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情報セキュリティマネジメント 2017年 春期 午前(科目A)04


問題文

ディザスタリカバリを計画する際の検討項目の一つであるRPO (Recovery Point Objective)はどれか。

選択肢

業務の継続性を維持するために必要な人員計画と要求される交代要員のスキルを示す指標
災害発生時からどのくらいの時間以内にシステムを再稼働しなければならないかを示す指標
災害発生時に業務を代替する遠隔地のシステム環境と、通常稼働しているシステム環境との設備投資の比率を示す指標
システムが再稼働したときに、災害発生前のどの時点の状態までデータを復旧しなければならないかを示す指標(正解)

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復旧時点目標(RPO)【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

RPO(Recovery Point Objective:復旧時点目標)は、「システムが再稼働したときに災害発生前のどの時点の状態までデータを復旧する必要があるか」を示す指標です。つまり、災害で失っても許容できるデータの「時間的な長さ(どれくらい前までさかのぼって復元するか)」を決めます。したがって本問の正解は に該当します。
ポイントを分かりやすく言うと:
  • RPO = 許容できる「データの遡れる時間の長さ(最大データ損失時間)」
  • 単位は通常「時間」や「分」で表します(例:RPO = 24時間、RPO = 15分など)。

解法ステップ

  1. 問題で問われている語(RPO)の英語の元の意味を思い出す:Recovery Point Objective。
  2. 直訳すると「復旧(Recovery)する際の時点(Point)の目標(Objective)」→「どの時点のデータまで戻すか」を示すと理解する。
  3. 選択肢を当てはめる:
    • 「人員計画」や「再稼働までの時間」や「設備投資の比率」はRPOの定義と合わないため除外。
  4. 残った「災害発生前のどの時点の状態まで復旧するか」を示す選択肢がRPOの説明と一致するので正解とする()。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「業務の継続性を維持するために必要な人員計画」→ これは人員配置や代替要員のスキルに関する指標で、人的側面のBCP(事業継続計画)に近い内容です。RPOではありません。
  • イ: 「災害発生時からどのくらいの時間以内にシステムを再稼働するか」→ これはRTO(Recovery Time Objective:復旧時間目標)です。RTOは「どれくらい早く戻すか(時間)」、RPOは「どの時点まで戻すか(どれだけのデータを失ってよいか)」と役割が異なります。
  • ウ: 「遠隔地のシステム環境と通常環境の設備投資比率」→ 投資比率の話で、RPOとは無関係です。コスト配分やDRサイトの構成比率の話に近い内容です。
  • エ: 「システムが再稼働したときに、災害発生前のどの時点の状態までデータを復旧しなければならないか」→ これがRPOの定義に合致します(本問の正解)。

よくある誤解

  1. RPOとRTOを混同する
    • RPOは「どの時点までデータを戻すか(データの量/時間)」。RTOは「どれくらい速くサービスを復旧するか(時間)」。用途が違います。試験や現場で混同しやすいポイントです。
  2. RPO=バックアップ頻度そのものだと考える
    • バックアップ頻度はRPOを満たす手段の一つです(例:夜間のみバックアップならRPOは最大24時間)が、RPOはビジネスが許容する最大データ損失時間です。手段(バックアップ、レプリケーション等)はそれを実現するために選びます。
  3. RPO=0は常に可能と思い込む
    • 同期レプリケーションなどでRPOをほぼ0にできる場合もありますが、コストや性能の問題、設計上の制約があります。現実的にはビジネス優先度に応じて決めます。

補足コラム

  • 実務でのイメージ(職場でどう運用するか)
    会社では業務ごとにRPOを決めます。例えば給与計算データは「最小限のデータ損失が許されない」ためRPOを短く(例:15分)設定し、社内ニュースメールならRPOを長く(例:24時間)設定します。RPOに合わせてバックアップ頻度やレプリケーション方式(同期/非同期)を決め、運用手順に落とし込みます。
  • 具体例
    • 日次フルバックアップのみ:RPO = 24時間(最悪24時間分のデータが失われる)
    • 1時間毎の増分バックアップ:RPO ≤ 1時間
    • 継続的同期レプリケーション:RPO ≒ 0(ほぼデータ損失なし。ただし高コスト)
  • 簡単な式(考え方)
    • バックアップ間隔がTなら、おおむね と考えます(仕組みや遅延により誤差あり)。

FAQ

Q: RPOはどの単位で表すのが一般的ですか?
A: 通常「分」「時間」「日」など時間単位で表します(例:RPO = 4時間、RPO = 15分)。
Q: まずRPOとRTOのどちらを決めれば良いですか?
A: どちらも業務影響度分析(BIA:Business Impact Analysis)で並行して検討します。業務の重要度に応じて「許容できる停止時間(RTO)」と「許容できるデータ損失時間(RPO)」を決め、それに見合う対策を設計します。
Q: RPOを短くすると何が起きますか?
A: バックアップ頻度の増加や同期レプリケーションなど、よりリアルタイムに近い対策が必要になり、コストや運用負荷が上がることが多いです。

関連キーワード: RPO、復旧時点目標、RTO、ディザスタリカバリ、バックアップ、レプリケーション、業務継続計画
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