注ぐようになった。
膨大なデータを処理することで、パターンを発見することに力を注ぐようになった。(正解)

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パターン発見重視【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

ビッグデータは Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(速度)の「3つのV」を特徴とします。データが非常に大量でかつ多様かつ高速に流れる環境では、個々の原因を詳細に追う従来の因果分析よりも、大量データを処理して「規則性やパターン(傾向)」を見つける手法が実用的かつ有効になります。選択肢の中では、膨大なデータを処理してパターンを発見することを表す がこの変化を的確に示しています。
ポイントを平易に言うと、「量が多いからこそ、全体を走らせて傾向をつかむ」アプローチに移った、ということです。これにより、推薦システムや不正検知など、パターン検出に基づく応用が伸びました。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「Volume・Variety・Velocity(3V)」が示す意味を確認する(データ量・多様性・速度が増大)。
  2. 3Vの増大がデータ処理にどう影響するかを考える(全件処理・並列処理・パターン抽出が重要になる)。
  3. 各選択肢がその変化を説明しているかと照らし合わせる。
  4. 「大量データからパターン発見」を示す を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「コストとスピードを犠牲にして因果に注ぐ」は逆の発想です。大量データ時代ではむしろスピードやコスト効率を重視し、機械的にパターンを見つける手法が増えます。因果関係が必要な場合は別途設計された実験(例:A/Bテスト)が用いられます。
  • イ: 「無作為抽出で予測精度を高める」は必ずしも当てはまりません。無作為抽出(サンプリング)は処理負荷を下げる手段ですが、ビッグデータの利点は全体を活かして希少なパターンを見つける点にあります。サンプリングで希少事象を見逃すことがあります。
  • ウ: 「データクレンジング(データの正確さを高めること)に注力」は一部正しい面があるものの、ビッグデータ時代にはノイズを許容する手法や、スケーラブルな前処理を用いることが多く、クレンジングだけが中心にはなりません。つまり重要だが唯一の変化点ではありません。
  • エ: 「膨大なデータを処理してパターンを発見」――ビッグデータの特徴と処理方針の変化を最も正確に表しています。よって本文の意図に合致します。

よくある誤解

  1. 「相関は因果だ」:データから見つかる相関(correlation:一緒に動く関係)は、必ずしも因果(causation:原因と結果の関係)を意味しません。業務で判断を下す際は、必要なら因果を確かめる追加の実験が必要です。
  2. 「クレンジングが不要になる」:大量データではノイズ耐性のある手法が使われますが、個人情報や重要な指標を扱うときはデータ品質管理や匿名化が必須です。
  3. 「常に全件処理すればよい」:全件処理はコストや時間がかかります。用途に応じてサンプリング、ストリーム処理、バッチ処理を使い分けます。

補足コラム

  • 機械学習(machine learning:データから規則や予測モデルを学ぶ技術)は、ビッグデータと相性が良く、膨大なデータからパターンや予測モデルを自動的に作ります。たとえば不正検知では、過去の膨大な取引データから「異常な振る舞い」のパターンを学びます。
  • 分散処理技術の例として、Hadoop(ハドゥープ:大規模データ処理の分散フレームワーク)や MapReduce(マップリデュース:データを分割して並列処理する手法)があります。これらにより大量データを効率よく処理できます。
  • 職場での運用イメージ:最初に「何を予測・発見したいか」を明確にします(例:顧客離脱予測、不正行為の検出)。次に必要なログやデータを収集・保存し、簡単な分析で仮説を検証します。結果に基づき、可視化ダッシュボードやアラートを作る流れが一般的です。
  • 個人情報を扱う場合は、収集目的・保存期間・アクセス制御などのルールを整備し、匿名化や暗号化で保護します。

FAQ

Q1: ビッグデータで見つかったパターンはすぐ業務に使っていいですか?
A1: いきなり判断材料にするのは危険です。相関を因果と勘違いして誤った施策を打つことがあるため、業務影響が大きい場合は追加検証(小規模実験や専門家のレビュー)を行ってください。
Q2: データ量が多ければ精度は必ず上がりますか?
A2: 多いほど学習に有利な場合が多いですが、ノイズや偏りがあると逆効果です。適切な前処理と評価指標が重要です。
Q3: 小規模な会社でもビッグデータ的手法は使えますか?
A3: はい。目的を絞ってログや顧客データを集め、クラウドの分析サービスやOSSツールを使えば導入は可能です。まずは小さなPoC(概念実証)から始めるのが現実的です。

関連キーワード: ビッグデータ、3V、パターン検出、相関と因果、機械学習、データクレンジング、分散処理、Hadoop、MapReduce、不正検知、予測分析、ストリーム処理
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